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1年後僕はもう居ない。
その日鐘が鳴った。
思い返すだけで頭が痛くなるような嫌な音。
その日僕は事故に遭った。
荒い息とうるさい心臓の音が聞こえ、意識が途絶えた。
重い瞼を開くと見慣れない白い天井があった。
見回すと、慌てた女性が駆けていった。それからすぐに白衣を着た男来た。その男は僕に近づき、にこやかに言った。
「君は運が良い!あんなに大きな外傷を受けたのに生きていられるなんて本当にラッキーだ!」
その後説明を受けた、僕は約半年も目を覚まさなかったらしい。その間の入院費は運転手が払ったとのことだ。
それから半年後リハビリを終えた僕は退院した。
これから何をしようか、途方に暮れた。
その時あの鐘が鳴った。
頭が痛い...。
朦朧とした意識に中誰かが僕に語りかけた。
『1年後に鐘が鳴る。その日に君は命を落とす』
その声が途絶えたと同時に鐘が止んだ。