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私の平穏はどこにある!?   作者: 崎坂 ヤヒト
四章
39/45

短き平穏の終止符

更新遅れてしまってすみません。

新章に入るとどうにも先の展開を考えないといけないので遅くなってしまいます。

今回分量はいつもより少ないです。

それと。

10万PV突破しました!\(^o^)/

ありがとうございます!

陽気な日差しが差し込み、辺りには鳥の鳴き声が聞こえる。

私は馬車の上でそれを聞きながらぼけーっとしていた。

あ~、平和だ~


「おい。流石に緊張感持てよ。まだ街着いてねえんだぞ」


隣で屋根に顔を出したカーダが何か言ってるけど聞こえない。

だって。


ザシュザシュ

シュパッ


「ぬおおっ、獲物でござるぅ!」

「ふむ。こんなものか」


現れる敵さんをあの二人が黙視できるようになる前に片付けてしまうからやること無いんだもん。

馬車と合流出来たのは三日前のこと。

商隊の皆は最初、クロロを見てパニックになった。(当然ですね)

クロロが安全だと説明するまでそれはもう時間を要しましたよ。

クロロを撫でて見せた時は皆絶句してたね。

それからミーアと凜のことは知ってたみたいで後は雅だっけ?を紹介した。

雅は一目散に馬車を助けたこともあってか、皆結構好印象だった。ちっ。


皆騙されないで欲しい。その人は危険なんです!



ああ。今も調理係のミーファさんが笑顔で倒した魔物のお肉貰ってるし。

あ、ちなみに魔物のお肉は食べれますよ。

質の悪いものもあるけど、大概のやつは旨味ぎっしりで美味しいものが多い。

今雅が引きずってきたのは一本の角の生えた猪で。名前は《トリファン》とか言ったかな?

牙二本と一本の角でトリプルに見えるからとか……考えたの日本人な気がするのは何故だろう?

ド○ファンとかと掛けてたりして……あっちはゾウだから違うか。

まあ食材のことは今は置いといて。


私が馬車に合流して最初に行ったのは、皆の治療。

と言っても、私自身も結構ボロボロで一人ずつ見ていく体力も無かったので【ハイ・ポーション】配っただけなんだけど。

欠損とかなくて良かったよ。

一応ハイポはあげたのではなく売ったのだけど。

……格安お値段で。

緊急時だったこともあって相場の半分くらいでふんだくられた。

持ってけ泥棒とか言いたくなった。


その後効果を見たヘンレさんが相場のお値段(店に売る場合)で買い取ると言ってくれた時は嬉しかった。

ハイポはめったに手に入らないから貴重なんだとか。

私はハイポくらいならザクザク作れるのだけど……。


ちなみに【ハイ・ポーション】の作り方は【ポーション】とそんなに変わらない。使う材料が上質な薬草と鮮度の高い水であることと、製作時の魔力の扱い、ビーカーの中身が変色するタイミングを計る上手さで変わる。

だから下手な人はいくら上質な薬草を使ってもハイポにならないし、上手い人はじゃんじゃん作れる。

【ポーション】は緑、ハイポは青くなるから違いはすぐに分かる。


私の場合【神速作業】でばばっとやってしまうが、タイミングに関してはビーカーに加える火力調節すれば早められるので得に問題はない。

最初の頃はアルコールランプでやってたんだけど、最近は火の魔法もそこそこ使えるようになったのでそっちでやっている。

慣れるとこっちの方が扱いやすいんだよね。


と、脱線したけどそんな訳で私は合流するやいなや、大忙しでくたくたになり、それからもいろいろあって精神的に疲労困憊。

今ようやく一ごこちついてるところだ。


クレスさんとかジャンクさんとかヘンレさんとかが本当に面倒だった。

特にクレスさんがミーアにつかみ掛かろうとした時が一番問題で、怒気をはらんだクレスさんにミーアは泣き出すし、クレスさんはいつまでも怒鳴ってるしで本当に大変だった。

クレスさんて仲間、特にメリーさんのためとなると我忘れちゃう人だからなぁ。

最終的にそのメリーさんに「子供にあたるなんてっ」とめちゃくちゃ叱られ……ボコられ? ていたけど。まあいいよね。

ミーアの場合、本人に全くその気はなく、クロロはミーアを守るために戦ってた訳だし。

それに仕掛けたのはクレスさん達なのに、クロロがミーアの使い魔だと分かった途端に当たり散らすってどうよ?

大人気ない。というか格好悪いよね。

という訳で私はミーアをあやして、クレスさんのことはちょっと嫌いなるというエピソードがあったりする。


まあ、それはおいといて。


リックについて話したいと思う。

彼、結構すごいはずなのに影薄いところあるよね。

で。そのリックだけど重大発表があります。

………目を覚ましません。

いや本当にね。ガチで。

怪我人だからひっぱたく訳にもいかないし。目を覚ますのを待つしか無いんだよね。

カーダの話だとリックが一番ヤバイ状態だったらしいから、そのせいだと思う。

こればっかりはねぇ。

傷はしっかり跡が残らないように治療したし、やることは全てやった。

もう、私にどうこうという話じゃないのだ。

まあリックのことは考えても仕方ないから一先ず置いておく。



ミーアの話をしよう。

ミーアは、角がぽっきりいっちゃったせいか、普通に人間だと思われてる。

ウールはミーアとべったりだ。私が名付けたのに、ミーアの方が懐かれてるのはなんか微妙な気分になる。

私にはハクがいるからいいもんねっ(ちょっとやさぐれ)

ミーアとウールは馬車の中で遊んでいる。

お姉さん達も集まって和やかだ。

私も混ざろうかと思ったけど、疲れそうだからやめた。

今はのんびりしたい。


後はハクについて。

ハクは魔力を食べる。

一日3000くらい食べるから【マジックポーション】は必須だ。

私以外からだと嫌がるんだよね。

そしてハクは最初、私の手に乗るくらいのサイズだったのに両手でないと持てないサイズになってしまった。

やっぱり赤ん坊だから成長早いのね。

ミーアが言うには急な成長は十日もすれば収まるらしい。

サイズで言うと私の両肩に尻尾と頭をそれぞれ回せるくらいで一回ストップ。

そこからゆっくり成長するそうだ。

そこまでいくと魔力ではなく固形物食べるようになるらしいからそれまでの辛抱かな~。

ちなみにハクは角の裏辺りを撫でてあげるととても喜ぶ。


キュキュ~♪


ブリザードドラゴンだけあってちょっと冷たいんだけど、鳴き声可愛いからついついやっちゃうんだよね。

私のひそかな癒しタイムである。


そこに私の癒しを妨害する者が現れた。

いや、妨害っていうか……。


「ニャアアアアアアアアアアアア!」


縦に黒くて太い線の入った物体が回転しながら突っ込んできた。

真上から。

ソ○ック!?


「――《ウォーターシールド》」


私は頭上に水の盾を作って受け止める。

ある特定の方向に限定して防御する魔法だ。

位置は完全固定だが、防御力の高さと魔力効率のみで言えば手持ちの中で一番いい魔法である。


「むごっ!」


盾に突撃したその物体は、そんな声をあげて盾の上に張り付けになった。

魔法を解くとそれは馬車の上に落ちる。


「ニャッ……にゅー」


よく見るとそれは人だった。

なんかスカートの中から黒い動く棒が出てる。

これもしかして尻尾?

えーっと…。


ギュッっと


「ニャアアアアアアアア!?」

「あ、ごめん」


つい好奇心で掴んでしまった。

ものすごい拒絶反応。


「にゃ、なな、な、何するの!?」

「うん。その前にあんた誰よ? なんで空から降ってきてんの?」

「ニャッ? 降って……あっ! お願い助けて!? ミルト君が大変なの!!」


その少女には見事なネコミミが生えていた。

黒い髪の毛に黒い耳。いわゆるクロネコだろう。

獣人を見たのは初めて……ていうか、近っ!

なんで迫ってきてんの!?


「近い近いっ! ていうかミルト君て誰っ! 説明プリーズ!」

「にゅっ! 助けてくれるの?」

「いや……助けるとか以前にあんた誰って状況なんだけど。理解してますか?」

「お、お願い! ミルト君を助けて! 変な人達に捕まって、怪我してるの!」

「変な人達……って、ひょっとしてあれ?」


私は馬車の後ろを見る。

そこでは縄でぐるぐる巻にされた盗賊達が引きずられている。

騒いでうるさいので、今は全員猿ぐつわ装備中。

正直、扱いは盗賊よりも悪いかもしれない。

ちなみに馬車五台それぞれについていて、いったい誰がこんな酷いことを……と言ってもらえそうな状態になっていた。


はい。もちろんやろうって言ったのは私です。

最初はクロロに運んでもらおうと思ったんだけど、クロロ街に近づけるのは危険と判断して引きずることにしました。

ロープはいっぱいあるんだよ。旅のために準備してきたからね~。

本当は野宿時の罠用だけど。


「ニャッ!?」


ネコミミ少女はそれを見て心底驚いた顔をする。

それから目をパチパチして。


「お願い! 一緒に来て!」


思いっきり土下座してきた。

私はその光景に。

(………また面倒なのが舞い込んできた)


と思うのだった。


今回は伏線回なのでストーリーに大きな動きはないですね。

それと町に到達してないですね…。

すみません! おそらくもうちょっと先っ。この章のうちには到着する予定なので待ってください!

ちゃんと町についてからの話も考えてありますから!

という訳で今後ともお付き合いのほど、よろしくお願いしますm(__)m

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