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自重しない元勇者の強くて楽しいニューゲーム  作者: 新木伸
7.旅の途中

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不幸の手紙 「どどどどど、どうしよう! 誰かに読ませないとっ!」

「やったー! 宝箱ーっ!」


 剣を高々とつきあげて、アレイダが勝ちどきをあげている。


 宝箱があった。

 まあ。部屋を襲撃して、固定エンカウントの多種族構成による一団を一掃したのだから、宝箱ぐらい、出ても当然だ。


 ダンジョンには、ランダム・エンカウントと、固定エンカウントがある。

 通路で出くわす敵は、だいたい前者だ。徘徊している敵である。


 それに対して固定エンカウントの敵というのは、その場所に行けば、必ず遭遇する敵のことを呼ぶ。

 まあ、必ず、といっても、本当に必ずいるわけではない。

 空き部屋ということも多々ある。たとえば先客が根こそぎにしていった場合など――。


 以前、アレイダとスケルティアを連れて、街の近くの、初心者冒険者向けのダンジョンでパワーレベリングしていたときには、すこし迷惑をかけていたかもしれない。

 俺たちのあとに訪れる冒険者たちは、無人のダンジョンに呆れていたことだろう。


 だいたい、どこのダンジョンでも、根こそぎにしたら、まあ、二、三日くらいは、なにもいなくなる。

 逆に言えば、二、三日もすれば、なにかしら涌いてくるともいえる。


 モンスターの生態は、いまだ解明されきってはいない。


 どこから来て、どこへ行くのか――。

 オークやゴブリンといった、通常の繁殖方法によって、普通の生物と同じように増える種族もいる。植物系は文字通りに〝生えて〟くる。

 どこからか〝出現〟したとしか思えない増えかたをする、魔法生物のようなものもいる。

 生物の一種ではあるのだろうが、この世界で生まれたわけではなく、異次元から時空を渡ってくる悪魔系のモンスターもいる。自然エネルギーの申し子である精霊系のモンスターもいる。どう見てもおまえ機械だろ、という、マシン系のモンスターもいる。


 部屋でエンカウントする固定モンスターは、多種族構成となる。

 構成するモンスターの種類によっては、戦略は、まったく異なる。


 たとえば今回の部屋などは――。

 数ばかり多い獣人のザコ的のほかに、火系エレメントの遊撃隊がいた。司令塔の悪魔魔道士が、これまた厄介で、仲間を回復させるわバフかけるわ。こっちのバフを剥ぎ取ろうとしてくるわ。

 最初に仕留めようとしても、仲間の後ろに隠れてしまうので、前衛をなぎ倒していかないかぎり、手が出せない。


 あー、遠距離攻撃ユニット、ほしいわー。

 弓だのクロスボウだの使い手だとか……。魔法使いでもいい。

 むしろ魔法使いがベストだな。

 あー、ほしいわー。


 前衛のガチ物理さんのアレイダがいて、攻めも守りも変幻自在の中衛のスケルティアがいて、これであと、回復と攻撃と両方できる魔法使いがいたら、最小構成で完成するんだがなー……。


 無論、なんでもできる万能クラスの「勇者」と、魔法最強の「賢者」はいるわけだが――。

 俺らが出ていってしまうと、このへんの敵だと、やっぱり一撃で掃討してしまうので……。なるべく手を出さない方針でいる。


 具体的には、二人が倒れて、おっ死ぬまで。


「今回は、だいぶ、苦戦していたようだな」

「ね! それより! 宝箱! 宝箱っ!」

「うるさい。ぴょんぴょんすんな。宝箱は逃げない。まずはいまの戦いの反省会だ」


 ワンコの躾はすぐにやる。動物教本にも書いてある。うちのワンコは特におバカだから、きっちり守らないとならない。


 今回の部屋は、前衛のアレイダと、中衛のスケルティア二人だけでは、掃討、苦戦していたようである。

 火系エレメントの敵がまじっていたので、いつもの蜘蛛の糸で絡める一網打尽作戦が使えずにいた。


 あれは強力なハメ技であるが、最近の二人は、あれに頼ってばっかりいる。

 ぜんぜん。よくない。強い戦術に頼りきりでは工夫しない。成長しない。格下には滅法強いが、〝格上〟に出会ったときには、あっさりと殺られてしまう、そんな貧弱キャラが育つだけだ。


 ――と、いうようなことを、俺は淡々と説明した。


 二人が苦戦していた理由も、すべて解説してやった。


 ――と、いうのにだ。


「わかったからー……、もー、いいでしょー? 宝箱ー、宝箱ーっ?」


 うちの娘の駄犬のほうは、ご主人様のありがたい話を聞いちゃいねえ。

 このアマ。犯すぞ? 裸にひん剥いて、石床のうえで滅茶滅茶に犯すぞ?

 ……だめだな。ご褒美にしかならんな。


 そういやこれまでエンカウントの敵ばかりだったので、確定で出てくる宝箱は、はじめてなのか……? こいつって?

 だからぴょんぴょんしてるのか。


「ねー! 開けて開けてー! わたしー! 開けていいのーっ!?」

「馬鹿。鑑定魔法が先だ」


 専門の盗賊がいないから、あんま、開けたくないんだけどなー。


 罠の有無および種類を鑑定する。


 ……ふむ。シロと出たか。

 罠はなし、と、出た。

 本来なら、複数人で鑑定魔法を用いて、鑑定の精度を上げるところだが――。


「開けていいぞ」

「わーい」


 こいつは駄犬ではあるが、いちおう、世間一般的には上級職とされるクロウナイト。

 魔法爆雷に至近距離で巻きこまれても、ギリ、生きているだろう。


 かちゃり、と、箱が開く。


「ん? なに? これ……? 巻物? ……ちぇっ」


 入っていたのは、一巻きの巻物スクロール

 武具を期待していたのだろう。アレイダはあからさまに落胆した顔になっていた。


 そう落胆するものでもない。

 見つかった巻物が、もし未習得の呪文であれば、ヘタな武具が出るよりお得なこともある。

 使わない武具は売ってカネにするしかないが。俺たちはカネならこれ以上必要がないぐらいに持っている。このあいだラストダンジョンに行って、入口付近で二人を鍛えたら、まー、儲かった。しばらく金策をする必要がなくなった。


 巻物スクロールは見た目は地味だが、中味次第では宝物だ。

 魔法の呪文には、レベルがあがると、自動的に取得できるものと、誰かに教わるか巻物スクロールから取得しなければならないものとがある。


 自動的に取得する呪文は、その職業クラスを代表する特性のものである。たとえばナイト系では治療魔法。闇の騎士たるクロウナイトではエナジードレインなど。

 だが本当に強力なのは、自動では身につかない呪文のほうだったりする。習得可能ではあるが、困難なり条件なりを要する。そういう呪文やスキルのほうに、強力なものが揃っている。

 苦労して手に入れたもののほうが、見返りが大きい。――ま。当然の常識だわな。


 アレイダがいっぺんクロウナイトに闇落ちしたのは、さらなる上位職を目指すための腰掛けであるから、そういうことは一切やらせていない。


 単なる素のスペックの駄クロウナイトでしかない。


「なんかわたし……、いま悪口言われてる気がするー……」

「気のせいだ」


 じっとりとした目線に、俺はしれっと、そう答えた。


「こーいうのって……、呪い……とか? かかっていることあるんでしょ?」


 アレイダが気味悪そうに言う。

 宝箱の中の巻物を見つめるだけで、手を出さないのは賢明であるが……。


 俺はそのケツを蹴った。


「なにやってる。とっとと広げて、読んでみろ」

「だっ――だって! 呪いとか掛かっていたら――!?」


「知ってるか? マンドラゴラの抜きかた。犬に紐を結んで、引っぱらせて、抜くんだぞ」

「犬うぅ! わたし! 犬うぅぅ!」


「スケ。……が。読む?」


 スケルティアが、そう言った。最近、スケのやつも、文字を覚えた。

 外国語を習得するわけではないので、文字と音の対応関係さえ学ぶだけだ。覚えるのはわりと早かった。じつは頭も良かった。種族特性でINTも上がってきているので、そのうち、魔法を操る蜘蛛系種族に進化してゆくといいのかも?


「いや。わたしが読むわよ」


 アレイダがきっぱりと言った。

 さっきまでグズグズ言ってたわりには、スケがやると言ったら、自分がやると一瞬で決めた。

 俺。こいつのこういうところは好き。


 うちの娘たち――と、二人を一セットに考えることはよくあるが、そういえば、どっちが姉でどっちが妹かということは、考えたことがなかったな。

 アレイダが姉だな。スケルティアは妹だな。


「スケ。……も。読む。一緒。」

「え? あ……、うん。まあ……、いいけど」


 姉は妹に弱かった。

 俺は笑いをこらえるのに、苦労していた。


 人身御供は、一人で充分なんだが……。

 まあ、仮に呪いの巻物スクロールだったとしても、大賢者に解呪できない呪いは、そうそうないし。こんな初心者向けダンジョン――おっと、世間一般的には、充分、高レベル・ダンジョンだったな。勇者業界からすると、駆け出しの初心者になるというだけで。

 まあ、こんな勇者業界・初心者向けダンジョンで出てくるような呪いが、そんなアブナイはずがない。


「えーと……、なになに……?」


 アレイダとスケルティアは、石の床の上に、ぺたんと女の子座りして、二人で巻物スクロールを広げにかかった。


「あれ? 共通語コモンで書いてある?」

「ん?」


 おや。ハズレだったか。

 呪文の巻物スクロールなら、共通語コモンで書かれているはずがない。


共通語コモンなら読めるだろ。読んでみろ」


 俺は言った。


「え? ええっと……」


 アレイダのやつは、文字を指でなぞりながら読みはじめる。

 なんでか。こいつ。この蛮族姫君。読むとき、指でさしながら読むんだよなー。

 萌えるから、やめ、っつーの。


「この巻物は……、呪いの巻物です……、って!」


 ぎょっとした顔をアレイダは向けてくる。


「いいから読め」」

「だってだってだって――! 呪いって書いてあるのよ! ほらここに!」


 呪いの巻物です、と書かれた、呪いの巻物があるわけ、ねーんだけど……。


「……その先は? なんて書いてある?」


「えっとえっと……、ええと……、この巻物を読んだ者は、三日以内に同じ巻物を書いて、五人以上に渡さなければ、不幸が襲いかかってくるでしょう……って! そう書いてある! そう書いてあるんだけどーっ!」


「落ちつけ」


 ぎゃーぎゃー騒いでいるアホ女のケツを、俺は蹴り飛ばした。


 こいつのケツ。蹴り心地がいいんだよなー。つい蹴ってしまうんだー。

 蹴り心地だけでなくて、抱え心地もいいんだが。つい抱えこんでしまうんだが。後ろからな。


「呪われたー! 呪われちゃったー!」


 前のめりになって石の床とキスしていたアレイダは、顔を持ちあげると、抗議の一つもせず、またギャーギャーと騒ぎたてはじめた。


「スケさんどーしよー! どーしよー! わたしたち呪われちゃったー! だからわたし一人で読むって言ったのに! そしたら呪われるのわたし一人ですんだのにーっ!!」

「のろい。……って。なに?」


 スケルティアは、きゅるんと、頭を傾けている。


 ころす。喰う。寝る。――の、シンプルライフの野生の蜘蛛生活には、「のろう」はなかったっぽい。


「呪いよ!! だから、つまり――!!」

「どんな災厄が襲ってくるって?」

「だから災厄なの!」

「だから、どんな?」


 俺は、聞いた。


「ええと……、どんなだろ?」


 答えが存在しないということに、アレイダはようやく気づいたようだ。


「威しとしても、三流だな。脅すからには、脅した内容が確実に履行されると、相手に思わせなくてはならない。その内容が確実に現実であると確信させなくては、脅しとは、単なる言葉でしかない。単なる言葉など、なんの意味も持たない」

「それは……、そうだけど」


「たとえば小悪党を捕まえて拷問に掛けるのだとする。質問に答えなければおまえの指を一本落とす。それでも答えなければもう一本落とす。二本目以降も順に全部落とす。――と、そう宣言しておいてから、本気でやると思っていないその相手の指を、一本、落としてやれば、残りの四本についても本気だと確信させることができる」

「な……、なんで拷問方法の話になってんの?」


「俺は普段からおまえたちに〝俺は助けない〟と言っているな。その脅しについて、おまえらは確信を持っているはずだ」

「現実に……、助けてくれてないよね? わたし死にかけて、びっくんびっくんいってたって、放置するし……」


 びっくんびっくんいってるくらいは、まだ、わりと平気な領域だしなー。

 死んで十数秒ぐらいなら、じつは蘇生魔法はいらなくて、まだ大回復や全回復で間に合ったりする。


「わたしたち、戦っているときにも、あーでもないこーでもない、ダメ出ししてくるだけで、どんなに苦しい戦いでも、絶対、手伝わないよね?」

「当然だ」


 俺が手伝ってしまったら、こいつらの訓練にならない。


「ひどいのよね。極悪人よね」


 過保護にしないで適切に扱うだけで極悪人かよ。


「安心しろ。骨ぐらいは拾ってやる」

「ほら! 骨にするし! 骨になるまで助けないって宣言だし!」


 藪蛇だった。

 ジョークで潤いを与えようと思ったのだが。こちらの世界にはこのジョークはないのかも。


「死んだ。ら。……食べてね?」


 スケルティアも、長いこと考え抜いたあとで、そんなことを言った。

 自分が死んだあとのことを、頑張って、考えてみたらしい。

 野生の生物はそんなことは考えない。死んだらどうなる? ――なんて意味のないことを考えるのは、人間だけだ。


 だからスケルティア的には、これは、頑張った。


 言葉の意味は、俺が推測するに――。

 自分が死んだあとには、きちんと食べて、有効活用してね? ――と、そういうことらしい。


 そのへんはいまだに野生の生物。

 あとついでに、実行不能。

 100%モンスターなら食べてもいいのかもしれないが、半分人間のハーフ種族は、ちょっと、むーりー。


「……おほん。まー、つまりだな。俺が言いたいことは……」


 どうも、俺の誠意が、娘たち二人に伝わっていないようなので……。


「大丈夫だ。こんなん。気にするな。俺がそう言ってるんだから――信じろ」


    ◇


「……と、いうようなことが、あったわけだ」

「さようでございますか」


 夕食も終わって、二人きりになったあとで、俺はモーリンにそう言った。

 ナイトガウン姿で、ワインのグラスを俺に差し出すモーリンは、昼間のメイド姿とはまた違った顔を俺に見せる。

 アレイダやスケルティア――娘たちには見せない恋人としての顔を、俺は独り占めだった。


 いちおう育成状況は俺とモーリンの間で共有している。俺のかわりにモーリンがついて、二人をダンジョンに連れてゆくこともある。


「こっちには、〝不幸の手紙〟っていうのは……、ないのか?」

「不幸の手紙? ……で、ございますか?」


 モーリンは中空を見つめる仕草をする。

 別の次元にいる〝親戚みたいな存在〟と交信して聞いているのだと、このまえ語っていた。


「実行力のない文面における脅しのみで、自己増殖する情報遺伝子ミーム……とのことですけど」

「そんなたいしたものでもない。俺のいた世界で流行っていた単なるイタズラだ」

「と、伝えておきます」


 異世界モーリン、くっそ使えねえ。


「森はくっそ使えない。……ああ怒りましたね。交信終了」

「思考まで読むんじゃない。……おまえの親戚は怒るんだな」

「最近。感情表現が豊かになりました。なぜでしょう」


 向こうも、きっと、そう思っているはずだぞ……?

 五十年前のモーリンは、ほんと、機械かと思ったしなー。


「異世界モーリンのやつを、羨ましがらせてやるか」


 俺はモーリンの細腰を抱き寄せた。


「ばくはつしろ、と、言われたら、俺たちの勝ちな」

「……問い合わせますか?」

「いっそ実況中継してやれ」


 俺はモーリンを押し倒した。

 ソファーしかないが、それで充分だ。


    ◇


 数日が経った、ある夜のこと――。

 俺が支度を調えていると、モーリンがやってきた。


 俺の身支度を手伝ってくる。

 女の手で服を着せられると、戦意が向上する。


「あいつらは――?」

「寝室です」


 上着を着せた俺の背を撫でながら、モーリンが言う。

 俺の来ている上着は、見た目は単なるロングジャケットでしかないが、防御力でいえば、なかなかの逸品だ。


 頭おかしいほどの強化魔法が掛けられているおかげで、布素材であるくせに、そこらのガチガチのフルプレートよりも、よほど性能が高い。

 見た目も、向こうの世界の服装に、なんとなく似ているので、気に入っている。

 なにより動きやすいのがいい。

 もともとは密偵スカウト用の布装備だから、動いても音がまったくしない。

 夜、闇夜の中で戦っていても、すくなくとも俺からは、一切の音が発生しないはずだ。

 寝てる二人を起こす心配は……。


「……寝てるのか?」


 モーリンは、くすっと微笑んだ。


「二人で抱きしめあって、震えていますよ」


 はっはっは。

 うちの娘のバカなほう。バカかわいー。

 スケルティアのほうは、無表情で抱きしめられているだろうが。

 こっちも、無表情かわいー。


「さて……、行ってくる」

「ご武運を」


 武運が必要なほどじゃない。

 片手を振って、俺は屋敷の外へ出た。


 こちらの世界における〝呪いの手紙〟は、イタズラじゃなかった。

 ホンマもんだった。


 気になったので、リズに依頼して、いちおう調べてみたら――。

 何人も呪い殺されている、ホンマもんだった。

 やべえやべえ。てっきりイタズラだと思ってたさー。


 アレイダが手紙を見つけて、スケルティアと二人で読んで――あれから三日が経っていた。

 今夜は手紙に書いてあった期日の日である。


 〝呪い〟の本体を迎撃するために、俺は霊的戦闘準備を整えて、待ち受けていた。


 屋敷は亜空間の中にあるから、霊だろうが呪いだろうが、なんだろうが、入ってくるためには、その通路は一箇所しかない。


 外の馬車と繋がる時空通路の出口で俺は待っていた。


 貞子だか伽椰子だか知らないが――。

 俺の娘たちを呪い殺そうとか、どこのどいつだ。


 俺は娘たちに「安全」と約束した。それが嘘であってはならない。


 「安全」かつ「無害」にしてやる。さあこい。

 俺は元勇者の顔に、凶悪な笑みを浮かべた。

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