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私の平穏はどこにある!?   作者: 崎坂 ヤヒト
一章
7/45

覚えることがいっぱいです

また少し時間が進んでいます

さらに半年が過ぎたころ。


この頃になるとネアが私に強制して教えることは何もなくなっていた。

読み書きは最初の頃に必要だったので教えられたのだが、この世界の言葉はすごく簡単で、すぐに覚えてしまった。

話す言葉は女神が加護で簡単に翻訳してくれたのでそもそも覚える必要がなく。

そうなると文字の勉強になるのだが、この世界の文字はひらがなと同じで決まった文字の組み合わせがあるだけだったのだ。

一応、カタカナみたいな同じだけど使い方が違う文字があるくらいで。つまり日本語から漢字をなくしたバージョンなのだ。

正直、楽。


魔法はどうにか【中級魔法】を習得することができたよ。

何度もイメージを修正するのはとても大変だった。

ちなみに【火】の魔法は全属性の中で攻撃力は最強らしく、使ってみた《ファイアーボール》はネアの《サンダーボール》より強力だった。

まあ【上級魔法】には遠く及ばなかったけどね。

あれは一撃で大岩とか粉砕しちゃうから。

見せてもらった時はビビった。

で、ネアの読み通り【上級魔法】は使えないみたい。

使う方法自体は【中級魔法】とほとんど同じだから技術的には問題なかったんだけど、使おうとしたら【中級魔法】に毛が生えた程度の威力しか出なかった。

だから全く使えない訳じゃないけど、これなら魔力の消費量的に【中級魔法】の方がいいという有様なのだ。

分かってたことだけどちょっとショック。

その代わり【水】の魔法の中には『治癒』の魔法があって、こっちは何のしがらみもなく仕えた。

ネア曰く【水】の『治癒』は『人体に流れる水分に作用する魔法』なのだという。

そのため、威力とは無関係の魔法なのだと。

他にも【水】は防御とかの支援系が多かった。


私、【ポーション】作りと合わせてサポートキャラの位置になりそう。


あとやってることと言えば。


「ネア。次、タバスコのレシピちょうだい。こっちの言葉に書き写すから」


模写。というか翻訳をしていた。

調味料の。

この生活が始まってから二か月くらいして、ネアが天界から食材を買ってくるようになったおかげで食事の質は上がっていた。

ついでに調味料もいっぱい増えたのだが、ここで問題に最近気づいたのだ。

この世界って、調味料どのくらいあるんだろう? と。

すぐにネアに尋ねると。


『砂糖と塩くらいはあるわよ。砂糖は高級品だけど』


私は急いでレシピを作った。

そして翻訳した。こっちの食材でも作れるように材料になりそうなものを調べてこっちの世界版に適合したものを必死で作り上げたのだ。

食事の質は私にとってとても大事なことなのだ。

あの野菜尽くしの食事がこっちの普通とかだったら泣くよ。

今を逃したらもうマヨネーズやケチャップに会えないと思うと必死になった。


それと裁縫を少々学んでおいた。

破れた服の再利用とか必要だからね。

まあこれは最低限の技術を学んだだけで終わったけど。

最悪買いなおせばいいからね。


他には自主的な弓の練習。

私は魔法を使えるけど【中級魔法】までしか使えないし、それ以外の武器があった方がいいと思ったのだ。

ネアも弓にはいくらか知識があるらしく、頼めば快く教えてくれた。

やっぱり天使なのと関係あるのかな?


副武装としてはナイフが一番だ。

この体は力がそんなにないからロングソードとかはうまく使えないし。

何よりはじめに狩りでも使ってた装備だから多少の慣れがある。

いろいろ試したがこれが一番よかったのだ。

ネアに体術を教えられてついでにぼこぼこにされたけどね。


最近は料理のレシピに集中しているせいか【ポーション】はあまり作っていない。

一時期大量に作っていたし、【ポーション】のレシピはこっちの世界のものだから急いで覚える必要がないというのが大きかった。


今の私は他に覚えて学ぶことが多すぎて大変なのだ。




※ネア視点

ある時期からメリルが積極的になってきたと思う。

特にごはんに関しては私が引くくらいの執念を感じたわ。

考えてみれば調味料はメリルの元の世界にあったものを参考に買って来てるから、こっちの世界にはないのよね。

一応納得したわ。

でも弓にナイフに体術と、あの子も大分準備に必死になってきたわね。

そういったことは今頃から気付かせることになっていたのだけれど、自分で気づいたならもう言うことはないわ。


「はいよ、ネアちゃん。これも持ってお行き」

「ありがとうございます」


ちなみにここは天界だ。

現在買い物中である。

期間中も当然食事は担当天使の自腹。くっ。

家の庭で野菜などを栽培しているネアは一時期それだけで期間を乗り切ろうとしてたくらいに金にうるさい性格である。

しかしメリルがそれを嫌がって狩りに出てしまったことは予想外だった。

あれ以来買い物をしっかりしなければならなくなってしまった。

お肉は天界でなければ手に入らない。穀物もだ。

流石にそれらを飼育、栽培することはなかったので、お給料から出すしかない。

これでもメリルに死なれるよりはましなのだ。

期間中なら死んでも女神さまが蘇生してくれる、ということに一応なってはいるが、それをすると担当天使の責任になり代金をふんだくられるのだ。

天界社会でもお金は大事だった。


それなのに。

ネアは一枚の紙を取り出す。

そこには担当天使の役割が書かれていた。

その中の一つに『最低一匹は魔物を倒させること。種類問わない』と書かれていた。

つまり戦闘経験を積ませるのは必須事項なのだ。


絶対死なせないわ。お金のために!


内面を知ると結構駄目な天使のネアさん

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