50話 閻魔女王のホンダ『SーMX』ワルキューレの『フェアレディZ』
ガン ゴゴゴコ――――――――……
着陸…
目を開ける…
他の乗客がぞろぞろと出る…
後ろのシートから三体鬼の赤鬼セントが、
「大丈夫?☆ ユキノ様☆」
前を向いて座ったまま、
「止まない悪夢、だけど、ユメの中のドッペルゲンガーのおかげで鍛えられたわ…」
「鍛えられた?☆」
ワタシはセントを見上げ、
「 『S』trong 『M』ental 」
「さすがユキノ様☆」
立ち上がり、
「行くよ、ケルべロス」
後ろのセント、ショウ、リュウトが立ち上がる…
引き連れ出口へ、
智佐が、不安な顏でワタシを見て、
「ユキノ…」
「笑ってよ智佐」
「うん、ご乗車ありがとうございました」
ワタシは親指を立てて、
「最高のスマイル」
飛行機を降りる、
サイドの貨物室から3つのキャリーケースを出して貰う。
引いて空港から出る。
少し離れた所で、
「こっちが中年奴隷だね?」
カチン カチン ガッチンと開けると、
「ぼいっす (^ω^)」
尻をフリフリした目隠しサルグツワに首輪の中年奴隷が出てきた。
ワタシはうすい髪をナデナデしながら、
「元気だった?」
「ぼう! (^ω^)」
次にワルキューレの入っているキャリーケースを見つめながら、
マスクを何重にも装着しながら、
「おい! ショウ、リュウト開けろ! 気をつけてな!?」
ショウ 「うん…」
リュウト 「ういっす…」
マスクを何重にもつけたイヤな顏のショウとリュウトは
バッグを開ける…
ッ―――――――――――ン
おえええ!! くっっっせええええ!!
グテっとした… コレ(ワルキューレ)は… ワタシを見上げ、
「みっ…みず…みず…」
ワタシはペットボトルの水を、
「ほら、これ」
「クソ女…もう11時間、缶詰はやめてくれ…ゴクゴクゴク…ぷは~ゴクゴク」
その時!
ボトンっと近くにデカい飛竜? が落ちてきた!
ピクッピクっと〆られた魚のように動く、
それを見たセントは、
「ワイバーンだ☆ 上空に流れたワルキューレの死臭をモロ吸ったんだろうね☆ もう死ぬ☆」
上を見る、
「うわ? 上にうじゃうじゃいるじゃん? 自販機に群がるカメムシみたいだわ」
セントも上を見て、
「飛竜はバハムートが仕切っているんだけど☆ バハムートに何かあったみたい…ユキノ様もワルキューレも☆ あまり高く空を飛ぶのは危険だよ☆」
ワタシは物知りセントを見て、
「バベルの塔へ向かうには、次は何がある?」
「危険すぎる修羅地獄…☆ ふつうは飛行機で空を渡るけど☆ ワイバーンの大量発生で陸路を行くしかない…車を手に入れないと☆」
「修羅地獄? どんな場所? 名前からしてヤバそう」
「現在『大魔王サタン』『大魔神パズス』『妖魔ネビロス』…そして新興勢力の『鉄壁のモリガン』の四天王で修羅地獄の覇権をめぐり争い続けてる地獄だよ☆」
「どれが一番ヤバい?」
「軍勢の大きさは、パズス、ネビロス、モリガン、サタンの順番だね…☆ まあどの王も強さは『S』uper『M』ax級☆」
「ふ~ん…大魔王サタンか…見てみたいものね…超有名だから…ん?」
ショウとリュウトが最後のキャリーケースを開けると、
中には…
『うみねこの鳴くこ●に』の漫画全巻とDVD全巻とフィギア(ベアトリーチェ・マリア・シャオン)が…
ショウ 「ちゃんとある♪」
リュウト 「ショウ、はやくアニメDVDみたいね」
「コイツラまだ持って来てたんかい? さてと、みんな車を買いに行くよ…」
近くにあった中古車販売店に、
皆で並んで車を見る。
臭っさいからワルキューレだけ外で待たしてある。
「古いのばっかだけど、品揃いは多いわね?」
若い販売員が、
「マジで修羅地獄を渡るんですか?」
「うん」
トヨタのランクルを手の平で指し、
「これが一番おすすめですね1993年式です。 オフロードにも強く、パワーも貨物性能も問題ありません今ならたった85万円です…あ…ウチは現金のみですからね?」
ワタシは運転席をチラッと見て、
「うわ、これMTじゃない?」
「免許はAT限定ですか?」
「そうよ」
「これもですけど、デリカとかハイエースとかは…ウチはMTしかないんですよね」
「参ったわ… あ?」
ワタシは光り輝いて見える…
1台の黒い車に一点集中…
「アレがいいわ。 昔、ウチで乗ってたやつだ…」
「アレですか…? 2000年式のSMX…カーナビが新しいので価格は25万円です…だけどアレに5人の乗って修羅地獄を?」
「大丈夫♪ 大丈夫♪」
ワタシは支払いを済ます。
SMXに荷物とケルベロスと中年奴隷を乗せて、中古車販売店から出る。
外でぼっちで待ってたワルキューレを通過した直後、走って追いかけながら、
「クソ女ーー! ワタシはーー!?」
ワタシは車を停車し、マスクを何重にもを装着した後に、窓をウィ――っと開けて、
「空飛んでついて来い」
「やだ! ワタシも車運転できるし! 空はワイバーンだらけだし!」
「はあ? 女神なのに車運転すんのかよ?」
「ワタシを誰だと思ってんのよ! 戦女神よ! 戦闘機も操縦できるし!」
ワタシは、大きくため息をついて…
「じゃあ、待っててやるから、さっさと車買って来い」
おいおい…
手の平を差し出してきた…
「おまえ…金は? ラブホはワタシ達のカードでお前の分も払ったけど…てか…明細見たら、お前の部屋のオプション購入料金が5000円ついてたぞ? 何買ったんだ?」
「何買ったか…………覚えてないし、金!!!」
「凄腕助っ人の癖に…ちっ…しょうがねえなぁ…」
数えて10万円を出して、
「中古のミラでも買って来い」
コイツは金を取った後に、
「ミラ?‥‥ふざけんな!くそ女!! 戦女神ワルキューレが中古のミラ!?」
後ろの窓が開き、セントが100万の束をだして、
「ワルキューレ☆ これで買ってきて☆」
瞬で取ったコイツは…
涙目笑顔をセントに向け、
「あっあっありがとうセントくん…行ってくるね!」
中古車販売店に、パタパタと飛んで入って行った…
ワタシはセブンスターに火を付けて、
「セント? 100万はやりすぎでしょ?」
「金を残しても仕方ない☆ 使う時には使う☆ お釣りも来るだろうし☆」
「ふう~~~なるほどね、ワタシの10万も返して貰わないとね」
5分後…
エンジンの爆音が聞こえる…
え??
販売店の出入り口から貫禄ある車の頭が見えた…
赤の日産フェアレディZ?? 90年代の型っぽいけど…
110万円で… よく足りたな…?
間違いなく… 全部使ったんだろうけどね…
赤のフェアレディZは、ワタシのSMXの真横で停車し窓を開け、金のべリショートヘアーをかき上げながら…
「クソ女ぁぁ…まあまあぁぁいいのあったわぁぁ…赤のフェアレディZ…3.0 バージョンS 2シーター Tバールーフ…そして…」
勝ち誇った顔を見せて、
「MT~~~」
ぐっ…!




