99話 20XX年 4・22 渋谷
新たな天使長になったワタシ(ワルキューレ)が、話し終えると…
天使達が…
パチパチパチ
頷きながら拍手して…
ラミエル 「新しい神がそうやって出来たのか…最後の果実も食べて…」
アラエル 「素晴らしい神話…それで閻魔女王もトゲが無くなり丸くなった…」
ゼルエル 「これから美徳を得た閻魔女王と天使長ワルキューレの時代か…」
レリエル 「死んだミカエル様と全治未定のメタトロン様もきっと報われる」
アザゼル 「愛に満ちた時代が始まる! ワルキューレ、閻魔女王ハレルヤ!」
その時!!
下っ端の天使が飛んできて、
《 天使長ワルキューレ様! 大変です! 》
『なによ? けっこうイイ感じだったのにぃ…』
《 閻魔女王が! 現世の渋谷に! テレビに! 》
『はあ? どして? テレビ~? 神は大衆の前に出ちゃダメなんだよ~?』
下っ端はリモコンを持って、
《 モニター映します! 》
『うん! 映せ!』
神殿内の60インチに、日本のMHKが映る。
あ? セントくん♡ やっぱ違うわ♡
あぁぁあ… 疼くぅぅ
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夜9時 渋谷
アナウンサーが、liveカメラの前で、
「大変な事態が起こりました。 渋谷に『女神の党』の清き女神ユキノが現れました。 あっ? ああ! やめてください!」
無数の若者にもみくちゃにされ、見えなくなったアナウンサー!
若者たちはカメラに駆け寄り!
《 女神の党!! ユキノがそっちにいくぞ!! おら!! 》
スマホの画像を見せつける若者!
《 ほら本物のユキノ!! 女神の党! SMユキノがきてやったぞ!!》
《 ユキノは! 女神の党のビルに行ってる!!》
映像は途絶えた…
スタジオのアナウンサーは、
『失礼しました。 では、上空からの映像をごらんください』
テレビに、上空からの渋谷の映像が流れる…
『すごい数です。 うねってるように見えます。 全員、若者なのでしょうか? 30万人くらい集まっているかもしれません。 現在、この集団が女神の党に近づいています。 大規模な暴動が起こるかもしれません。 お近くのかたは、お気をつけてください。 室内にいる方は鍵をかけて室内から出ない様にしてください』
映像はズームして…
赤青白のタキシードを着た男に囲まれ進む
ユキノを捕らえる。
『 ユキノです! 死んだはずのユキノです! 黒のボンデージを着ています! 渋谷危機を救った彼女は女神の党へ向かっていると思われます。 彼女の目的は何なのでしょうか?』
動画配信サイト、テレビ、世界中に映像は流れる。
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ワタシとケルベロスは、ワカモノの群れをかき分けるように進む…
ワタシより、年下っぽい女がスマホ片手で強引に寄って来て、
《 ユキノさん! ファンです! 一緒に写真いいですか!?》
女のスマホを持つ手にリスカの跡が見えた。
「いいよ。 もう無断で撮られまくってるし」
ワタシは親指を立てて。
カシャ
頭を下げてきて、
《 あざっす!!》
「女神の党どっち?」
《 あっちです! 良かったら先導します! 》
「たのむわ」
ワタシに密着してるケルベロスに、
「ケルベロスも、はぐれんじゃないよ、いま渋谷すげえ人だから」
セント 「了解☆ 一応、オレタチはユキノ様のボディガードだからね☆」
ショウ 「俺達まで撮られてる? なんか恥ずかしいな…」
リュウト 「おいどけ! オマエラ! ユキノ様の通行じゃますんな! オラ!」
オタク、ニート、ヤンチャ、サラリーマン、大学生、高校生、中学生、風俗嬢、ホスト、キャバ嬢、フリーター、日雇い派遣、パチンカス、無名ユーチューバー、 ほかにもいるだろうね…
なんだよ オマエラ ワカモノ
尻に火が付いたら
みんな垣根無く 集まれんじゃん? やれんじゃん?
見上げた、渋谷のLEDビジョンに、上空からの渋谷の映像が映ってる…
まだまだワカモノが集まって来てる…?
こんなに… 現代は便秘のように腐りきってたんだね…
前方を歩んでいた、プラカードを掲げていたワカモノの進行が止まった。
女神の党に着いた? ケルベロスと共にワカモノをかき分け進む…
最前列に辿り着いた…
その先には…
やっぱり 居やがった…
ピ―――――――――― ピ――――――――
うるせえ笛を鳴らす
警察
複数のワンボックスパトカーで、
『女神の党』のビルの前にバリケードを作って、うじゃうじゃいやがる。
拡声器を持った、何度も池袋の駅で見た事ある女警官が、
《 ここまで!! 暴動は許しません!! コレ以上進むと法律に基づいた処置! 放水防衛します!! 破壊活動を止めない者はライブカメラなので身元を確認し逮捕の場合もあります! 》
警察側の後ろにテレビのカメラが見えた。
ワタシに向けてる…? アップしてる…?
先頭に立つワタシは… 対面の警察官とパトカーを見ながら…
ニタ~~っと笑い、
ムチを!
『S』pace !!
『M』uscle !!
S難度 ★★★★
ブ―――――――――――――
ムチを伸ばして!
「おまえらぁぁ!! だれを守ってんだよぉぉぉ!!!」
――――――――――――ン!!
警察とパトカーは、
車のワイパーで消える雨水の様に… 前から消えた…
「安心しろ…手加減してやったから…まあ死んでも、まだあの世があるし」
後ろから…
大歓声が上がった…
ワタシは女神党の事務所のある、ビルを見上げる。
二階だけに明かり? あそこにサギ教祖いる?
ん?
白い服を着た、ウエットな長い髪の中年の男が…
ビルの自動ドアから一人で出てきた…
両手を広げて近づいて来る。
周りから、
《 あれ教祖です!! 》
《 ユキノさん! 『女神の党』の教祖です!! 》
《 ボコボコにして! 》
教祖は…
ワタシの前で両膝をつき、頭をアスファルトにつけた。
周りではスマホでの撮影が集中している。
テレビのカメラも。
教祖は、
【 お許しを 清き女神様… 】
「おい、顔上げろ」
【 は! 】
顔を上げるとナミダをダラダラ流してやがる…
「おまえ…うそばっかりついてたみたいね?」
【 まことに…すまんと思っています。 女神様の意図を掛け違えたようでした…】
「だから選挙に? てか…ワタシ、おまえと一度も通信なんてしてねえし」
【 …………みんなぁあ!! これは女神じゃない!! これはサタンだぁ!! なんでじゃああ!? 】
ワタシはムチを振りかぶって、
「ははは、おまえ最期に当たってて…」
教祖の体にムチをクルクル。
【 え? 】
「うける…さあ死刑よ」
ブ―――――――――――――――――
ハンマー投げ高速回転させて、
「とどけ北朝鮮!」
ポ―――――――――――――――――ン…
遥か彼方まで飛ばしてやった…
《 しゃああ!! 女神党!! 教祖消えた!! 》
《 ありがとう!! ユキノ!! 》
《 ユキノ!! ユキノ!! ユキノ!! 》
ワタシは大きく息を吸った後に、
「うるせえ!!! オメエらもダマらねえと!! ぶっ殺す!!」
シー―――――――――――ン
「そこのポリ!! 拡声器持って来い!!」
拡声器に口を近づけ、
< 選挙に行け…
< オマエラが明日! 選挙に行って! みんなでチカラ合わせて『女神の党』を落としてみろ!
< 今までロクに力を合わせてなかっただろ!? とりあえずそっからやれ!
< それから先は…オマエラが力を合わせて日本を変えていけ…
< それを卑怯な真似で邪魔するような権力者がいたら…ワタシが殺してやるよ…
以上…
ワタシは拡声器を投げ捨て、
「ケルベロス、お互い姿が薄れてきてる…そろそろ時間。 地獄に戻される」
ワタシを見て、頷いて拍手するケルベロス、
セント 「最高だった☆」
ショウ 「うん、ユキノ様らしい」
弱いクセにリュウトは、イキって、
リュウト 「おい!! オマエラ!! このお方は!! サタン!!
閻魔女王ユキノ様だー!!




