おめでたい番外編:1月1日
…いやぁ、なんていうか…パッとしない感じの内容になりました。
フィグラの方で新年のあれを書いても良かったんですが、あんま変わらない気がしましたからね。
「あけましておめでとうございます」
『あけましておめでとうございます。翔也、今年もよろしくね』
「うん、こちらこそ。それと、今年は帰れなくてごめん」
色々想定外のことが重なってしまってせっかくの新年、元旦の日に実家に帰ることが不可能になってしまったのでこうして電話で母と喋ってる。
『翔也が帰ってこないのは残念だけど、明後日には戻ってくるのよね?』
「うん、そのつもり」
『ならその日を楽しみに待ってるわ』
「うん。それじゃあ、明後日」
『えぇ』
そう言って電話を切る。
テレビを付けても新年関係の番組しかしておらず、これ!っていう番組も無いのでどうしようか…と考える。
ゲーム…もしくは、漫画で時間を潰すか?
そんな事を考えてるとスマホから通知音が聞こえた。
なんだろう?と思って見てみると、母から一件メールが来ていた。開けて中身を見ると『寂しいと思うから応援送ったわよ』と書かれていた。
「応援?」
なんだろう……なんだろ…本当に予想がつかない。…いや、待てよ。まさか、いや……流石の彼女も元旦は実家の方に帰ってるはず。まっさかね〜。
ガチャッ
「来てやったわよ」
「本当に来たの!?」
出たな、三根愛紗。
いや…別に来る事自体はいいんだけど。
「…よかったの?」
「なにが?」
「元旦くらい家族と過ごした方が良かったんじゃないの?」
「元々そうするつもりだったわ。でも、数日前にとある連絡が来たのよ。元旦の日に、翔也と遊ぶ事可能かしら?って」
「…あの母親め」
余計な事を……愛紗が一番可哀想な事になってるし。
「まぁ、私としても向こう帰ってもする事はないし、それならって事で来たのよ。感謝しなさい」
「はいはい、ありがとうございます」
雑に相手をしながら愛紗を招き入れる。今日はお酒とかは持ってきておらず、普通に小さい鞄のみだ。…良かった。
「冷えた体に炬燵って最高ね」
「そうですね」
「…雑ね」
「まぁ、相手する気力はそんなにないかな」
「折角来てあげたのに」
「ごめんごめん。…前回の愛紗の謎の行動のせいで警戒心がちょっとね」
「前回?………ん?」
「炬燵に入ってたら愛紗が足を絡ませて、僕が頭をぶつけて、そのあとまた同じ事してきて、顔を手で挟んできて……覚えてるよね?」
「…さぁ?」
分かっててとぼけてるのが丸わかりな件。…もういいや。こんなやつなんだし。
僕はため息をついた後に炬燵に入り込む。…その前にちゃんと愛紗を蹴らないように注意しないと前みたいに蹴っちゃうからね。
「ふぃ…」
「炬燵をお風呂みたいに勘違いしてる?そんな声だったわよ」
「…忘れて?」
「無理」
ニコッといい笑顔で愛紗がそう言う。
仕方ないじゃん…炬燵に入った瞬間はそういうもんだから…
「ふふっ……」
「なに?」
「なーんでも」
「……まぁ、いいか。あっ、そうそう一つ聞きたいんだけどいつまで居るつもりなの?」
「ん?泊まってくけど」
「は?」
「服貸してね」
「は?」
「んじゃ、よろしく」
「いやいやいやいやいや……ちょいちょいちょい」
「なに?」
「いや、なにじゃなくてね!」
あまりに突然すぎる発言に僕の頭は混乱状態と化した。そんな僕の姿を見て愛紗が笑ってる。
なんとなくイラッと来たのでデコピンを1発。
「っいったぁぁ!?」
「せめて一言言って?」
「ぁたた……一言言ったら泊まってもよかったの?」
「別に言わなくても泊まるくらいならいいけど、一言言ってくれたら少しくらいは掃除したよ」
「別に部屋の汚れとかは気にならないわ」
「…もういいや。ご自由に」
もう、なんでもいいや。諦めよ…
僕がそんな諦念の感情を抱いて若干虚無ってると、不意に愛紗が「あっ」と呟く。
今度はなんだろ…と思いながら「なに?」と聞くと、愛紗は、愛紗らしい笑顔で言ってきた。
「翔也、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」
…ははっ。な〜んだ。警戒して損した。
「愛紗、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」
そして僕たちは小さく笑い合った。
今年はどんな一年になるのかな?
その時の僕はそんな事を考えながら愛紗と雑談をし続けた。
改めまして、皆さん。
あけましておめでとうございます。
今年も自由な作者を、四葉のアミアをよろしくお願いします。
次のお話は本編に戻りますので、投稿されるまでお待ちください。
この一年が良いお年になりますように。
では、また!




