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48話 アンドロメダ→アリアドネ45便 (5)



 ドくされセントが!!


 くっそっ…


 もう少しでナイトメアの正体が分かったのに~~~


 もう苦しまずに済んだのに~~~


 キラキラな苦笑いを向けるセントを睨みつける…


「ごめん☆」


 ワタシは死神のキセルを胸の隙間から取り出してシートポケットに入れて、

「ちっ…もう一回行くわ…コイツが犯人か確かめなきゃ…」


「大丈夫?☆ むちゃくちゃ顔色悪い…真っ青…☆ 小岩のジャンキーみたい☆」


 ワタシは大きくため息を吹いた後に、

「精神的ダメージってキツイ…」


 セントを見て、


「今度は2分後に起こして…」


「分かった☆」



 目を瞑る…


 体の緊張を解くと…


 もう眠りかけになる…


 少し重たい瞼を うっすら開いた…


 見える… ワタシの重ねた両手の左の親指…


 目を瞑る…





 え?


 あ?



 癖…? あったわ…

 



 子供の頃…

 爪噛むの… なかなか止められなくて…

 とうさんはその癖が大嫌いで、人が変わったように怒る

 怒る…とうさんが大嫌いだった



 青春を謳歌(おうか)しろ?



 そっか… 


 小学卒業の寄せ書きで


 ませた智佐が難しい字を書いてたじゃん




 みんな青春を謳歌しろ! 夢は海外にいくスチュワーデス  智佐

 












「ユッキー …智佐…リスカで自殺したらしいよ?」


「エリカ、マジ?」


「ユッキーが追い込み過ぎたからじゃない? 親友だったのに?」


「ワタシなりの愛情表現だっての… 何も死ぬこと無いだろ…」



 後日…


 前の机の上の花を見ながら…


「メンタル弱すぎだろ… バカ…」


 ワタシは高校を辞めた…









 障害者用のトイレ…


 座る便座の上で、今までの事を思い出し、答えを導いた…




 今まで開かなかったスライドドアがス―――っと開く…

 向こうには誰も見えないけど…

 ワタシはそっちを向き、

「魔王級の夜魔ナイトメアなんて存在していない…」


 低い… 心の声が聞こえる…



 《 青春を謳歌しろ 》



 黒いビニール袋を被った上下迷彩服が横から現れ、

 コッチを向く… 手にはいつものオノ…



「オーディンが… ワタシを庇った時に仕掛けたね?」



 《 ワタシは ナイトメア 》



「おまえはドッペルゲンガー」



 《 ちがう 》



「サーチマニア思い出した…黒い鎖蛇のスキルの中に『ドッペルゲンガー』てのがあったんだよ…」



 《 クククク (ベルゼブブ)め よけいなスキルを強奪されたわね 》



「その黒いビニール袋を剥がせば、ワタシの顔があって見たら死ぬんでしょ?」



 《 はずしてごらんなさい 》



 ドッペルゲンガーは口に左手の親指を強く当てる… ガシャガシャと音がする。


「うせろ、ドッペルゲンガー」


 《 呪ったモノが死ぬか解除しないと ワタシはずっとあなたのユメの中に居続けるのよ 》


「まじ?…超最悪じゃん」


 《 ながく生きた者もいないし すぐに死ぬでしょう 眠りが深くなれば ワタシは あなたの記憶も思考も操作できるんだから 》




 アッッチ~~~!!



 《 また会いましょう ワタシ 》








 横にセントが、


「どうだった?☆ 今回はうなされてなかった☆」


 ワタシは焼かれた小指をさすりながら、


「ナイトメアの正体が分かった」


「だれ?☆」


「ワタシ…」


「え?☆」


「ナイトメアなんて夜魔は存在しない、そう呼ばれているモノは…イブの黒い鎖蛇の呪い『ドッペルゲンガー』よ」


「ドッペルゲンガー?☆ 見たら死ぬと言われている?☆ じゃあユキノ様は‥‥呪われた?☆」


「まちがいない…」


 ワタシはセントを見て、


「ありがとうセント…死ぬトコだった…頭殴ってごめん」


 ほっぺにキスした


「あっ☆ ユキノ様☆」


 赤くなったセントの顔を見て、


「ごめんBLだったよね」


「うん…☆ でも…☆」


「さてと…」


 立ち上がる…


「ユキノ様?☆ どこへ?☆」


 セントを向き、立てたヒトサシ指を口に持って来る…


 歩む…


 少し前の席で、眠っているスチュワーデスへ…


 胸に小さなネームがある



 『 CHISA 』



 やさしくぎゅっと抱きしめる

 震えている…智佐に、


「スチュワーデスになれたんだ? がんばったね…智佐のスマイルは最高だった」


「うん…」


「智佐…本当にごめん…ワタシの方がバカだったんだ…」


「うん…うん…ごめん…ワタシ乗客全員の飲み物にクスリを……やらないと殺すって…黒い蛇に言われて…ナイトメアが…ワタシを殺しにくるって…」


「智佐…心配すんな…ワタシがお前の分の悪夢(ナイトメア)を背負ってあげるから…」


 手を離すと…

 智佐は顔を上げた…


「ユキノ…」


 その時…


 智佐の瞳が……


 回転し… グルグルの渦巻きになる


 見覚えのある瞳…


 智佐の口角が上がり…


《 青春を謳歌しろぅぅぅ… 閻魔女王ユキノちゃぁぁん 》


「鎖蛇…智佐になにをした?」


《 コイツ? 心配すんな♪ ドリフター●のアイツの様に何もする価値もねえよ… まあ…おまえは昔イジめてたらしいけどね? 親友だったんだろう? この俺より悪魔じゃん? オレは意味のねえ殺傷しねえし 》


「イジメたつもりなかったし」


《 なら オレとお前は一緒だぁぁ グス…ある意味被害者だぁぁ 》


「てか…くっそうぜええなぁ‥おまえ…」


《 ククク…いい眼差しだ…『ジェロニモ』のようだ、たまんねえ…》



「殺す…」



《 殺す? 長い長い生涯でイブ以外に初めて言われちった… 》


 智佐の手がキルユーし… コッチにグルグルの瞳を向け、凄い睨みで…


《 ガチでいく… 》


 ワタシは中指を立て、


「おまえは…ワタシがぶっ殺す…」



《 そのまえに~ ドッペルゲンガーで死なないでね~♪ バ~イ♪ 》



 ガクっと


 智佐はうなだれた。




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