70話 台風地獄 (8)
ドドドドドドドドド!!!
バルカン機関銃の発射音!
始った!!
当然、運転席のハゲもSMXの方に集中するでしょう…
両手をトラックの荷台の柵に置き…
ヌー――っと顔を出す…
ダークアーマーのモリガンの後ろ姿…
「ファック! 建物ごと貫通してやる!! ああああぁぁ!」
ドドドドドドドドド!!
台風の強風雨と銃撃の音が完全にワタシの気配を消してくれる…
荷台に上がり…
ついに… モリガンの背後を手に入れる…
てか、こいつ…撃ちながらイってんの? マジならこいつ…終わってんな…
ワタシはガソリンの入った瓶を振り上げ!!
ブ――ン!
連射する、大きなバルカン機関銃に投げつける!
放たれた弾丸で割れた瓶の中のガソリンは引火!!
「ん♡ え!? なんっで!?」
おどろくモリガン!! ワタシを振りむいた!
直後!!
火のついた長い長い弾帯が爆竹の連続爆裂のように誘爆!!
パパパパパ!!!
やかましい音が!
すかさず!!
『S』pace !
『M』uchi !
S難度★★★
でモリガンを背後から! 亀甲縛り!!
全自動のサーチマニアが作動する。 ワタシの脳に情報が…
《《《《
モリガン 修羅地獄四天王
LV 600
HP 5000
攻撃 2000 (M134バルカン機関銃込み)
防御 15000 (ダークアーマー装着込み)
速さ 400
魔力 8000
スキル
『全方位完全魔法印亀頭シールド(ダメージを完全アクメ化)』
『軟体』『自然治癒(強)』『飛行』『快感の射撃』『拡散レイン砲(弱)』
【サイズチェンズスモール(強奪可能)】
【サーチマニア(強奪可能)】
ドロップアイテム
【ダークアーマー】【バルカンM134(毎分3,000発 )】【ベニパン】
モリガンの個人情報
鉄壁のモリガンと呼ばれる。修羅地獄四天王の一人。
母はイブで、父は謎。
生まれついた時からの変態が、他の兄弟に悪影響を及ぼすことから…イブに子供の頃から酷い仕打ちを受けてきた。酷い仕打ちと言うのは真人間にするための教育。
母と兄弟からも疎外されてきたが、義理の父アダムだけはモリガンの個性を認め、そのうち母も兄弟達もモリガンを家族と認めだした。
同じ価値観を持ったクーフーリンと駆け落ちするが、ベリアルにクーフーリンが殺害される。
完全無慈悲なベニパンジャンキーでクーフーリンとの交際中も、数えきれない男と浮気しまくり、その全てを心身ともにぶっ壊した。
好きな男性のタイプは団鬼六
》》》》
完全に動けなくなったモリガンは、
「くそ!! 魔法印を結ぶ時間が無かった!! この完璧な亀甲縛りでは印を結べないわ!!」
ワタシは縛ったモリガンの後ろに立ち…
ダークアーマーの兜を外し…
ムチのグリップを…
『S』pear
『M』uchi
S難度 ★★
にして、黒いショートヘアのモリガンの首にスピアの先をつける…
「モリガン…変な真似をすんじゃないよ? したらマジ殺す」
「知ってるわよ…閻魔女王…あなた相当な『S』なんでしょ?」
「それがどした?」
「うううっ…えんまぁあぁぁ…」
コイツ…涙を流しているのか? 後ろから頭と体がプルプルと動いているわ。
ビビってる?
だけど…
予想に反して…
「あっ…あっ…ワタシ…どうなっちゃうんだ…ん…ろぅぅ‥‥ん♡」
ビックンビックン…
コイツまたかよ…
もう殺すか…
その時!
運転席にいたサングラスハゲが!
「モリガン様!!」
ロケットランチャーを抱えて荷台に上がってきて、その先をワタシに向ける!!
ワタシはモリガンを盾にして!
「ハゲ! 動くな!!」
モリガンは!
「海坊主! 撃ちなさい!! 遠慮なく!!」
その一瞬!
モリガンの後頭部が見えなくなる!?
え? どこいった?
まあ… たぶん… サーチマニアしてたからね…
ダークアーマーの靴の部分のサイドに…
5センチくらいの小さなドアみたいなモノがある…
パカっと開き…
小さくなった黒い羽の全裸のモリガンが出てきて…
「非常口あって良かったわ」
とでも思っているのかな?
そ~~っと、海坊主の方へ歩いていく…
有無言わず…
右のニーハイブーツを、左のヒザの辺りまで上げて…
ドン!!
《 グエ!! 》
小さいけど聞こえた。
グリ~~
捻りも入れてやったわ…
足を上げると…
うん…
「潰れたゴキブリだ…」
前の海坊主!!
「よくもモリガン様を!!」
直後!!
クラクションが聞こえた!!
高速で向かってくるSMXの運転席のセントが開いている窓から!
「ユキノ様!!☆」
ワタシは! ダークアーマーのムチを解き!
荷台から飛ぶ!!
SMXが牽引する荷車に着地!!
離れゆくトラック…
立ち上がったワタシは、こっちにロケットランチャを向ける海坊主に…
「ぜったいウンコの借りは返す…」
中指を立てる…
強風雨に加え、距離も開き諦めたのか…
海坊主はロケットランチャを下ろしたようね…
強風雨を味わうワタシは荷車にアグラで座り…
「ゴーストタウン…まじ疲れたぁ……」
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「モリガン様!! モリガン様!! むちゃくちゃ内臓飛び出てる…死んでいたらサイズチェンズが解けて元のサイズに戻るから… 一応まだ心臓は動いている?」
海坊主は生まれたてのヒナを手に持つ様に…
両手で持ち上げて…
「まだ温かい…とにかく屋内へ…」
飛んで荷台から下りた時、小さな臓物の一部が地面に落ちた…
海坊主は操縦席に入り…
後ろに置いてあった空の弁当箱を窓を開け、外の強い雨で洗い…
「輸血になるかも…」
ナイフで手首を切り…弁当箱に血を貯める…
包帯で手首を強く縛った後…
弁当箱の中に、小さなモリガンの原型の無い顔が出る様に浸からした…
「死んではいないなら…自然治癒(強)で治るかも…」
直後…
原型の無い潰れた頭部の目がパッと開いた…
「モリガン様! ご無事で!? 良かった!」
原型の無いド低い声で…
「お…え…」
「追え?」
「こ…こ…ころす…えんまあぁぁ……」
「サー!」
海坊主は日野の大型ダンプ『プロフィア』のアクセルを踏む。




