58話 修羅地獄 (8)
上空では!
飛び戦う、羽をもつ二体の『S』uper『M』ax級
M134バルカン機関銃を構えた、頭部全身ダークアーマーのモリガンは!
『彼氏の仇! しね!!』
ドドドドドドドドドド!!×10
高速で避ける、赤い悪魔風の堕天使ベリアルは!!
「基地外女め! 飛びながらM134なんて反則だぜ!!」
『おらおら!! どうした! ワタシの体は自然治癒(強)で完全回復しちゃうよ! したら「M式拡散レイン砲」を放って終わらせちゃうよ!!』
直後、高速で避けるベリアルの体に残像が現れだす…
増え続け、それぞれ槍を持った10体のベリアルになる。
モリガンは連射を止め、
『幻影分身?』
10体のベリアルはサ――っと散り散りになり、
それぞれがモリガンを睨み、
「オレにはコレと…」
ゲイボルグを掲げ、
「コレがある…」
10対のベリアルは!!
ゲイボルグの刃先をモリガンに向け!!
「ゲイボルグ…スパークレベル8… (弾帯に火が付けばM134は使えない…)」
モリガンは両手を人差し指と中指の間に親指を入れた形の印を結び!!
『魔法印亀頭シールド!!』
亀頭の様なシールドが現れ!!
モリガンの周りを包みこむ!!
一つのゲイボルグの刃先から放たれた青い電流を!!
ボヨ~~~~~~ン
はじき返す!!
モリガンは、頭部と全身に纏うダークアーマーをビックビックしながら…
『んっん…巨大の「パズス」の釘だらけのバットに比べたらぁぁ…ん…ゆる過ぎるんっ ああぁぁ…んん♡』
「なら! 持続力で勝負だぜ!!」
下の公道では、
SMXに、M134を牽引してきた荷車を繋げた赤鬼セントが、
「これでワルキューレも運べる☆」
荷車に乗せられたワルキューレの姿は自然治癒(弱)で、裸足のゲンの被爆者程度の火傷の状態に戻っていた。
「セント~~ク~~ン~~」
仰向けで倒れて独り言の姿に、
「ワルキューレは時間はかかるけど治る☆」
運転席のドアを開けて、助手席の重体のユキノを見つめ、
「問題はユキノ様☆ 互角と見えるモリガンとベリアルが戦っているうちに逃げないと☆ 治療するには…アリアドネの街に戻るのがベスト☆」
バックミラーで、後部座席でグテっとした青鬼ショウと白鬼リュウトを見て、
「後ろの二人も急がないとヤバい☆」
ハンドルを握った時…
ユキノの口から…
「来る…」
「え?☆」
「アイツが… 来る…」
「アイツって?☆」
「へび…」
直後!!
ビュン!!
灰色の疾風がSMXを過ぎた!!
前で足を止めた灰色 それは…
大きな灰色の狼… 瞬足のフェンリル…
「マジで?☆ やばい☆ 俺達は合体できる状態じゃないし…ワルキューレは死にかけだし…ユキノ様も…☆」
フェンリルの上に…
黒い影が見えた…
それは…
『黒いレディ―スハット』と『黒い鎖のドレス』の2体の魔王を纏ったイブ…
それを見たセントは、
「もうチェックメイト…☆ え?☆ イブとフェンリル、この車の中に俺達がいるのに気づいていない?☆」
隠れるために頭を下げた。
イブは上空で戦うベリアルとモリガンを見上げ、
「スト――――――――プ!!」
空の2体はビクッと止まり、下を見下ろす、
ベリアルはイブの黒いドレスを見て、
「主!?」
モリガンはイブを見て、
「かあさん!?」
イブはコメカミにアオスジを立てて、
「おまえたち…なにしてるの? 殺し合うのは勝手だけど…まずは閻魔女王が先でしょう? 言う事聞けないなら2体ともマジ殺すわよ? 瞬でね…」
あわてて、ベリアルとモリガンは!
閻魔女王を探す!!
モリガン 「閻魔女王どこいった!?」
ベリアル 「どこにいる!?」
《 セントくん は ぜったい死なせない 》
ドロドロのワルキューレは魔法剣 Fを握り、
『F』antasy…
『U』nder…
『C』ountry…
『K』iss…
※ 幻想の世界で下にキスして ※
Fファック難度 ΦΦΦΦΦ ΦΦΦΦΦ ΦΦΦΦ
SMXの周りが魔法陣なのか??
道路がピカっと白いマ●コの柄に光り!
ヒュンっと身体が飛ばされる感覚!
すぐに、またヒュンっと感覚が…
セントは前に広がる荒野を見て…
「ここは?☆ 修羅地獄?☆ のどこか別の場所?☆」
すぐに、
トントンっと運転席の窓を叩く音…
セントは見る…
ハニワ顔のワルキューレ。
口が「せ」「ん」「と」「く」「-」「ん」と動いている。
セントはそれを見て、
「ワルキューレ!?☆ 動けるようになった!☆ 良かった☆」
その直後!!
ユキノの
『S』pear
『M』uchi
が窓を突き破り!
「ぎゅええ!!」
ワルキューレの顏に突き刺さる!!
ワタシは…スピアームチを元に戻して助手席のドアを開けて出る…
やっぱりね…
後ろの荷車の中には死にかけのワルキューレが倒れている。
後方から回り込み…後ろを開けて、
「ぼう! (^ω^)」
リードを引っ張り、中年奴隷を連れ、
顏の中央辺りを両手で押さえている偽ワルキューレを見下ろし…
「ワルキューレは瞬間移動のアレ使うとね? ロクに動けなくなるんだよ? 知らなかった?」
偽ワルキューレはワタシを見上げ、
「きさまぁぁ…このオレの顔に…人間のクセに…」
「閻魔女王だよ、さてと…嘘つきタヌキのリンチを始めようか?」
『S』pear!!
『M』uchi!!
S難度 ★★
もう一度! 頭部をぶっ刺そうとしたけど!
はやっ
一瞬で飛んで避けられた…
ドロドロ顔から本来の顏に戻ってるベリアルは、
「腹の傷は!? どうして治っている!?」
「スキル自然治癒とか言うヤツじゃない? たぶん…」
「自然治癒!? その回復スピードなら自然治癒(超)だぜ!? そんなモノ存在しねえ!」
「ワタシだけ持ってるんじゃない?」
まあ本当わかんないけどね…
SMXの後部座席から、
死にかけてたショウとリュウトが出てきた…
ショウ 「いや~悪い夢を見てた…目が飛び出てそこにタバコ消される…あ…? ユキノ様にだ…」
リュウト 「ショウも? オレもユキノ様に首の骨を折られるユメみたわ…」
ショウとリュウトも回復?
どういうこと?
こっちを四つん這いで見ているワルキューレは…
裸足のゲンの被ばくのままかよ…
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~^
イブに、両膝をつき頭を下げる灰色のウールリッチのフードを深く被ったネビウス。
「イブ様…ワタシも閻魔女王討伐に加わります…ハア…ハア…」
イブはネビロスを見下ろし、
「やけに疲れているわね?」
「閻魔女王を殺すため、急いでココに来ましたので… (回復魔法の射程範囲までなんとか間に合った…遠距離と車の中の三体の回復でかなりの魔力を使ったが…)」
イブは、ネビロスをジロリっと見下ろし…
「なんか魔法使ってなかった? パッキパッキノフルボッキと聞こえた…」
「いえ! 私の事です!」
その時、
ネビロスの後ろの立ったままの、キョロキョロしているカラス天狗の口から、
「アホ――! アホ――!」
イブは、大きな声をあげたカラス天狗を見る…
「アホ?」
カラス天狗はイブの方を向き、
「アホ―!」
イブは、魔王アスタロトが変化している、赤いリボンの付いた黒いレディースハットのツバの前方を掴んで上げて… カラス天狗を笑みながら見つめ…
「フフ…このアホは…ネビロスの配下か?」
「はい…まだ野生なのです…どうか命だけは…」
「おい、ワタシにまとわりつくヘビ」
イブの黒い鎖のドレスのスカートの中から、
シュル~~っと黒い鎖蛇の頭がイブの前に、
「イブなんだい♪」
「ころせ」
鎖蛇はチラッと、イブの黒いレディースハット(魔王アスタロト)を見た後に、
冷や汗を垂らしながら、
「さすがに…野生だしさ~~ちょっと可哀そうじゃないかな~」
「そう? なら、使えない武具も…もういらないかな」
イブの左の手の平が、ネビロスに向けられた…
その一瞬!!
鎖蛇の突攻撃(超)が、
パ――――――ン
カラス天狗の頭部を破壊した。
鎖蛇は申し訳なさそうにイブを見上げ…
「イブ… ネビロスは許してあげて…オレも…」
「蛇… やればできるじゃない…」
すぐにイブは、ずっと頭を下げたままのネビロスの耳元に口を近づける…
「閻魔女王を回復させたわね?」
「うっ…」
「今は色々と立て込んでてアスタロトを敵に回したくない…だけど次は無い…」
「はい…」
イブは立ち上がり、
「ネビロスがココ(修羅地獄)から出ることを永久に許さない…」
「はい…」
次にモリガンに歩み寄る…
昔、見たようなイブの表情に、
嫌な予感を感じたモリガンは起立して敬礼し、
『かあさん! ワタシが閻魔女王を抹殺します!』
その直後!
ボゴ!!!
イブのボディブロー!!
『おっっっっえ~~』
ダークアーマーの体中の隙間から嘔吐物がホースに空いた穴のようにチョロチョロと…
「パズス同様、今の戦いも、続けていればお前は確実に負けていた…だけど閻魔女王は殺せ…出来の悪いお前でも、さすがにできるでしょう?」
『れれれれれれ』
「できないなら…もとから嫌いだし殺処分する……モリガン? 返事は?」
『れれっうっぷうっ…はい… (かあさん…心も昔に戻った?…優しい母さんになっていたはずなのに…)』




