出会い
久しぶり
「む?」
探索中に突然、キルナ君がそう呟いて立ち止まった。
あの謎のヒントを見つけて以降は二つほど新たにヒントを見つけたけど、他のクラスには出会わなかった。ちなみにそのヒントの内容はこれだ。
"フ"14ー2
"ュ"26ー8
うん。まったく意味分かんないや。
他のグループが見つけたヒントも見たけど似たようなものばかりだったね。……どこかで考える時間が必要だね。今はキルナ君だ。
「どうし」
「静かに」
何かあったのかな?と思い声をかけようとしたら止められたので静かにします。
耳を澄まし、少し経つと足音と話し声が聞こえてきた。どうやら曲がり角の先からこっちに向かって来てるみたい。
僕たちはどうしようか、と互いに顔を見合わせながら聞こえないように小声で話し始めた。
「どうする?」
「隠れて奇襲して方がいいんじゃない?」
「いや、それで相手がヒントを持ってなかった場合、奇襲されるかもしれないという警戒や、逆に奇襲を仕掛けてやろうという考えを与えるだけになる可能性がある」
「なら普通に出会った風を装ったらいいのね」
「それで相手が攻撃してきたら反撃だ。フィーか俺が前だ。攻撃を食らってしまったらチイシャの治癒魔法の出番だ」
「はーい」
「やられたら、殺してもいいんだよね?」
そう質問したらキルナ君は肯定してくれた。
無駄に生かしておいても良いことは無さそうだしね。逆に立ち去ろうとした背後から攻撃を食らうことになったら大変だもんね。その時はどうしよっかな……馬鹿やろー!って言いながら返り討ちに遭わせるのが一番かな?
「それと、俺が手でこう合図したらやってもいいぞ」
そう言って右手の人差し指と薬指をくっ付けたまま伸ばした。それが合図ね。
「はーい」
「よし。それで行くぞ」
「「「了解」」」
まるで突然出会ったように、気付いてなかったように僕たちは歩いて行く。
そして、曲がり角で互いにバッタリと出会う。
「わっ」
「うぉっ…」
相手はどうやら7人かな?多いね。
知ってる人は居ないし、男子が4人で女子が3人……武器は普通のロングソードを腰に差してる人が二人に、杖持ちが3人……残り二人が何も持ってないから分かんないな。
「他クラスか。初めて会ったな」
キルナ君がそう呟くと、相手の一人も「こちらもだ」と返してきた。
「まぁ、ここで会ったのも何かの縁ってやつだな。単刀直入に聞くが、ヒントはあったか?」
「……いや、無かった」
「そうか……やっぱり無いか」
そう言って落胆した風にキルナ君がオーバーな演技をする。その背後で右手を先程決めた合図にしながら……
それを確認した僕は、その瞬間【死神の隠伏】を発動させる。相手の人たちの視線や意識はほとんどはキルナ君に向いている。だから、僕が消えた事に違和感を覚える事まで数秒かかる。
そのまま相手の背後まで接近して魔法士っぽい二人の首を変形させた【死の大鎌】で音をもなく斬り落とした。その瞬間、その二人は光の粒子と化して消えた。
今、起きた事について少し考えたいけどやるべきことがあるからね。あとでゆっくり考えよう。
「は?」
光の粒子が見えたのか、慌てて背後を振り返ろうとする一人の首をそのまま貫き、光の粒子と化していく。
【死の大鎌】は変形させて今は刀にしている。カターナ。
そこでようやく異変を感じた相手の人たち全員が振り返り、消えた3人と武器を持ってる僕を見て、自分たちの武器を抜こうとする。
「背後に気をつけないとね」
「っ!!」
僕だけに気を取られちゃ、僕の仲間が君たちを殺すよ?
僕に意識が集中し過ぎたせいで、背後から襲いくる毒に気づくことが出来ずに呑まれていった。そして、紫色の毒から光の粒子が見えたのを確認したキルナ君はその毒を解除した。
ヒラヒラッ…と先程まで一人の男子が居た場所から紙が舞い落ちた。
「ヒントだね」
拾い上げて、見てみると"こ"7ー2 と書いてあった。おや?どこかで見たようなデジャヴが…
「7の2?……あっ、7の1だ。キルナ君、最初に見つけたヒントってなんだったっけ?」
「ん?…確か、7の1と書かれていて…真ん中に、 "か"だったか」
「皆んな、これ見て」
ヒントを見せて僕の考えを伝える。
「これ7の2って書いてあるじゃん。だからさっきのヒントと組み合わせて……7の1と2ね?そうしたら"か"と"こ"になって単語になるよね?かこ……過去っていう単語に」
僕がそう言い終えると皆んなが目を見開く。多分、僕の考えは合ってる気がする。
「そう…だな。そうとしか思えないな。相手がこれを持ってたのは幸運だったな」
「それより思うのは……人殺すのに躊躇ないことね。あんたら二人とも」
「ねー。私もキルナ君が攻撃していいって合図出してたのに動けなかったもの」
「うーん、魔物だと思えば少しは抵抗ないよ?あとは、蘇生されるって言ってたからかな?」
「俺も似たようなものだな」
本当の理由は今は言えないかな?……いや、これからもかな?
「私も出来るかな?」
「私はどっちみち魔法で援護するしかないわ」
「取り敢えず、このヒントは共有するか」
「「「了解」」」
ヒントをみんなに共有してからも僕たちは時間的に夜ご飯を食べる頃までヒントと他クラスの人を探し続けたが、単純に探す方法が悪かったのかどうなのか知らないけど、一個もヒントは見つからなかった。そして、一旦合流することになったため集合することにした。
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この作品は不定期投稿なのでブクマをおすすめします
ーー以外雑談、普通に長い時もあるので見なくても大丈夫。
中々書く気力起きないですね〜。まぁ、ゆっくりと進めていきますよ。
それはそうと、WBCですよ!
日本の優勝。おめでとうございます!!
メキシコ戦での村上さんやアメリカとの戦いで、最後の投手の大谷さん。
月並みですがとても凄い戦いでした。
本当におめでとうございます。最高の試合をありがとうございます。




