友達100人作るまで世界を旅します!
うぅ、寒い。超寒い。
「…なんでいつもこうなんだろう…」私はいつも運が悪い。おまけに性格が暗いので助けてくれる友人もいない。今日も今日とて依頼の途中に頭をぶつけた…。ハァ、私よく18年も生きてたな…。
「…取り敢えず、依頼を達成しなきゃ。」今日ギルドで受けた依頼は、雪山の調査…。楽で、ドジでも出来そうだと思って選んだ依頼が実は高ランクの魔物討伐と同じくらい大変だなんて……。人生って上手くいくもんじゃないわ…。って、そんなこと考えながら歩いていたらまた……
「アイタッ!」そこら辺に転がってる石に足をぶつけた。…私、言わんこっちゃない。いちおう依頼された調査は完了したので報告して帰ろう…、そう思った時だった。
「…助けてくださいー!」私が足をぶつけたほうから声がした。私の全くダメな推理によると女の子だ。こう、語尾を伸ばして喋っているところとかが女の子らしい。歩いて事件の場所に行くと、そこにいたのは15、6くらいの女の子だった。
「…あのー、大丈夫ですか?」
「あ、ここから出してくれたら嬉しいのですが…」私が恐る恐る話しかけてみるとその子はにっこり笑ってお願いポーズをしてみせた。…可愛い。
「はい…良いですよ、せーの」ボフっと盛大に雪が舞い女の子は私の差し伸べた手を掴んで出てきた。
「ありがとうございますー!」その女の子は無茶苦茶かわいかった。…神様、マジありがとうです。こんなかわいい子と喋れるなんて、多分一生無いと思ってました。…マジ嬉しい。
「かわいいですねー」…は?あのー今何とおっしゃいました?
「…私ですか?」
「貴女と私以外にこの雪山にはいないと思いますよー!ところでお名前は?」
「…エフィです」私がなんとも律儀に見知らぬかわいい変な子に名前を教えてあげると彼女は、にっこりと笑い私の手を握った。…この子、何をしてもかわいい。
「エフィさんですかー!私はフローラですー!」
「フローラさんですか。とりあえずこの雪山から出ませんか?」私が提案するとフローラさんも同意したように頭を縦に振ってみせた。
「その通りだと思います!エフィさんは何か脱出する為の転送魔法は使えますか?」…転送魔法…なんかあったっけな…。
「えーっと…ちょっと待ってくださいね、このアムベルムの書にそれっぽい魔法があったはず…」えーっと…こっちじゃなくって…おーっ!あったあった、これだ。
「はい、ありましたよ。超簡単転送魔法。杖を持ち、行きたい場所を思い浮かべます。」
「…あとはなんですか?エフィさーん?」
「……終わりです」フローラさん、これ、超簡単転送魔法なんです。手順は、一個です。行ける範囲、少ないけど。
「…なるほどー、エフィさんはどこに行かれますか?」
「王都のギルドが一番…ですが、ここから離れていますので難しいかと…。ですからモルフィンの町の冒険者ギルドへ行きます。」するとフローラさんは少し考えて、私を見た。すると、何かを決心したように口を開いた。
「あの!私もついて行っても良いですかー!?」…フローラさん、まさかの家無し…?…でも服がめっちゃ上等。私のローブの5倍は上等。…だけどそんな事は関係ない。…もしかしたら…彼女はなってくれるかも。私の…一番欲しくて欲しくてたまらなかったものに。
「…一つ、条件があります…」私、勇気を出して…彼女…フローラさんなら…私の…
「…私のと…友達になって下さいっ!」…言えた…?
「はい!エフィさんー!喜んでー!」…そうか…私は、言えたのか…
「…では、行きましょう。これからよろしくお願いしますね、フローラさん。」
「はいー!エフィさーん!」それでは!行きましょう!モルフィンの町へ。