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26話 地獄列車 (1)



 乗車券を買い、二階に上がり、ワタシ達は停止してあるロープウエイのゴンドラに乗る。


 箱型の無人のゴンドラ。


 中の広さは六畳くらいで両サイドに椅子があり、床は下が景観できる様に窓床…ワタシが座った直後、


 ブーっと鳴り、ドアが、ガタ…カチャと閉まった。

 ワタシの足元には四つん這いの中年奴隷、向かいには三体鬼(ケルベロス)が座る。


 青鬼ショウと白鬼リュウトはガサガサっと袋から『うみねこの鳴くこ●に』の漫画を取り出し、読み始めた。



 ウイーーー



 ゴンドラが動き出す…


 ガイドアナウスが流れる…


< ♪♪♬ このたびはデビルマウンテンロープウェイにご乗車くださり、誠にありがとうございます。 当ロープウェイは、その名の通り、カサンドラの街と地獄列車駅の間の標高1200メートル、デビルマウンテンを安全に繋ぐロープウエイ…。 もし地獄に四季があれば秋にはこの山の風景をウリハダカエデ、イタヤカエデ、タカノツメなどが鮮やかな赤や黄で彩り、見るものを魅了するでしょう…。 もし地獄に夜があればカサンドラの街の夜景はとてもきれいなモノであったでしょう…。 足元に見えるデビルマウンテンは恐ろしい魔物がたくさんいますが、山のふもとの神々の封印の壁のおかげでっ


 長い…


 今まで居た、カサンドラの街を見る。


 街に未だに煙が? 火災がまだ続いている?


 イブの…あの鎖蛇…何者なの? 無差別に人の命を…


 それに…


 イブって、一体何をしにカサンドラの街に来ていたの?



 ガタンッ


< しばらく、お待ちください 


 ゴンドラが止まった。

 どうやら誰かが、後ろのゴンドラに乗車したようね。


 すぐに動き出す。




 ゴンドラは頂上を経て下る…




 下に何か灰色の動くものが見えた…魔物?? いえ魔獣??

 ワタシ達を見てる? いや…睨んでる? 吠えてる??


 下の魔獣らしきモノを見てると赤鬼セントが、


「ユキノ様☆ 下のアレが気になる?☆」


「うん」


「遥か昔に、ヤバい魔物達がこの山を根城にしていたのを封じ込めてデビルマウンテンと呼ばれている☆ 下の灰色のヤツも封じ込めた魔物の一つ☆」


「そんなにヤバい魔物たちだったの?」


「『デビルマウンテン化計画』地獄史上に残る一大事業だった☆ 俺たちケルベロスもその事業の一員で参加したよ☆ ほかに天界の凄腕助っ人も18人参加した☆」


「天界の凄腕数18人? さすがにそれなら簡単だったんじゃないの?」


 セントは首を横に振った後に、

「天界の凄腕は15人殺されちゃった☆ だけどギリギリ成功☆ デビルマウンテンの魔物の中で一番ヤバかったのは…下でこっち見てる狼の魔獣『フェンリル』…俺達ケルベロス…いや…俺の中央の頭の牙がアイツの右足を喰いちぎった☆」


 ワタシは下のフェンリルを見て、

「なら…アレはセントを見て吠えてるのかな?」


 セントは眩しい笑顔で、

「たぶんね☆」



 下りきり、ワタシ達がゴンドラを降りると無人駅が隣にある。


 列車は8両だ。

 ワタシはセントに、

「次はどこに行くの? やっぱ列車に乗るの?」


「うん☆ 終点の地獄の迷宮(ラビリンス)まで行くよ☆」


 セントは時刻表を見た後に、腕時計で確認して、

「あと30分☆ あまり待たなくて良かった☆」


 

 30分経った…


 他に、ゴンドラから降りる人も無く、ワタシ達だけが列車に乗る。

 一番前の車両に入る。


< ドアが閉まります お気をつけください


 ドアが閉まる。


 隣にセント、向かいにショウとリュウトが座る。

 ワタシの足元には四つん這い中年奴隷。



 ふ~~~っ、やっと一息つける…


 ガタガタガターーーーーー


 結構、早い


< 次はシャレコウベ~ シャレコウベ~


 ワタシは隣のセントに、

「終点までどれくらい?」


「4時間くらい☆」


「了解、少し寝るわ、なんかあったら起こして?」


「了解☆ おやすみ☆」



 zzzz



 目を開けた、どのくらい寝ていたのか…?

 人が無茶苦茶増えてる? いや…骸骨に悪魔?


 横に眠りを必死のこらえるセントが居た。

 向かいのショウとリュウトは漫画読んでる。


 足元の中年奴隷は…

「( ˘ω˘)スヤァzzz」

 眠っていた。


「セント? 列車の客たち? 地獄の住人?」


「うん☆」


「だいぶカサンドラと住んでる人達変わったね?」


「バベルの塔のある地獄最深部に行けば行くほど人間が少なくなる☆ 危険だから☆」


 セントは乗客を見渡して、

「人間が少なすぎるね☆ 1人も居ない☆ バベルの塔の建築作業のために、人間が最深部に運ばれたのもあるかもね☆」


「なるほどね…ちょっとトイレ行ってくるわ、トイレから帰ってきたら寝ていいよ」


「トイレ☆ 一番後ろの車両にある☆」


 一番後ろか~~一番後ろに座るんだった…



 ワタシは立ち上がり、後ろへ向かう。

 悪魔混みをかき分けながら…


 隣の車両に…つり革を掴む、大きなロングコートを着た青い顔の男が…ワタシを見て舌をペロリと出した…


 キモ


 他の悪魔乗客たちもワタシをジロジロと見る…


「人間の…女…?」

「久しぶりに見た…」

「まぶいなぁ…へへ」


 キモい声が聞こえる。

 サっと腰を触られた。

 ワタシは触った手を瞬時に捕まえ、手首を捻る。


「いててて!」

 骸骨かよ…


「今度、やったらマジ殺す」


「ごめん…」


 ワタシは後ろへ向かう…

 悪魔が無茶苦茶多い…


 トイレのある最後尾の車両に来た。



 ん?


 アレは!?



 ワタシが目の当たりにしたのは!


「どうじゃ? いいじゃろう?」

「どこを触ってほしいんじゃい? 言ってみい?」

「顔は分からんが、えい身体しとんなあ?」


 中年悪魔痴漢グループに囲まれた卑弥呼(メロンレデイ)



「いや~ん (*´▽`*)」




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