74話 ティアマトの町 (3)
ティアマトの町の小さな茶屋の中のテーブル席、
唯一の客は、閻魔女王ユキノから逃げた幽霊女のオイモ。
カシャっと、生クリームあんみつの写真を撮り終えたオイモは、
「ちっ雪子、返信おせえなあ」
パクパク食べる。
チローン
ラインが鳴り、開く、
オイモは、食べながらスマホをいじる。
―――――――――――――――――――――――――――
どした?
オイリン?
なにがあった? (^ω^)
どしたもないよ~ (*´Д`)
ユッキーむちゃくちゃ舐められてるし
どゆこと?
詳しく?
閻魔女王ユキノとかいう
ダサ女がさぁ
ユッキーをシバクだって
そいつさあ
ワタシらの
地獄の白装束レディ―ス完全に舐めてんの
ワタシの彼氏の顏にも傷つけたし
まじ?
ユキノってだれやねん?
まじキレたわ ヾ(*`Д´*)ノ
ユッキーの彼氏にちょっかいだした
女郎蜘蛛みたいに殺して… (>_<)
すぐ行くわ ('ω')=3
どれくらいかかる?
紫のワゴンR調子悪いから
スクーター飛ばす!!
4時間くらいかな?
らじゃ
白装束の仲間と道具揃えて待ってま~す ('ω')
場所は、いつもの茶屋だよ
生クリあんみつゴチる (*'▽')
あざ~ (*'▽')
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オイモは、生クリームあんみつの画像を送信した後に、
「これで黒女も終わり…雪子てキレたら…むちゃくちゃヤバだし」
食べ終えて、げっぷして、
「おばちゃん、ごちそうさま~400円置いとくね~」
出てきた背中の曲がった、優しそうな白髪のおばあさんは、お金をテーブルをこするように取り、
「はい、ありがとさん」
「ちょっと友達が後でココに来ますけど、場所借りていいすか?」
「はいはい、どうぞ」
オイモが外に出ると…大声で!
「うおい!?」
ふらふら歩く、貧乏神が前を…
貧乏神はオイモを涙目で見つめ…
「腹が減ったぁぁぁ…おいもぅぅ…なにか恵んでくれぇぇ」
「おま!? どうして一人!? 黒女に憑りついたんじゃないのかよ!?」
「ユキノちゃんかいぃぃ…最高の獲物だったがぁぁ…変態がぁぁあの変態がぁぁ」
歩み寄って来た貧乏神に!
オイモは腰から警棒を出して、それを伸ばし!
ガチ!!
「うげええ」
貧乏神の弁慶の泣き所へ強く叩きつけた。
「誰が貧乏神を助けるか!? おまえを助けて…ワタシが…どれほど酷い目にあったか‥‥」
「うううぅぅ…本当にもう…この町…だれも助けてくれん…ん?」
また、いつもの様に、うつ伏せに倒れた貧乏神は店の中のおばあさんを見つめ…
「優しそうなババアじゃあぁぁぁ…アレ不幸にして…優しそうなアレに、ワシへの醜い本性である残酷な疎外感をぶつけて欲しいぃぃ」
貧乏神の存在に気づいた、背中の曲がったおばあさんは、
貧乏神に近づく…
すぐに慌ててオイモは!
「こらあ!! おばちゃんはダメよ!!」
警棒を、貧乏神の頭部に、強く何度も振り落とす!
血が流れ、右の眼球も飛び出た貧乏神は、
「ケケケ…もっとヤレぇぇおいもぅぅ…やればやるほど…ババアはワシを助けるぅぅ…確実なほどにぃぃ」
その時… おばあさんの口から…
《 それじゃダメだよ おいもちゃん 》
おいも 「え?」
貧乏神 「え?」
《 それ貧乏神でしょう? 打撃に頼ったらダメなのよ 遠くに飛ばさなきゃ》
貧乏神の両足を掴んだ、おばあさんは
グルグルと回転を始め… やがて…
ブ――――――キ――――――――――チ――――――――――
おいも 「ジャイアントスイング!? なんて回転速度なの!?」
超高速回転の中から、人のような物体が!
ピュ――――――――――――――――
ロケット花火の様に遥か彼方へ飛んで行った!
回転は徐々に弱まり…
おばあさん一人…
「ふう…いつからか、この町に住み着いた貧乏神は遥かな彼方…バベルの塔の方へ飛んで行った、これでティアマトの町も安心だね…」
「おばあさん…まさか?」
おばあさんは、口に人差し指を当てて、
「しっ…みんなには秘密だよ…」
「うん…でもまさか…おばあさんが…町の守り女神のティアマトだったなんて…各街町に、街町の名前の女神が正体を偽って住んでいるとは聞いていたけど…」
おばあさんは腰を曲げて、
奥の調理場へ歩む途中…
ほくそ笑み小声で…
「ウフフ…閻魔女王の事は、カサンドラ街の女神から聞いているわ……ユキノと雪子か…果たしてユキノはあの雪女の雪子に勝てるのかね…ワタシはただの傍観者…」




