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自重しない元勇者の強くて楽しいニューゲーム  作者: 新木伸
17.エイティをちょっと鍛えてみる
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エイティと風呂 「近い、近い! 近いですうぅ~~!」

 いつもの昼過ぎ。いつもの屋敷の中。


 ふと思い立った俺は、昼風呂に入ることにした。

 がらりと戸を開け、湯気の立ちこめる風呂内に足を踏み入れる。

 うちの風呂は、常に湯の沸いている二十四時間風呂である。


 もともとそれなりの大きさだったが、さらに改装して大きくしている。

 全員で入れるようにと、特別、豪華な作りになっていた。

 もちろん、ただ全員で入るだけでなく、入ったうえで、あんなことやこんなことをするためである。


 モーリンが土魔法と木魔法とで、石を成形して木を生み出し、ものの十数分程度で改装を完了してしまった。

 土魔法はストーンウォールぐらいしか使い道のない不遇魔法とみなされているが、どっこい、レベルをMAX近辺まであげれば、建築用途として神魔法に化ける。大賢者がその気になったら、天空城でも、バベルの塔でも、一夜で大地から生えてくるだろう。

 ちなみに木魔法のほうは、エルフの秘術である。にょきにょきと伸びていった木の幹が、壁や柱に育つほうはともかく、ぱきぱきと自分から割れていって木製品に変わるさまは、ちょっとシュールな光景だった。

 ちなみに木桶にはなぜかケロリンと書かれていて、椅子のほうは形がスケベ椅子だった。

 おい大賢者。通信先から、いったいなにを吹きこまれた。


「お?」


 大浴場を奥に向けて歩いてゆくと、人影が見えた。

 誰だかよく見ようと目を凝らすと、体を洗っていたその人物は、逃げるようにして、急いで浴槽に移動していった。


「……?」


 うちの女たちの中には、俺に裸を見られて恥ずかしがる者はいないはずだが……?

 ああ。いないこともないか。

 アレイダのやつなんか、いまだに、「きゃー」だの「恥ずかしい」だのと口にして、俺を燃えあがらせてくれるのだが。


 俺はそれ以上深く考えず、浴槽に向かった。

 かけ湯もしないで浴槽に入るのは本来はルール違反であるが、この屋敷では俺がルールである。よって俺だけは構わない。


「あっ、あっ、し、師匠――」


 ざぶりと湯に浸かると、隣からそんな声があがった。


 エイティだったか。

 なんでか、慌てているのだが。……なぜだ?

 「きゃー」の側ではなかったはずだが。


 うちには「あっけらかん派」と「きゃー派」とがいる。

 まずスケルティアが、あっけらかん派の筆頭。ハダカのどこが恥ずかしいのか、まったくわかっていない派。もともと路上生活をしていたときには、

 ミーティアはお姫様育ちのせいか、異性に対してまったくの無警戒。同性に見せるのと大差ない感覚。


 モーリンとコモーリンも、鉄壁無表情ではあるが、モーリン学の第一人者である俺の見解では、あれは素のポーカーフェイスであるというだけで、恥じらいを感じていないわけではない。

 バニー師匠は男の視線には目ざといほどに敏感で、裸に限らず、胸やお尻を見ているときには、誘う目線で応じてくる。達人の余裕となまめかしさがあるものの、その根底には、基本的な恥じらいが含まれている。


 クザクとエイティの二人は、普通に恥じらってはいる。だが俺に対しては、それを示さない。

 ……はずなのだが。


「いい湯だな」


 俺は隣のエイティに話しかけた。


「は、はひっ――そ、そうですねっ!」


 返ってくる返事もどこかおかしい。

 口元まで湯につけて、ぶくぶくとやっている。

 綺麗な金色のストレートヘアが、湯の中で扇状に広がっている。


「どうした? なにを恥ずかしがっている?」


 そういえばエイティと風呂に入ったことはなかったな、と、思いつつ、俺は美しい髪を、一房、手に取った。

 髪に手の届く、そんな距離に詰めてゆくと――。


「い、いえっ……、そ、そのっ――近い。近いですぅ!」

「なにが近いって?」


 またすこし距離を詰める。

 こんどは恋人同士の距離。息を交わしあう距離。


「だ、だから、近いですぅ~!!」


 ははははは。可愛い可愛い。

 なにを恥ずかしがっているのかは知らんが、初々しい反応が新鮮だ。

 手首を捕まえて逃げられないようにすると、俺はエイティの身体を後ろから抱きしめた。


「あ、あのっ――!?」


 エイティは、まだ、うだうだ言ってる。


「こんな自分でも――、あ、愛して頂けるのでしょうか!?」

「もちろんだ」


 俺は即答した。

 〝こんな〟が、どんななのか、わからんかったが――。即答だ。


 俺の言葉に安心したか、エイティの体に入っていた力が抜ける。


 後ろから抱っこする形で、俺はエイティを愛した。

 湯の中でセックスした。


 しかし……。

 なんか今日のエイティは、変だったな……?


 なんか体が柔っこくなかった……? 妙に筋張っていたような……?

 あとなんか、胸が妙に平たかったような……? ろくに揉ませてもらえなかったので、よくわからなかったのだが……?

 あと、前でなくて後ろでと懇願されて……? なんでだろう……?


 一回終わって、風呂から上がるとき、ダッシュで洗い場に行って、頭から水を浴びていたのだが……? 冷たくないのか?


 まあしかし、風呂から上がったあとのエイティは、いつものエイティで……。

 濡れたままの美少女をお姫様抱っこで寝室に運んで、二回戦を行った。


 こんどは前を使わせてもらえたし、おっぱいも触らせてもらえた。


 なんだったのか、よくわからなかったが……。

 ま。いっかー。

クザクいちゃ回があったので、エイティいちゃ回です。


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