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66話 台風地獄 (4)



 ワタシは青鬼ショウと白鬼リュウトに、

「オマエラ、シャッターを開けろ、そろそろこの廃屋から出るよ」


ショウ「うん、ユキノ様、フェンリルを()ってくれてありがとう」

リュウト「ういっす。ユキノ様、ありがとう」


 二人は、コッチに(でこ)った、ワタシのスピアムチで穴が開いたガレージのシャッターをガガガっと途中まで開けると、

ショウ 「うお! フェンリルいない!?」

リュウト 「血の跡があるけど~!? デカいスピアが頭部にブッ刺さって死んでないの!?」

 またシャッターを落として、慌ててワタシの後ろに走ってきて…


ショウ、リュウト 「まだ死んでない!!」


 ワタシは赤鬼セントに、

「フェンリルは大きいワンボックスカーくらいの体なんだよね?」


「うん☆」


「なら、とりあえずお前達、三体鬼(ケルベロス)は三階に避難してろ…」


「了解☆」


 ワタシは右手のムチを顔の前に持って来て、

「ワタシがフェンリルを殺してやる…」


ショウ「たのみます!」

リュウト 「あざっす!」

 ショウとリュウトは階段を上がる…


 残ったセントは真剣な表情で、

「ユキノ様…☆ フェンリルは今までのどの敵より手ごわいかもしれない☆ 奴のスキル『嗅覚探知』『視力5』『死闘』『迷彩』のうち…『嗅覚探知』と『視力5』は台風で精度はいまいちだろうけど…すでに『死闘』を発動していると思う☆」


「ミノタウロスと同じアレね…内臓飛び出ても痛みを感じない…」


「そして…ヤツの最悪に厄介なスキル『迷彩』…おそらく、このスキルで天界最強オーディンを殺している…☆ デビルマウンテンに封印した時も…『迷彩』を活かし天界の凄腕15名を殺している…☆」


「ケルベロスはどうやってフェンリルを倒したの?」


 セントは赤のタキシードの腹部をまくり、傷を見せた。


「肉を切らせて右前足を断った……フェンリルが歩行困難なうちにデビルマウンテンを結界封印した☆」


 ワタシはフェンリルのサーチマニアを思い出し、


「スキルに『グングニルの尻尾槍』というのがあったけど…分かる?」


「知らない☆ グングニルはオーディンの持つ最強の槍…食べて吸収したんだろうね…グングニルの先から光弾が出るかもしれないよ☆」


「光弾?」


「当たれば溶けるレーザビームみたいなモノ☆ しかしフェンリルは魔力を持ってないから放つほどHPが削られるはず…☆」


「数は何回も撃てないということね…」


 ワタシは永久の目隠しサルグツワの中年奴隷の首輪のリードをセントに手渡した。

 セントは少し驚いた顔で、

「え?☆」


「コレ(中年奴隷)も3階に連れていけ」


「コレ(中年奴隷)を連れて行かないの?☆ 戦闘力がかなり落ちる☆」


「コレは目が見えないうえに四つん這い。 強風雨じゃ座って空も飛べない」


「うん☆」


「フェンリルは潜伏戦の強敵…うかつにコレに頼ってたら逆に殺されるわ…」


「ユキノ様…頑張って☆ 中年奴隷☆ ついて来て☆」


「ぼっす (^ω^)」


 中年奴隷はセントに引っ張られ(けつ)をフリフリしながら階段を上がる。


「さてと…」


 常識的にはガレージから出る所を待ち構えるでしょうね…


 ラクシュミの商店街の文房具屋で買った方位磁針(コンパス)を地面に置く…


 ガレージの出口が東…

 

 ガレージの西の、上にある窓にジャンプで飛んであがり開けて外を見ると…

 

 わりかし大きな用水路…


「いくか…」


 窓の上に乗ったワタシは輪ゴムで長い髪を結び…

 ビニール袋の中にライターを三つ入れて、胸の隙間に入れる。


 せ~のっと、

 フッっと飛び下りる。


 

 ザバーーン


 

 やっぱ台風の用水路! 凄い流れ! 足は届くけど!


 すぐに!


『S』pace !

『M』uchi !

S難度★★★

 でムチを伸ばし北の遠くにある柵に巻き付けようとした…


 その時…


 え?

 水が赤い?

 フェンリルの血?


 どこにいる!? 全く見えない!


 水が流れてくる北に!


 バシャン!! バシャン!!


 水しぶきが上がる!!


「やばい!!」


 流れに身をゆだねる!!


 近づく水しぶき、その隙間、その一瞬見逃さない…


 おそらく頭部のどこかから流れる血だけは…


 存在を確認できる…


 それにしても!

 アイツ、外で待ち構えてなんかなかったな!

 ずっとSMX(クルマ)の置いてある家の周りをグルグル回ってやがったのね!

 

 とか考えていると~~~!!


 もう3メートルくらいまで来てる!!


 

 おおラッキー!! 橋が!! アイツの高さより低いであろう橋が!


 すぐに!


『S』pace !

『M』uchi !

S難度★★★

 でグーーーーーーンと伸ばし


 橋の根本の下にある大きな下水管に巻きつけ急停止し、

 ムチを縮め、下水管に入る!



 その時!!


 ビュぅぅぅぅ~~~~パ―――――――――ン!!


 音が!


 下水管の外でバラバラっと落ちるコンクリート!


 橋が崩れた!


 フェンリルがグングニルの光弾を放った!?

 

「やばいゼッタイに! この下水管の中にまで放ってくる!!」


 すぐさま!!

 30センチの高さの水の逆流の、下水管の中を四つん這い走り!!

 命がけの全力疾走!! 




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