予想外過ぎる答え
色々お待たせしました
この話にてこの章は完結となります!
リーフィアが正解した。いや、もしかしたらリーフィアではないかもしれないけれど学院長室を退出してから誰とも会っていない。そのため、ほぼ確実に先ほどのアナウンスにあったとある生徒というのはリーフィアしか選択肢にない。
「……カーマさん、どうする?」
「…予想外にも程がある。戻ってみよ」
そう言って来た道を戻ろうとするカーマさんを僕は止める。
「多分、無駄だと思うよ」
「なんで?」
「最初の所に集合して下さいって言ってたから多分転移が何かで既にあの場には居ないと僕は思うんだよね。そして、リーフィアはどうかは分からないけれど正解者ということで学院長と一緒にいるかもしれないよ」
僕もリーフィアに色々聞きたい事はあるけれど、今は我慢してクラスのみんなと集まる方が良いしね。
このまま向かってもいいけれど無駄足だった場合かなりの時間を使ってしまうから最悪遅れて到着してしまうかもしれない。まぁ、そんな事は無いと思うけれど何。
そういった事を軽く説明するとカーマさんは足の向きを学院長室とは真反対の方向へと向けて歩き出した。
「行こう」
「了解」
無言のまま僕たちは早足で歩き、クラスのみんなと連絡を取り合いながら最初の広場に着いた。
広場には既に多くの生徒が集まっており、ざわめきが止まらない様子だった。それは僕たちのクラスも同じだった。
他クラスには脱力して座り込んでいる生徒もちらほらといるみたいだね。ここまで来て、しかも何の前触れもなく突然終わりを告げられたからその気持ちは分からないまでもないんだねどね。
「フィグラにカーマ、来たか」
「お待たせ、みんな」
「物凄くモヤモヤするな。不完全燃焼だ」
「流石にね…あんなサッと終わられたらね」
「これが終わったらちょっと天覇の塔に付き合ってくれねぇか?」
「いいよー」
そんな風に雑談をしていると、全員が集まったのか台の上に学院長が姿を現した。しかし、その隣にリーフィアの姿は無かった。
どこだろうと思って探してみるが見当たらず、学院長が喋り始めたので一旦探すのをやめた。
「色々言いたい事はあるけれど、取り敢えずお疲れ様。今回のクラス別競争の形式はこちらとしても初めてで色々と問題点も多くてねぇ……こんな事はもう起きないとここで約束するよ」
やっぱり問題点は多かったみたいだね。僕としても何点か気になるところは色々あったしね。
例えば試練官とか、人を倒しちゃってもいいとか、寝泊まりの場所とか色々ね……終わった事をあーだこーだ言っても仕方ないけどね。
「さて、肝心の答えを君たちは知りたいんじゃないのかな?色んな生徒が多くの答えを持ってきてくれたけれど、そのどれもが不正解。じゃあいったい何なのか?その答えはね…」
いったん溜めて、学院長は生徒達の顔を見てから回答を口にする。
「この世界に生きている人類、全て。それがこの世界で誰が一番強いのかという答えだよ」
『っ!!?』
静寂が訪れて、数秒後に驚きやざわめき、疑問などの声が次々と湧きあがる。
逆に僕は最初こそ驚いたけれど、よくよく考えて納得をした。
「個人で強いというと複数名いるけれど、個人でとは聞いてないからね。あくまで誰が…という問いだからね。例えどんなに弱くとも一人一人が力を合わせればどんなに強大な存在でも勝てるのさ。それは英雄譚でも一緒だろう?」
考えれば分かる事だった。個人で誰が強いのかと言う事に意識が向けられすぎていたせいでその考えに至らなかった。まぁでも、問題文も大概酷いとは思うけれどね。
リーフィアはそこに気づく事が出来たんだ。やっぱり、彼女は昔から凄いや。
「この問題の答えを出した人物は本人の意思により伏せさせてもらうよ。そして、どのクラスなのかというのも言うつもりはない、と言う事を聞いているから僕からは何も言うつもりはない。代わりに、よく回答を導き出せたね。おめでとうと言う言葉を送るよ」
そう言って学院長はパチパチと手を大きく叩き始めた。それにならい、他の教職員も続き……そして、僕たちも拍手をする。
誰に対してこの拍手を送ればいいのか分からない人が多い中、僕はリーフィアの事を考えながら彼女に対して拍手を送った。
〜その後の学院長〜
学院長は自室にて今回の行事の反省点を纏めていた。
「今回のような事は二度とないけれど、やっぱり急な対応に教員達は咄嗟に動けてないのが特に問題だね」
今回、学院内を監視して問題が起こらないようにするために教員達は協力していたが、予想外な出来事には学院長が呟いたように咄嗟には動けずにどうすればよいのか数分くらい相談してようやく、解決に向かっていたのだ。
その事を学院長は風神スキルを使用してその事を把握しており手を貸そうと思っていたが、回答を伝えにくる生徒の対応やそれ以外の件で手伝おうにも手伝えなかったのだ。
「こういう知らなかったことも色々知れて良かったとは言えるね。それに、少し気になったことも知れたしね」
そう言って右手にある一枚の紙に書かれている内容を見て、学院長は思考を回転させる。
「天覇の塔での事件の原因と今回の回答者……決定的な証拠とは流石になりえないか。けれど、少なからず何かしらの関係性があるはず」
脳裏に今回の問題の回答を口にしたリーフィアという少女の姿を思い返しながら、学院長は白紙に自分の考えを綴り、右手にあった一枚の紙と一緒に機密と書かれたファイルへ閉じる。
そして、また今回の反省点を纏めるという業務を再開しながら学院長はまた呟く。
「転生者、転移者…もしくは、思考が他者とは違ういわゆる天才…どれだろうねぇ」
仮にこの場に教職員が居たとしても、その言葉の意味を理解出来る者は誰一人として居ないだろう。
これは余談だが、今回の問題の答えを教職員達は事前に知らされて居なければ誰も分からなかった。そして、クラス別競争に込められた思惑に気づく者は最後まで誰一人として居なかった。
この世界に生きる人々に"この世界で誰が一番強いのか"という質問をしても恐らく"全員"という答えは出てこないだろう。何故なら、そういう仕組みになっているからだ。
この答えを導き出せるのは理の外側に限りなく近い神の名を冠するスキル持ちや特殊なスキル持ち、もしくは神々によって他世界より連れてこられた転生者や転移者の存在なのだ。
そして、神の名を冠するスキルを保有してないリーフィアが答えを導き出せたという事は転生者もしくは転移者、もしくは把握してない特殊なスキルを保有しているかのどれかなのだ。
天覇の塔にて起こった謎の事件。その原因は恐らくフィグラと彼を助けて欲しいと言ったリーフィア達の誰かだと学院長は考えていた。
スキルの関係上、フィグラが原因の可能性は濃厚であったが、念の為を考えて今回の行事を急遽考えたのだ。その結果……リーフィアがこの世界において特別な存在だという事が判明した。
「…どうしたものかねぇ」
その事に今はまだ、学院長しか気づいていなかった。
「あ〜あ、バレちゃった。でも……あいつとの関係はなんにも変わらないからこのまマでいっカ」
誤字脱字があれば報告の方をお願いします。
この作品は不定期投稿なのでブクマをおすすめします
ーー以外雑談、普通に長い時もあるので見なくても大丈夫。
まぁ、イベランの件もあって約1週間ほど執筆しておりませんでしたし、色々用事もありましてね。申し訳ないです。
さて、こんな事書いてるくらいなら改稿なり最新話を書いてきますが




