63話 台風地獄 (1)
公道の向こうに天まで届くような、左右は彼方までの城壁が見えた。
SMXを運転するワタシは前を見ながら、コンビニで買ったセブンスターを吸いながら、
「あれ? セント?」
「うん☆ 台風地獄☆」
「台風地獄に道はあるの?」
「あるよメインの道とそれ以外の道が☆」
「誰も住めない程の暴風雨のところに道を造れたの? 5000キロも?」
「台風地獄の遥か下にタルタロスがあるんだ☆」
「タルタロス?」
「現在、太陽を消す存在を封印している奈落タルタロス…☆その恐ろしい存在をタルタロスに落とした際に、ソレに纏っていた暴風がずっと地上に残っている☆ ソレを封印する以前の道が残ってる☆」
台風地獄の城門の前で、ワルキューレの白のパジェロが停まった。
ワタシのSMXも停める。
セントが、
「地獄のマスターキーで門を開けてくる☆」
ギ―――っと門が開く。
門を開けたセントが助手席に乗る。
パジェロが先行する、ワタシの車も続く…
入ると…
さっそく暴風雨で、ハンドルがグッっとくる…
視界もワイパーが間に合わないレベル…
前のパジェロはライトを点灯する、ワタシも点灯する…
10分でまだ3キロ…
どれくらいかかる、この地獄…?
やがて、
下は濁流の大きな橋を越えた。
ワタシは停車して、ハザードを点けると、前のパジェロも気づいて停車した。
ワタシはセントを見て、
「ちょっと行ってくるわ」
「どこに?☆」
「通った橋を破壊する」
ワタシは出る…
バタン!!
ドアは強風に煽られ強くしまった。
もうびしょぬれだよ…
SMXの後ろから首輪のリードを引っ張って中年奴隷を出して、
「ぼ (^ω^)」
それに座り、
橋の向こう側を見つめ…
「ワタシ達は先行したアドバンテージを活かす…」
『S』pace !
『M』uchi !
S難度★★★
ヒュ―――――――――――
伸びたムチを
クルクルクルっと大きな橋の手前と向こうに巻き付け!
「SとMの合体のチカラ…いくよ!」
ワタシはニーハイブーツを振り上げ…
カカトで中年奴隷に玉蹴り!
ガチーーン!
「ぼい! (≧▽≦)」
『S』ander !!!
『M』ax !!!
S難度
★★★★★
★★★★★
★★★★
(最大の研磨機)
ズリュリュリューーーーーーー!!
橋を削り落とした。
「よし…これでかなりの時間稼ぎになる…」
落ちた橋は濁流に流されていく…
中年奴隷を車に戻し、
助手席を開けると、セントがスライドして運転席に、乗る。
セントがタオルを渡してくれた。
ワタシは髪を拭きながら、
「いけ」
「はい☆」
ハザードを消して、進むと、パジェロも先行して走り出す。
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1分後…
崩れた橋の手前で、日野の大型ダンプ『プロフィア』が急ブレーキ!
運転する海坊主が、
「モリガン様! 橋が崩落してます!」
「閻魔女王の仕業?」
海坊主はカーナビのマップを動かし、
「左に曲がり、山道の旧道を行きましょう。右の湾岸ロードは台風の風をモロに受けます」
モリガンはカーナビを見て、
「距離がかなり伸びるわね…追いつける?」
「台風地獄は5000キロ、まだまだ追いつけます。山道は暴風雨を防ぐトンネルも多く悪くありません」
「なら飛ばしなさい」
「サー!」
ダンプは左に方向転換し、
「サ―――!」
海坊主はフルスロットル!
5分後…
同じ橋の場所に、イブたちの大型バス3台が停まった…
先頭の白の三菱のバスを運転する剣道面ババアは、
「イブ様! 橋が壊れとりますわ!」
剣道面ババアの後ろの、最前席のイブは前方の川を見つめながら、
「閻魔女王の仕業ね…閻魔女王に先手を取られた以上、メインロードは妨害工作をされ続けるでしょう…モリガンのために地獄のマスターキーの合い鍵をIONで造った時間が命取りになったわね……なによりも空にワイバーンが大量発生してオスプレイでの移動が出来なくなったのは最大の誤算」
イブはババアに、
「他に道は?」
ババアはカーナビを操作し、
「左に曲がれば山道、右に曲がれば湾岸ロードです」
「早くメインロードに合流する道は?」
「それが…どちら随分と先まで本線と合流しません…」
「なら湾岸を行け、山は揺れる、西太后、海沿いを飛ばしなさい」
「は!」
ババアはハンドルを右に切った後に、湾岸ロードの向かうためにフルスロットル!
イブの隣のシートの卑弥呼は、
「ババア! テレビで見たような台風の海が見えるの! 見たい見たい! (*'▽')」




