1/12
000
《彼岸花》
燃えるような真っ赤な花を咲かせる一輪の華。
黄色や白なども見られるが、多くは赤い、まるで血を吸ったかのような鮮やかな色合いをしている。
夏終わり、木の葉色づく、秋の頃。
夏の終わりから秋の初めにかけて咲き始めるこの華は、別名【曼珠沙華】と言われている。異名では【死人花】【地獄花】【幽霊花】と《死》を連想させるものが多くある。
しかし、その名は的外れではない。なぜなら、この華は《有毒植物》。吐き気や下痢、ひどい時には《死》に至る症状も出たりする。
そんな華に込められた言葉もまた、儚くて尊いものが多くある。
そんなものが混じりに混じり、一つの《儀式》が生み出された。
それが本当に良いものなのかはわからない。だが、多くのものがその儀式をどうしても行いたいと思う。それは、儀式を行った自分自信が、未来という一歩を踏み出すために、過去との縁を断ち切る為のもの。
その儀式はーーーーーーー