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灰色の乙女は悲劇の恋歌を唄う  作者: あかり
開幕
2/38

黒い影達



カチッカチッカチッ。



 暗闇の中で動く影があった。


『許さない』


 その影は時間をかけて、徐々に数を増していく。


『許さない、赦さない、ゆるさない』


 先頭に歩き出す影に、付き違うように蠢く黒いモノ。それは人型をしていた。しかし、それらは真っ黒に塗りつぶされ、瞳があるはずのその場所には空洞があるだけ。

 その穴を見つめたら最後、すべてを呑み込まれる、そんな絶望と悲しみが、その影達には溢れていた。


 闇の中を彷徨い歩いていた彼らは、ふいに懐かしい気配を感じ、顔を上げた。

 見えたのは、空に立ち上る煙と、その中を駆け上っていく金髪の背中。



 それは、確かに彼らが求めていたモノの、はずだった。



 しかし、長い間闇を彷徨っていた彼らには、『彼女』がわからなくなっていた。

 何を探し求めて彷徨っているのか、何故こんなにも哀しいのか、何に絶望しているのか。何もわからないまま、彼らは歩み続ける。



『ユルサナイ』



 先頭の影の首に、光るネックレスがあった。



 カチッカチッカチッ。



 華奢な造りをしたその中にある時を刻むはずの針は、今も、止まったまま。






斜体文字が使いたいのに反映できなくて辛い。。。

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