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ちっぽけな怪物

作者: 冬咲 桜戯

はじめての投稿です、読みにくかったりするかもしれません。そんなに長くは無いので出来れば最後までお読みいただけるのならば幸いです。

そしてこの独白になにかを感じこういう病気やそれゆえの苦悩が有るということを知っていただけたら嬉しい限りです。

よろしくお願いいたします。




君は今、自分がなぜ生きて息をしているか、それがすぐに答える事ができるだろうか。

おそらく、自分が今生きている価値を理由を見いだせる者はきっとそれほど多くはいないだろう

私だってその一人だ、

自分がなぜこの世に生を受け、呼吸をし、命を頂き、今を生きているか。

本当にその価値が自分に有るのか、他の誰かでも、いくらでも代わりが利くのでは無いだろうか、今の私にはわからない。

そしてこれから先もわかることはないと思う

だって、きっと私は私である必要はないのだろう。

むしろ他の誰か、私ではない別の誰か。

その方が哀しみや怒り、そういった良くないものは減るのでは無いだろうか、そう考えてしまうのは、仕方の無い事ではないだろうか。

あの日私が倒れ迷惑をかけた友人、あの時の先輩、その度に心配そうな目で見ている家族、

彼らは私をどう思っているのだろうか、私にはわからない、

だって私には彼らの胸の内を想像することは出来ないのだから。

そもそも人に人の心の内を完璧に読めというのは不可能である。

わからない、理解が出来ない、それは恐怖だ。

だから私はこう思う。


あのまま死んでいれば良かったのではないか


そうすれば今、恐怖を感じこのようなつまらない事を考え、胸の内に巣食う寂しがりな怪物が心の内にに生えた返しの付いた棘を使い、ひっそりと、だが、確実に、うっすらと傷を残そうとは考えることは無かっただろう。


人はよく他人にこう声をかける。

「生きていればきっと何時か、、、」

よくいったものだと私は思う。確かにその通りだ。その言葉に嘘はない。

だって事実そうなのだから、その言葉を発する事が出来る人間の見ている世界はきっと美しく、煌めいて、聞こえてくるのは草木が歌い鳥がさえずる声、そんな夢や希望に満ち溢れた、素晴らしい世界なのだろう。

かつての私の見ていたものは確かにそうだった

綺麗だった、素晴らしかった、手離したくなかった。

繋ぐ手は暖かく、思想は先を見つめ、溢れだすのは感謝や喜びを伝える言葉だった。

そう、だったのだ。

あの日あの時を境に私の、見る目は変わってしまった。

世界とは実に面白いものだ、見る目が少し変わるだけ、それだけなのだ。角度や映す物が替わった訳ではない。

たった一度まばたきをしただけなのに、かくも映す様を代えるものなのかと、

温もりを求めるその手には蛆が這い、歩んだ後に残るのは傷、頬を流れる液体はすべてを腐らせ、耳に伝わるものは怨嗟や呪いを伝える音、醜く歪むものから絞り出す救いを求める声。

そして何時からだろう、先ではなく、足元を、足跡を見つめ、追いかけるようになったのは。

そしていつの頃であったか他人の足跡を必死にかき抱き、温もりを、繋がりを求めるようになったのは。

だが過去にぬくもりもなく、他の誰かと繋がることなど決してない。

当たり前だ、過去に生きるものなどこの世にも、またあの世にもひとつとして存在することはないのだから。

我が身だってそうだ、過去を見つめ返すことは出来ても戻ることは消してない。そして過去は薄れ涙で歪み、見えなくなりやがて何時かは自らの視界から消えて行く。


だが、人は世界は決して立ち止まることも戻ることも許してはくれない。すべての人間に平等な時間は流れてゆく。


その足元は崩れおち、細く険しいだろう。それでも進むことを諦め、そこから飛び降りても楽になることを選んでは行けない。そこに救いは無いからだ。

私たちの目線からでは歓喜の涙を流し喜びを大声で叫んで私を呼んでいるように見えるだろう。だが、それは許されることではない。

だから私は、私たちはどんなにこい願おうとも足を進ませ、血と汗と涙を流しながらでも一歩づつ、足を引きずってでも、転び、這いつくばって、他人に踏み台にされ、泥にまみれようとも、それでも進まなければならない。進むことを選び続けなけれ行けない。



だが、人は何かを胸に懐きながらではないと、進む事を選ぶ事さえ出来ないのだ。

抱くものを喪い絶望に恐怖に包まれた怪物たちは自らの意思でなくとも崖を堕ちる事を選択してしまう。

では、救いを求め私の中に巣食う、ぬくもりを喪った怪物は何を胸に懐き、自らの道を歩み、その先にある本当の死を求め、汚れた血で体を満たしと渇ききった涙で頬を濡らしながら何処へ進むのだろうか、その先に安らぎは、渇望してやまない何かは確かに存在しているのだろうか。

そんなものは誰にもわかることは無いだろう。

少なくともいまの私にはわかる事は当分ない。



最後になるが、願わくばこれが、この独白が私が私であった、私でなければいけなかった、そんな世界に遺したちっぽけでも確かな傷になれば良いと願う。



つい最近持病で倒れ入院したりして周りに迷惑や心配をかけてしまい、不安やいろいろな衝動にかられることがございました。

そんなことがあり、以前から書きたい、思いを遺したいと思っていたので、これを期に書いてみることを決意いたしました。はじめての事なので至らぬところや読みにくかったかもしれません。最後までお読み頂きありがとうございました。

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