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転生するのなら欲望を!!〜転生後の姿は男の娘〜  作者: 四葉のアミア
第3章 死神としての僕
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久しぶりの女神様

本当にお久しぶりです

 



 不完全燃焼なクラス別競争が終わりを迎えてから、しばらく……そういえば、このオーリア学院にはいわゆる夏季休暇などは存在しない事をこの間知った。



 最近では前世を思い出す事も少なくなってきた。前世の事を忘れて今を楽しんでいると捉えるべきなのだろうか?と思い出すたびに考えてしまう。


 前世の大事な記憶の大半が消えている僕にとって前世はあってないようなものだしね。ただ、そういう経験があるというだけ……役に立つ思い出もあるけれどそれだけだ。


 過去は過去。もう取り返しのつかない終わった事だから現在や未来のことを目を向けるしかない。



 …………伝えられないという後悔はしたくないから…





 ◆





 いつも通り学院で何個か授業を受け、トーン君達と軽く模擬戦をして、所属している魂魄研究部に顔を出して少し手伝うという日々を僕は過ごしていたある日。




 今日は天覇の塔に一人でチャレンジして調子に乗った結果階層をどんどん突き進んだせいで魔物に殺された。


 ヘトヘトになった体を動かして僕はベットに横になった瞬間に眠りについた。



 気がつくと純白の空間が広がっていた。夢?かと思ったが何かが違う……実際に僕自身がこの場に居るような感じだった。


 どこかで似たような感覚を味わった気がするけれど、思い出せない。


 混乱している頭を落ち着かせながらは僕は歩く。

 どこまで続いているのかも分からないこの空間を歩いていると、突然周囲の景色が変化した。


 突如目の前に現れた豪華な装飾が施された机にフカフカそうなソファー……そして何より、そのソファーに座っている一人の人物。いや、一柱の神と言うべきお方か。


 あぁ、思い出した。


「お久しぶりです。女神ザレウス様」


 僕をこの世界に転生させた張本人の女神様が僕の前に居る。


 こうやって会うのはいつぶりだろうか?少なくとも転生してからは会った記憶がない。


 僕がそう女神様にそう言うと女神様はえぇ、久しぶりかしら?と返す。


「まずは久しぶりに会ったわけだからゆっくり話しましょう。座りなさい」

 突然僕の前にソファーが出現した。びっくりした。


「失礼します」


 下手な言動や行動は取れないのでここ最近ではずっと取ってない敬語などを頑張って思い出しながら口にしていく。


 もし、目の前の人物を怒らせでもしたら……まず間違いなく死ぬね。神様だもん。


「ふふっ、そんなに固くなくてもいいから自然にしてちょうだい。転生する前の貴方はもっと図々しかったから」


「そうなんですか?……いえ、前世の僕に関しては特に考えないようにしてますので深くは聞きません。それで、今日はどのような件で僕をお呼びに?」


「色々と貴方自身も成長しているようだから、いくつか目的があって呼んだのよ。一つ目は雑談、話したい事が色々あってね?二つ目は前世の記憶に関する事。三つ目は仕事の依頼。どれから聞きたい?」

 指を3本立てながらそう告げる女神様に僕は少し考え込む。


 雑談。これを最初にすれば最悪の場合盛り上がってしまい中々他のことが聞かなくなってしまう可能性があるので最後にするとして……二つ目か三つ目だけど、二つ目からかな。


「では、二つ目の前世の記憶に関する事からお聞きしても?」


「もちろん。貴方の体が肉体的にも精神的にも成長してきているから徐々にだけど前世の記憶を戻してあげようかしら?と考えているの。本来ならばこんな事は絶対にしないんだけど、ちょっとしたご褒美と思っていいから。どう?」


 過去は過去。そう僕は考えた。

 例え、前世の記憶がなくとも別に困ることなんて極論ではあるけれど一つもないからね。


 けれど、もし戻るのならば?僕であり僕じゃない前世の僕が歩んだ軌跡を見てみたい。けれど……


「…記憶が戻る影響で何か弊害とか起こりますか?」


 これだ。記憶が戻ると言うことは僕の体に僕じゃない記憶が突然現れるみたいな事だから頭がおかしくなってしまわないか、そこが不安だった。


 その問いに女神様は少し考えた後、答える。


「特にないですよ。これが生まれたばかりの時ならば人格等が完全に破壊されて意思なき生物になってしまいましたが、今の貴方は精神的にも成長してますので多少の記憶が戻っても何ら弊害は起こりませんよ」


 少し恐ろしい回答が返ってきた。


 けれど、特に害がないならば……欲しい。僕の前世の記憶が。


 でも、今じゃない。断片的に戻ってきたら続きや残りの記憶が気になってしまうからだ。どうせ戻るのならば全部纏めて戻して欲しい。


「いえ、今の貴方にそれは無理です。そうですね……少なくともあと10年は必要です」

 そういえば心読む人だったなぁ…


「では、10年後に全ての記憶を一気に戻してください」


「分かりました。10年後のあなたが覚えているとは到底思えませんが、10年後に」


 馬鹿にされたけれど、覚えていられる自信はないので反論はせずに次の話に移る。


「次に、三つ目の仕事に関して…これはどういう?」


「簡単に言えば、死神としてのお仕事です」


 女神様から与えられる仕事に見当もつかなかった僕は、返答内容を聞いて思考が一瞬ではあったが停止する。


 しかし、すぐさま再起動した僕の思考は今の言葉を何度も頭の中で必死に理解しようとする。



「…死神としての、ですか?」


「はい。死神はこの世界だけではありませんが、度を超えた悪事を働く人物を処刑するという業務があります。ただ、そんな人は滅多に現れませんが」


「でも、仕事ということは」


「はい。お考えの通りですよ。それも貴方が居る世界に現れました」


 ……まじかぁ〜。よりにもよって僕が居る世界なんだ?


 でも、もし他の世界ならばどんな感じになっていたんだろう?なんか色々とめんどくさいことになりそうだから僕が居る世界で良かった。


 にしても、度を超えた悪事を働く人を処刑……処刑って事はそう言うことだよね。


【死の大鎌】を使ってその誰かさんの魂?を刈り取るのかな?


「えぇ、その通りです」

 あっ、また心読んできたよこの女神様……


 心の中で馬鹿にしたら一瞬でバレそう。それで、その後に天罰…いや、神様が与えるから神罰が落とされそう。


「その考えも読んでいますよ?試しにしてみますか?」


「冗談です。それで、どのように仕事をすれば?」


 嫌だ、なんて言う拒否権は生憎と持ち合わせていない。なんたって女神様から直々に言い渡されているのだから断れるはずなんてない。


 まぁ、仮に断れる状況下であっても断るつもりはないけれどね。

 これって死神スキルを持つ僕だからこそ、頼まれている仕事なんだよね?だから、僕がやるしかないし、そんなやばい人物を放っておいたら後々とんでもないことにもなりそうな予感もするから。


「その人物の元に行って魂を刈り取って下さい。やり方は分かりますよね?」


「もちろん。ただ、その人物の元にと言うのは自分の足で?なんか、こう転移とかしてくれたり?」


「死神は仕事をする際、誰の手も借りてはいけない。そんなルールがあります」


 誰ですか?そのルール作った人。今すぐ出てきて欲しいです。


「初代死神が作りました」


 よーし、僕も死神として頑張らないとね!


「処刑すべき人物の名前を言いますが、これは貴方の魂の方に告げますので役目を果たすまで忘れることはありえません」


 魂の方に?中々聞きなれない言葉が出てきたけれど、役目を果たせば忘れるんだったら別にいいか。

 自分が処刑した人物のことなんて覚えていたくないしね……まぁ、罪悪感的にと言われればあれかもしれないけれど相手は神様すらも度が過ぎると言われる程の悪人なのだ。覚えておく価値はない。ただ、教訓として残しておくのはいいかもしれない。後世に二度と同じような人物が現れないようにするためにね。


「さて、これでお話は終わりです。貴方なら必ず成し遂げれます」


「過度な期待ですね〜。失敗出来ないじゃないですか」


「死神に殺せないものは居ませんよ」


 ……その言葉に込められている意味はなんなのか。分からないけれど、何か特別な意味が込められているとなんとなく僕は感じ取った。



 僕の記憶の話、そして死神としてのお話が終わったので残っているものはというと……


「色々と話したい事があります」


 雑談だったね。でも、今の入りから察するに雑談じゃない気がするのは僕だけかな?


 嫌な予感がするのでここいらでおさらばしたいけれど、この空間から脱出する方法が分からないのでお手上げだね。


「まず、貴方にお願いした私に対しての祈りについて」


「……あ」


 そういえばそんなんあった。完全に忘れてた。


「はぁ…そんなところだろうとは見てて思いましたが」


「これからやります。あと、祈りって何か女神様に良いことあるんですか?」

 ふと、気になったことを僕は聞いてみた。


 その問いに女神様は少し考えた後に答える。


「特にないけれど、私が嬉しいってことくらいです」


「なら別に…いえ、なんでもないです」


 危うくいらない言葉を口にするところだった。別に祈りなくてもいいんじゃないのか?ってね。


「口にしてなくても心の中で言ってたら私の前では無意味です」


「ありゃ……」


 最早何度目か分からない呆れの目を向けてきたよ。こればかりはどうしようもないんだよね……慣れかな。


「女神様への祈りはこれからさせてもらいます。あと、祈りというのは神殿で?」


「出来れば、という感じですが……神殿でなくとも貴方の思う祈りを私に捧げてくれればそれでいいです」


「分かりました」


 そうは言ったものの祈りってどんな感じにするべきなのかが分からない。


「感謝や聖句、あとは愛の言葉でも大丈夫です。いつも愛しております〜とか」


「前者二つならまだしも、最後のは冗談もほどほどにして下さいよ〜」


 あははっ、と笑っていると女神様は何故か不機嫌な顔をした。


「冗談でもありませんよ。他の神の信者にはそういう人もいるらしいですから、貴方も同じことをしてもいいですよ?」


 女神様(あなた)、そういうキャラでしたっけ?と思う。いや、むしろこっちが本当の姿なのかな?


 ……まっ、その辺りは一旦置いといて、僕を転生させてくれた女神様のちょっとした願いくらい叶えてあげないとね。


「分かりましたよ。女神様、最低一回くらいはやってみます。それで、お気に召したり僕も嫌じゃなかったら覚えている限り続けてみようかと思います」


「空気読まなくてもいいんですよ?」


「そんなんじゃないですよ」


 無いと言えば嘘にはなるけれど、あって2割ほどかな。


「それより女神様、僕も話したい事が色々あるんですよ」


「ふふっ、それは私も同じですから仲良くいっぱい話しましょう。幸い、時間には余裕がありますから」



 そう言って女神様は机の上に豪華なお菓子やデザートや、湯気が立っている美味しそうな紅茶などを出現させた。


 これは、長いお茶会になりそうだね。

誤字脱字があれば報告の方をお願いします。

この作品は不定期投稿なのでブクマをおすすめします


ーー以外雑談、普通に長い時もあるので見なくても大丈夫。


様々なことが合わさった結果めちゃ久しぶりになりました。ちなみに改稿作業に関しては全然手がついてないので頑張りたい。


一度書き始めたらめちゃめちゃ書けるんだけど、そこに至るまでが中々ね。YoutubeだったりXだったり、ゲームだったらとね。誘惑の魔の手がっ……



ゲームに関してはプロセカがめでたいことに3周年を迎えましたし、アズレンも6周年……色々とめでたいです。


原神は推しの七七が当たったので歓喜に満ちております。えー、海染周回してますが冠しかいいの作れません。ちなみに、冠だけスコア40超え3つ作れました。何故?



さて、これからは流石に1ヶ月ほどの間隔は開けないように更新したいです。でも、改稿作業もあるので色々と大変かもですね。頑張りますよ。小説を書くのはとても楽しいですから。



では、また!

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