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私の平穏はどこにある!?   作者: 崎坂 ヤヒト
一章
6/45

どっちかというと【ポーション】

少し時間が経過します。

主人公の感じが少し違います。

ネアと暮らし始めてから一年が経とうとしていた。

ネアのお勉強宣言からのその間はこの世界についての知識をガンガン叩き込まれた。

最初こそ魔法とか【ポーション】という面白そうなものだったのだが、世界地図で地理の勉強なんかになったらそりゃ頭痛くなった。

私まだ11歳。

とりあえずこの周辺の地形を覚えるにとどまった。

まず、ここは【ガルニア列島】という大量の島が並んでいる地域の一つの島にある森らしい。

なんでそんな辺境に、とも思ったが理由を聞いてみると納得。

他の島でも私と同じ境遇の子が勉強しているので連続している島のあちこちで別れて教えるのに都合がよかったみたいだ。

生活保障の期間が過ぎれば私たちは船でもっと大きな大陸に輸送され、そこで新たな生活をすることになるらしい。

もちろん、支度金はもらえる。

他にもいくつか貰えるものはあるらしいのだが、教えてもらえなかった。


「それはお楽しみよ」


ということらしい。

続いて魔物についてだが、この島にいる魔物は動物系が多いみたい。

まるでマンモスのように牙が大きい猪の魔物や、前に狩ったメンダマ鳥みたいに目玉がやたらと大きい虎など。これらはそれぞれファングラモスにメンダマイガーというらしい。

もうちょっとましな名前ないの……?

片方なんか虫みたいだし。メンダマイガーの方はメンダマ鳥と同じように目玉が大きい種類で分類されてるのかな?

あ、カッコいい狼型の魔物でフェンリルなんかもいたよ? あんまり強くないらしいけどね。


後は料理も教えられたなぁ。

でも日本人の男性ってやらないだけで結構料理上手が多いらしいよ。

味付けとか結構うまくできるみたいで。

私もその例だった。今じゃ女の子だけどね…。

技術はネアの手伝いしている間に大分上達したよ。ふふん。

ちょっと誇らしい。


後はやっぱり魔法と【ポーション】作りだね。

この二つは並行して学んでる。

というのも【ポーション】作りは意外なことに【魔力】が必要だったからだ。

【調合】する時にビーカーに【魔力】を注ぎ込んで薬草の粉末を魔法の液体に変えるという工程があったからだ。

この【魔力】は誰が注ぎ込んでも同じなんだけど、分量の調節なんかは難しいので、誰でも【調合】できるという訳ではないようだ。

だからいっぱい知識が必要になる。

薬草の図鑑を大量に渡されて、この勉強が一番つらかった。


最後は魔法だ。

これは楽しくやらせてもらいましたとも。

学び始めた初日の失敗は《ウォーター》という魔法が、持続的な魔法だったことが理由だった。

一発の攻撃的な魔法と違い、ただ水を出すだけというこの魔法は【魔力】さえあればいくらでも水を出してしまう。

基礎的な魔法でもあるが、思わぬところに落とし穴があったわけだ。

魔力操作は必須だ。

必死で覚えたね。命にかかわるもん。

【火】の魔法も覚えたよ。

この魔法を覚えるときは、まず【水】で『体から離れた位置に発動する』という技術を学んだ。

体から【魔力】を放出するのは一緒でも、この技術は【魔力】を自分の外に飛ばして、一か所に留めておく必要があるから結構難しい。

霧散したら失敗しちゃうしね。

とりあえずそれもできるようにはなった。

まだ【下級魔法】しか覚えてないんだけどね。

【中級魔法】は難しいのだ。

単に威力が高いだけかと思えば、『ただそこに出す』というだけの【下級魔法】と違って『方角』『速度』『発動のイメージ』など、複雑なイメージが必要なのだ。

正直かなり難しい。

まだ知識さえあれば、練習で出来る【ポーション】作りの方が楽かも。



まあ、そんなことがあり、私はかなりこの世界について学んできたと思う。

今では暇があれば【ポーション】を作っている。

え? 魔法はどうしたかって?

ちゃんと練習はしているよ。うまくできないだけで。

ほら、なんとなくできるものからやりたくなっちゃうことってあるでしょ。

あれあれ。

今作っているのは【爆炎ポーション】というものだ。

ちなみに名前は『爆炎』だがそれ自体では意味がない。これは相手に掛けてから【火】の魔法を当てると【下級魔法】なのに【上級魔法】レベルの威力になっちゃうという代物だ。

図鑑で見てみたところ、なんとネアが家の周りで栽培している薬草達で材料が揃ってるじゃないですか。

これは作ってみるしかないと思ったわけです。


「フフーン♪ フゥフ、フンフン♪」


最近は鼻歌交じりにこうした作業をすることが増えた。

ネアがそうしているから真似て始めたが、なるほど、やってみるとなかなか気分がいい。

まずトウガラシを粉末にして(なぜ食料という突っ込みはなしで。さすがファンタジー)、次に火薬草をビーカーに入れて魔法の液体に変える。この時も魔法と同じく適量で【魔力】を注ぐのがベスト。

あとは魔法と一緒で《液化》という【魔法名】を唱える必要があるのだ。これも魔法の一種だからね。

ここでもう一本のビーカーを用意する。

そっちには【マジックポーション】でも使用する魔力草を《液化》して、そっちと火薬液の両方にトウガラシの粉末を入れて混ぜる。

同じ素材を入れることで、後で調和しやすいのだ。

他にも麻痺草や毒系の草をいくつか決まった側のビーカーに《液化》を行いつつ混ぜていく。

最後に投入するのが一番珍しい薬草でアンブラという名前の草だ。

これは島のような海に近い気候でないと育たない。

二つの液の仲介役に使うのだ。

これは粉末や液にはせず切ってビーカーの中に入れる軽くかきまぜたら、もう片方の液も注いでもう一度かきまぜる。

すると色がだんだん変色してくる。

紫色に。この時急いで魔力を注がないと失敗してしまうから注意だ。


「―――《液化》!」


最後にアンブラの液化も行って。


「できた」


ビーカーの中に赤い液体が出来ていた。

【爆炎ポーション】の完成だ。


「やったああ!」


あとはこれを瓶に注いで、うん、オーケー。

でもこれは隠しておこう。

見つかったら絶対ネアに危険だって怒られるから。

よし、他のもやってみよう!


って、なんか【ポーション】ばっかりだ。


題名のように、どっちかと言えば【ポーション】が主体です。

一応魔法の出番も想定しています。

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