ある日突然! 私より20歳以上も上の弟がデキた!?
“ある日突然! 私より20歳以上も上の弟がデキた!?”
私の父親は、私が20歳の時に再婚する。
母親は、病気で5年前に亡くなった。
母親は私にとって、どんな時も味方で支えてくれる人!
私は“母親が大好きだった。”
・・・でも? ある日、母親が家で倒れた。
そのまま救急車に運ばれて病院で検査したら? 腎臓に腫瘍があると
医師に伝えられる。
【末期の癌らしい】既にあちこちに転移して治す事は、ほぼ不可能だ
と言われる。
私と父親は、1秒でも長く母親と居れるように時間を作った。
母親も“嬉しい”と言いながらも私と父親の事を心配してくれていた。
それから、、、。
母親と一緒に居た残りの時間は短く、あっという間だった。
私と父親の心には、ぽっかりと穴が空いてしまう。
母親が居ない2人だけの食事は、会話もなく毎日泣くだけの時間が過ぎていく。
*
あれから5年が過ぎ、私も父親も母親が居ない生活にも慣れていった。
父親は前向きに、母親がなくなって好きな女性を見つける。
私は相変わらず、母親の事が忘れられないでいた。
・・・そんな時、父親に紹介された女性。
父親よりも随分と年上の女性だった。
『お父さん、“再婚しようと思うんだ!”』
『えぇ!?』
『この女性が再婚相手の眞鍋ルリ子さんだよ。』
『わたしがルリ子です、すっかりおばあちゃんだけど貴女のパパの事は
本当に大好きなのよ。』
『・・・お、お父さん、本当に再婚するの?』
『あぁ、ルリ子さんには“前の旦那さんとの間に一人息子が居てお前の
弟になるんだよ。”』
『・・・お、弟って? いくつの男性なの?』
『お前より20歳以上上の男性だ。』
『名前はね、佳明というの、よろしくね!』
『・・・えぇ!? 弟が私よりも20歳以上上の男性?』
『杏南よろしくな!』
『・・・・・・』
・・・そもそも私よりも上なのに、“お兄さんじゃなくて弟?”
意味が分からないのもあるし、何故? お父さんの再婚相手が
おばあちゃんなのかもあり得なかった。
お父さんは、気でもおかしくなったのか?
あんなに年上の、おばあちゃんと再婚しなくても、他にも女性
はいたはずなの。
母親が亡くなって、父親は気がおかしくなったに違いない!
私の弟になった、40代の男性も絶対に私の弟じゃない!
現在無職で、髪も伸ばしっぱなしだし鬚も剃ってないのか生え放題!
見た目をちゃんとしたら? イケメンかもしれないけど...。
この歳で、独身で未婚! フラフラ毎日、飲み歩いてギャンブルばかり
しているらしい。
お金は、母親のアノおばあちゃんが全部出しているらしい。
息子を甘やかしすぎだろうと私でも分かった。
突然! 私の弟になった40代のこの男性も私の事を既に
“お姉ちゃん”と呼んでくるようになった。
ホント、馴れ馴れしい人。
私はまだ、貴方の事を弟と思ってもいないのに...。
でも? このずけずけ私に近づいてくる弟は? 私の女友達を紹介
しろと言い出した。
『杏南の友達に、“彼氏募集中の女の子いないか? 俺に紹介して
くれないかな?”』
『オッサンなんかにみんな興味ないよ!』
『結構! キツイ事言うよな~杏南は?』
『もう、勝手に呼び捨てしないでよ!』
『“いいじゃん、弟なんだし!”』
『私よりも20歳以上も上の弟って、おかしいでしょ?』
『でも、弟だから仕方ないよな!』
『俺の母さんにも、ちゃんと“ママ”って呼んでやってくれよな!』
『・・・そ、そんなの無理よ!』
『なんで! “亡くなった母さんの事、忘れられないのか?”』
『うるさい!』
『・・・ごめんごめん、』
『もういい!』
『・・・・・・』
私には新しい家族ができた。
父親は、母親が亡くなって5年後に再婚した。
再婚相手は、おばあちゃんで、私の弟は私よりも20歳以上も上の男性。
・・・ただ、口喧嘩も多いけど。
毎日、楽しくなった。
私も父親も、よく笑うようになった。
新しい家族は私にとって幸せになるための家族だったのかもしれない。
【お母さんありがとう! 今は凄く幸せだよ。】
最後までお読みいただきありがとうございます。