二話 入部
二話目、投稿しました!!
ある教室の前に立たされ、沈黙した。人正部?なんだ、それ。聞いた事もないし、この世にそんな 部活があったというのも知らない。強さんが扉を開けると、1人の美少女が居た。知っているこの人、1年D組の光川 泉だ。この学校では、有名だ。いつも1人で本を読み、静けさと共に近寄るなと言わんばかりの圧力を放っている。コイツが、あの光川組の娘か。でも、なんでコイツがこんな部活を?と、思っていると、光川がこっちに顔立ちを向けた。
「近藤先生、何か用ですか?」
冷たい。彼女が放った言葉は、なぜか、冷い。別に悪口を言ってる訳でもないのに、どこか感情を殺すような言い方をする。
「あー、コイツがこの部に入る内和野 瑛地だ。よろしく頼むぞ。」
「いや、俺まだ入るとって決まったわけじゃ。」
「いいのかー、あの事をバラされても。」
クソ、卑怯なやつだ。そんなことしたら、全校生徒に目をつけられ、毎日、視線というレーザーポインターがつく。俺の安全かつ幸せなSchool Lifeがめちゃくちゃになる。そんなの嫌だよ。楽しみにしてたアニメがいきなり中止になるより嫌だよ。
「そう、あなたがこの部に入る内和野君ね。」
「あー、勝手にそうなっちまってるみたいだが。」
「あなたの事は、近藤先生から聞いてるわ。ひねくれで、ぼっちで、エロゲー好きってことをね。」
えっ、言っちゃってるじゃん。エロゲー好きって言っちゃってるじゃん。強さんの方に目をやると、そっぽ向いて、目線をそらす。
「で、そういうあなたを人として正しくする。それが、人正部よ。」
なるほど、分かった。人として正しくする。だから、人正部。ほー、何その生活指導みたいな部。先生なの?コイツは先生なの?
「いや、正しくさせなくていいから。俺は、今のままでいいから。」
「依頼を受けた以上、それを最後まで、果たすのが私の役目。」
あー、もうクソ!避けては通れねぇのかよ。よりによって、相手が光川組の娘。断ったら、即死刑。
「そういう事だから、後はよろしくな。光川。」
と、言いつつ強さんは、教室から出ていく。いや、待て。置いて行くな。逃げ足だけは速いなあの人は。
「で、俺をどうなおすっていうんだよ。お前が俺を1から100まで、人としての秩序や常識を教えるっていうのか。」
「そうね。それもいいかもしれないけど、近藤先生からは、常識外れみたいな事をしたら、ポイントをつけて、そのポイントの数の分を、試験の点数から引くって感じかしら。」
「ふざけんな!めちゃくちゃ不利じゃねぇか。」
ただでさえ、試験の点数が低いって言うのに。でも、逆らったらあれだしな。なんて言う理不尽。
「今日はもう帰っていいわ。あなたといたら、何されるか分からないし。」
確かに、コイツと2人きりになると、オオカミになって襲っちまうかもしれないし。傍から見りゃコイツは、美少女だ。スリーサイズ上から89、58、80。文句なしの体型だ。
「じゃあ、帰らせてもらう。また、明日。」
「また、明日。」
夕焼けの空が輝き、鮮やかな橙色と赤色の光が目に焼き付く。精神的に疲れた後のこの夕焼けは、心を落ち着かせ、安らぎを得させる。いつも通りに帰っているのに、何かが違う。
はぁー、これからどうなってしまうのか・・・
ユニーク、応援よろしくお願いします!!