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75話 ティアマトの町 (4)


 4時間後…


 ヤンキーレディ―スのたまり場の茶屋の前に、紫のスクーターが3台停まった。

 白装束を着た、三角の白い布を頭部につけている若い女の幽霊が降りる…


お岩(四谷怪談)

お菊(番町皿屋敷)

お露(牡丹灯籠)


 地獄のレディ―ス白装束のメンバーの3人、それぞれの手には竹刀を持って立っている。 茶屋から同じ格好の女幽霊のオイモが出てくると、3人は声を揃えて、


《 副総長(おいも)、おはようござっす 》


 オイモは3人を見て、

「全員、集まってるね…ユッキーそろそろ来るらしいから」

 メンバー3人にチューチュー棒を渡した。 メンバーはチューチュー棒を吸いながら、


お岩 「総長(雪子)が閻魔女王ユキノって女を狩るか~ユキノ死んだわ~」

お菊 「総長舐めてるって事は、アタイらも舐めてるってことだね。 総長を止めません」

お露 「あたし…新人だから…ケンカとか少し不安です…」


 オイモは弱気なお露を見つめ、


「お露は、見てるだけでいいからね?」


「はい…」


「あんたにはいつも奢って貰ってるしね? てか、地獄レディ―ス『白装束』総長の雪女の雪子のケンカ見て、ちびんなよ?」


「ちびりません! 超憧れの総長のケンカ見てみたいです!」



 その時!!



 道の向こうから、スクーターの音が!


お岩、お菊、お露 「総長! キタ!?」


 近づいて来る

 白装束の総長に、


お岩 「総長の90ccスクーター! シルバーのホンダのジョーカーよ!」

お菊 「総長だけ90cc!!」

お露 「むっちゃしぶい!!」


 スクーターは茶屋の前で停車する…

 総長の姿は、

 青い長い髪に…白装束の背中には赤い大きな文字で『氷』の刺繍。

 瞳は(カラコン)で美しい顔。


 その姿を見て、メンバーは、

お岩 「かっけええ! 総長! おはよござっす!」

お菊 「きれいっす! 総長! おはよござっす!」

お露 「はじめまして! お露です! 総長! おはよござっす!」

 頭を下げる。


 スクーターから降りた雪子は、

 アイコスを吸いながらチラっと頭を下げているメンバーを見て、


「おつ」


 オイモの前に歩み、アイコスを吸いながら、


「オイリン? ユキノどこにいんの?」


「調べたし、旅館」


「おつ」


 オイモは右手に持ってたアイコス1カートンを出して、左の親指でお露を指して、小声で…

「これ新人のお露から、ちゃんとオレンジメンソールだし…素直な良い新人だよ」


 受け取った雪子は、お露を見つめ、

「お露?」


 顔を上げたお露は、

「はい!」


「これ、ありがとな…なんかあったら相談して来い」


「はい!」


 すぐに両隣のお岩とお菊が、

「お露ずるい!」

「モノで総長に取りいろうなんて~!」


「ごめん…先輩…」


 そんなヤリトリを見て、「フッ」っと鼻で笑った雪子は、


「いくよ」


 白装束のメンバーはそれぞれのスクーターに乗り…


 オイモの先頭で閻魔女王の泊まる旅館に向かった。

 

 道中… 

 オイモのスクーターのドレミの歌のミュージックコールを吹かしながら…



 5分後…



 旅館の前に、レディ―ス白装束のスクーター5台が停まる…


 雪子の横のオイモは、


「ユッキーどうする? 旅館の人に迷惑かけたくないし…」


 雪子はアイコスを吸いながら、


「そだな……ワタシとオイリン、昔、この旅館でバイトしてたしね……オイリンがユキノ呼んで来てくれない…?」


総長(ユッキー)からタイマンの果たし状ってことでいい?」


「もち」


「らじゃ」


 スタササっとオイモは旅館の中へ入り、


「すいませ~ん!」


 カウンターの奥から、ヌエが出てきて…


「オイモちゃん? 何かようかい?」


「女将さんは?」


「ヨメは今、買い物に行ってもらってるよ。 二階の通路の明りがチカチカしていたから電球を」


「泊まりに閻魔女王ユキノってヒトはいませんか?」


 ヌエはカウンターの宿帳を開き…


「ワシはお客を見てないからなぁ…今日の泊まりは一組だけだけど…」


「黒い衣装の黒い長い髪の女ですけど」


「これかな…住所、渋谷…? 20歳…女…東京からのお客さんだね」


「たぶんそれです」


「4名で泊まっている」


「少しお邪魔してもいいですか?」


「どんな用で?」


 オイモは自分の巾着財布を取り出して、


「落としてるみたいなんで、渡したいんです」


「ワシから渡しておくよ」


「いえいえ…自分で渡したいんです…最近の東京の事とか聞けるかもしれませんし…」


「そうかい、オイモちゃん現世で死んだの随分と前だもんねぇぇ…部屋は二階の『月見』の部屋だよ。 どうぞ上がって持って行ってあげて」


 ヌエは奥に消えた。


 それを見たオイモは、


「相変わらず旦那さんは、ちょろいちょろい♪」


 草履を脱いで、小走りで二階に上がった。

 



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