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転生するのなら欲望を!!〜転生後の姿は男の娘〜  作者: 四葉のアミア
第1章 学院新入生!
19/84

二人で一部屋……

やほ、なんかいつもより長いよ。

 


「「……」」



 あの後から僕たちはずっと、無言だった。互いに前を向いて、たまに隣に居る人を見て、それで目が合ったら慌てて逸らして顔を赤くさせている……それでも、互いに結んだ手は今も僕たちを繋いでいた。恥ずかしさによる火照りは今は治ってはいるけど、また再発するかもしれない。



 完全に見た目だけではあれ、初心なカップルだね。

 …違うからね?ただの幼馴染だからね?



 でも…今この状態は幼馴染という部類には入らないかもしれない…少しだけ先に進んだらそんな関係かもしれない…恋愛経験0の僕にはただ、そんなことしか分からない。完全に惚気てる感じだね…僕も変わったね。…転生してる時点で変わってるか。記憶も性格もだっけ、変わってるから僕は元日本人ではなくフィグラだ。こっちの世界で生きている一人の人間のね。


 と、まぁ…こんな事を真剣に考える事で現状に意識を向けさせないようにしている。…あっ、こんなこと考えたらまた…うぅ。



 あ〜あぁ…と思っていたら不意に、リーフィアが喋る。



「…ねぇ、フィグラ。私ね、魔法使えるようになったんだよ?」


「えっ…あ、そうなの?」



 突然の事で、しかも案外ビックリする内容だったから変な声出た。


 魔法…羨ましい。僕は魔法使えないからなぁ…大鎌ちゃんのスキルはあるけど。

 あっ、でも死神スキルのあれって魔法なのかな?

【死の宣告】ってやつ。…うーん。



 よくよく考えたら【死の宣告】ってめっちゃ弱いよね〜。…使える場面なんて本当に限られてるんだから…

 死神スキル君さぁ〜、いや…本当に便利だし、まだまだ僕の知らない能力もあるっぽいし、いつも助かってます。



「…聞いてる?」


「えっ、あ、もちろん」


「嘘。ごめんなさいは?」


「ごめんなさい」


「よろしい」



 リーフィアには勝てません。主に立場的に…はい。いつか絶対に分からせてみせる。



「それでね。私ね、火魔法と風魔法が超級。治癒魔法に補助魔法、捕縛魔法が上級で使えるのが分かったんだよ?ふふっ、凄いでしょ」


「…普通に凄いね」



 超級に上級?…しかも、攻撃、支援、妨害…全て揃っている。あれっ、転生特典うんぬんで色々貰った僕よりリーフィアの方が強いのでは?



「でも、私魔法なんて使った事ないから頑張って覚えないと…だから、たまに手伝って欲しいなぁ」


「いいよー」


「怪我しても治してあげるし、それで治癒魔法も上達して一石二鳥だね。私は攻撃系の魔法や支援系の魔法が上達してフィグラはそれを受け止めたり回避したりして、耐性スキルとかが手に入ったりして、仮に怪我しても私が治癒魔法で癒やすの。…あら、一石二鳥じゃなくて三鳥だったね」


「リーフィアって、本当に…10歳?」


「失礼ね!!…なに?フィグラの目からは私が何歳に思ってるの?」


「10代後半から20代ぜんっああぁぁ!!ごめん、ごめんってば!!痛い痛い痛い痛い!!!」



 僕が馬鹿な発言をすると、握られている手が潰されるんじゃないのか?と思ってしまうほど力が込められた。もちろん、その間リーフィアは笑顔だ。…ただし、そこに目は笑ってないと付くけど。



「ねぇ、フィグラ。私ね?……なんでもない」


「…なに?」


「ううん。それより、死にたいの?ねぇ、私の年齢を知ってた上でさっきのあれだよね?ねぇ、ねぇ」


「…今度何かでお詫びします」


「足りないかな?」


「えっ……」



 た、足りない?ご、強欲さん?


 なんて、そんな冗談は置いといて…うーん、流石に自分でもさっきのあれはやってしまった、と自覚してるから…どうしよっかな。



「あ、うーん……えぇぇ…」


「そんなに真剣に悩まれたら私も申し訳なくなってくるんだけど……うん、じゃあいつか私のお願い事聞いて?」


「そんなのでいいの?」


「そんなの?…じゃあ、どんなお願い事でもにするけどいい?」


「一番最初のにして欲しいなぁ…」


「ふふっ、冗談よ。それじゃあ、それでお願い」


「分かったよ」



 そう答えた僕にリーフィアは嬉しそうに笑った。




 ◆◆




「……ねぇ、フィグラ。すっかり真っ暗になっちゃったけど、まだ宿って空いてるのかな?」



 リーフィアの言う通り、雑談をしながらゆっくりと歩いていたせいか本来なら夕暮れ辺りでニューラルへ着く予定だったのに、太陽さんは既に沈んじゃってお月様がやぁ、と雲一つない美しい夜空に浮かんでいる。


 一応、ニューラルへと入る事は出来た。この暗い夜でもニューラル内は明るかった。相変わらず、学生服を着た人しか見当たらないけど…


 この明るさはお兄ちゃん曰く『魔道具による灯りさ。うちの学院は全てに精通してて、しかもどれも素晴らしいものだからね。こうやって、街にも高価な魔道具がそこら中に設置されているのさ』らしい。…日本の首都の夜を思い出す。



 まぁ、それはさておき今はリーフィアの質問だね。



「空いてると思うよ。意外と宿多いらしいしね。うーん、あそこが良さそうかな?」


「あそこ?」


「うん。この前お兄ちゃんと一緒に見て回って紹介された宿で、名前は…なんだっけな。

 …あ、そうそう。犬な猫っていう宿だよ」



 僕が宿の名前を言うとリーフィアは体を硬直させた。…あと、顔も引き攣ってる。



「……犬な、猫?」


「うん」


「……ま、まぁ、名前はどうでもいいとして…その宿が一番いいのね?」


「一番って意味なら違うけど…安全であんまり高くないって意味なら一番だよ」


「安全?」


「宿によって、建物自体とか中身はどう見ても宿なんだけど運営している人の種族がね、その…サキュバスとかインキュバスとかなんだよね」


「っ!?それって」


「うん…まぁ、そういう人たちが運営する宿に泊まる人は基本的にね…ある目的のために泊まりに行ってるから、泊まったら必ず……ね?」


「お、恐ろしい宿があるんだね。それって、大丈夫なの?」


「大丈夫らしい。学院が許可してるらしいよ。このニューラルに居る人って基本的に学生か職人、教員しか居ないからね。このニューラルへ入ることが出来るのは学院側が発行した許可証を持ってる人か学生のみなんだって」


「へぇ」


「話は戻して…学院の学院長がニューラルの一番偉い人で、その人が教育の一環としてなんでも許可してるんだって。流石に度が行きすぎてるのはダメらしいけど」


「この広いニューラルの一番偉い人が学院の学院長って…」


「僕も全部は知らないけどね。その辺りも入学式で説明されるんじゃないかな?それより、早く宿行かないと」


「え、あっ。そうね。行きましょ」



 という事で宿に行きます。……多分、場所とか道は覚えてるはず。…多分…



 ◆



「…ねぇ、凄く歩いた気がするんだけど」


「着いたよ、ここが犬な猫だよ」


「絶対迷ってたよね」


「さっ、早く中に入って部屋を確保しないと」


「……」



 リーフィアのジト目が心にグサッときます。…はい、迷っちゃったなぁ。仕方ないもん、約一月ぶりにきたんだし、覚えてるわけないじゃん!!


 そんな事を心の中で叫びながら中へと入る。



「おや?ようこそー、犬な猫に〜」


「えっと、泊まりたいんですが部屋ってまだ空いてますか?」



 一人の獣人のお姉さんが入ると同時にそう言ってきたので僕はそう返した。




「はい、空いてますが一部屋のみになっております」


「ひ、一部屋です、か…」


「はいー」



 どうしようかな…他の宿を探す?流石に、ね。リーフィアといえど一応異性だから、年頃ではなく成人済みの男女二人が一つの部屋に数日間泊まるって言うのはいささか…問題あると思う。一応、聞いてみよ。



「…どうする、リーフィア?」


「では、それでお願いします。…確か、入学式があるのは数日後だったから、それまで泊まることは出来ますか?」



 あれ、リーフィア?今、それでお願いします。って言わなかった?気のせい…じゃないよね。な、なんとかしないと…



「新入生の子ですかー、えぇ。可能ですよー」


「なら入学式の日まで…泊まらせてください」


「ちょ、リーフィア?一部屋だよ?それは不味いんじゃない?」


「なにが?」


「男女が一部屋に泊まるなんて…それも、ただの幼馴染だよ?」


「だから?」


「え」


「では、入学式の日までお願いします」


「あ…リーフィア?」


「はい、分かりましたー。私も学院の生徒なのでいつ入学式があるのかは把握しておりますのでー」


「え」


「ありがとうございます。いくらですか?」



 この時点で僕はもう諦めるしかないと悟った。……多分、何も起きないと思う。リーフィアの事は友達として大好きだからねー。異性として好き、って感じじゃないから間違いは起きないし、起こさない。



「そうですねー、入学お祝いということで…特別に銀貨4枚となりますー」



 それを聞いて僕は安い、と思った。

 この世界に貨幣に関してはかなり勉強した。


 一番低いので銅貨、そして銅貨100枚で銀貨1枚、銀貨50枚で金貨1枚、金貨50枚で星金貨1枚だ。


 そして、この世界での宿で一泊(食事などあり)で場所や質によって異なるけど、銅貨で約40枚前後は持ってかれる。


 ここの宿は見た目で分かるけど、とっても質が良い宿。清潔だし、埃もないし…ん、同じだね。他にも、欠陥構造じゃなさそうだし…これは僕の個人的なあれだけど……店員さんが綺麗。



「はい、確かにー。では、こちら部屋の鍵となりますー。扉にこれを(かざ)せば、扉が開く仕様となっておりますー」


「はい、ありがとうございます」


「では、ごゆっくりどうぞー」



 …ん?あれ、僕がなんか考えてる間に全てが終わってた。…リーフィアがお金払ったの?あとで、感謝しないと…



「じゃあ、フィグラ。行こっか」


「あ、うん」


「これから入学式まで、よろしくね」


「……うん」



 リーフィアはどこか蠱惑的な笑みを浮かべてそう言ってきた。




どうぞ、よろしければブクマや☆評価、感想などして下さい。というより、この作品は不定期投稿なので☆評価とかよりブクマをおすすめします。


ーー以外雑談、普通に長い時もあるので見なくても大丈夫。



前話にて、ね。リーフィアとフィグラの仲に関して色々言ったけど…フィグラの発言と前話のフィグラの発言、合ってなくない?と思ったかもしれません。えぇ、会話上…というより文字的には違いますが、フィグラ的には同じ言葉だと思っているらしいです。そうですよね?フィグラさん。


「そだよー、リーフィアは友達という意味なら大好きだよ!異性…って意味なら、意識はしてないかなー。あの時、リーフィアからああ言われたけどそうなんだぁ、ってなったよ?

異性にあぁ言われたら誰でも嬉しいと思うよ?でも、幼馴染だから…って言ったらあれだけど、リーフィアは昔から似たようなことをいっぱい言ってきたから慣れてるんだー。

リーフィアだって僕と同じだと思うよー。僕の事は異性としてじゃ無くて友達として見てる。そんな感じ…かな?他にもー」


らしいです。若干、ネタバレ…ではないですが、似たようなものが混じってましたが本編にはあまり関係してこないので大丈夫です。


つまり、フィグラ→リーフィアの事は友達として大好き。異性として意識はしてない。昔から似たような事言われて慣れてる(今回も同じだと思ってる)。多分、リーフィアも自分と同じ考えで(友達として好き)言ったと思ってる。です。

疑問あったら遠慮せず言ってください。…流石に、違和感やばすぎたらなんとかします。



…はい。まぁ、割とガチ目にネタバレっていうな、裏話っていうか…それ話すと、恋愛に発展させるのかどうしようか考えてません。させようか、させないか…どうしたものか。

仮に発展させたあとに、現状出ているヒロインポジションのキャラってリーフィアしか居ないんですよねぇ。え、リリさん?そんな未来が見えないので無理です。



次話ですが、入学式です。ようやくです。…え?二人で一部屋泊まってる時の話が欲しい?……無理ですね。内容が思いつきません。はい、さっさと学院編始めたいです。


まぁ、そういうわけです。ようやく、タイトル回収出来そうですね。既に破壊されてる人は数名居ますけど、これからですよ。…頑張って書こう。ゆっくりと書いていきます。


さて、そろそろ長くなってきたのでこの辺で…(ゲームの話してない!?次します)


では、また!!

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