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私の平穏はどこにある!?   作者: 崎坂 ヤヒト
三章
33/45

魔王娘と森の中での一時(遭難してることを忘れました)

ブックマーク150突破!

嬉しいです。ありがとうございます!

そして奇跡! 二日続けて投稿できました!

今回も結構長い話になりました。これからも投稿する一話の分量は増えると思いますがどうかお付き合いください。


※カーダ視点

俺は現在、並んでいる馬車の間を駆け回っていた。


「はあっ、はあっ。おい!」


そこには全身に怪我を負ったリックが運び込まれて来ていた。

「大丈夫か」と叫ぼうとした俺を、リックの前に座ったメリー姉ちゃんに止められる。


「怪我人の前よ。静かに待ってて、集中できないわ」


メリー姉ちゃんは馬車に残ったメンバーの中で唯一の回復魔法使いだ。

でもメリー姉ちゃんは《ヒール》までしか使えねえし、リックの怪我の具合を見るとそれで治るとはとても思えなかった。

クレス達もそうだったが、メリー姉ちゃんがしているのはあくまでも一命を取り留めるための治療であって、完治させるものではない。

それにメリー姉ちゃんは魔力も実は千ちょっとの平均で、今も《ヒール》を使うのにじっくり魔力をねらなければならないほどに魔法の使いは下手だ。


実際にはこの世界の術師のほとんどはメリーくらいの年齢では回復魔法は使えないという者が多く、また、中級の魔法が使えれば才能があると言われるレベルなのだが。カーダは魔法といえばメリルやリックの使っているようなものばかり見ていたため基準が高くなっているのだ。

しかし、それに本人は気づいていなかった。

(メリルがいてくれればな)


きっと彼女ならこのくらいの怪我は一瞬で直してしまうだろう。

しかし、まだその肝心のメリルの方が見つかっていなかった。

メリルを除けば、怪我人はリックで最後だ。

リックはあの場から吹っ飛ばされて、森の木に激突して木を失っていたらしい。

頭から血も流していて、すぐに前にメリルから買ったという【ポーション】をかけて止血したが、顔色は悪いままだった。

発見した冒険者の任ちゃんたちに話を聞くと、リックを見つけたのは森の中でもかなり深い場所らしい。

どうやらメリルはリックよりさらに遠くに飛ばされてしまったみたいだ。


「俺は行くぜ」


俺は当然メリルを探しに行くことを告げ、装備を整える。

危険だという反対意見もあったが、無視した。

今回見つかったリックでさえ、見つかったのは森でも大分深い位置だった。

メリルも近くにいると思われたが、周囲には姿どころか痕跡一つも無かったらしい。

そこまで入ってしまえば安全性の保証は全くない。

護衛の中には俺について来るという奴はいなかった。

皆メリルのことは心配している。それに嘘はないのだろう。

だが


『命を賭ける』覚悟をするほどではない。


それがその場にいる全員の総意だった。

確かにメリルの存在は大きい。

可愛いし、飯は旨いし、頭だって俺達三人の中では一番だと思う。それに、今一番欲しい回復魔法を、メリー姉ちゃんよりずっとうまく使える。

現状の治療だって、回復魔法よりメリルの作った【ポーション】の方が効果が出ているのだ。

それでも皆が動かないのは、きっと『アイツ』がいるからだろう。

俺達を死にかけさせたダークワイバーン。

凜の話では、結局仕留めきれなかったらしい。

俺達が気を失ってからも戦闘は続いたらしいが、凜が防戦へと切り替えたのを見てすぐにきびすを返したという。


「まるで用事を済ませたから帰る、とでも言ってるみたいでござった」

「用事、な…」


ワイバーンがどういう意図でそうしたのかは分からない。

ただ、ある程度の知性がある相手というのは何となく分かった。

向こうにもきっと、何かしらの決まりがあるのだろう。

メリー姉ちゃんに聞いた話では、あのワイバーンは本来、こちらから仕掛けなければ襲われることはないという話だ。

(きっと、コイツが襲われなきゃならない何かをしたんだろうが……)


「なんでござるか?」

「……はぁ~。なんでもねえよ」


俺はなんでかいる凜から視線を逸らした。

ガキに文句を言っても仕方がないだろう。

俺は立て掛けられていた自分の大剣を抜いて。


ボロッ


(マジかよ)

大剣はボロボロに砕けていた。

きっとブレスと大魔法からくる衝撃に耐えられなかったのだろうが。


「まじいな。メイン武器が使えないのは大きいぞ」

「おー、確かに。見事なまでにボロボロでござるなぁ」

「半分はお前のせいだけどな。……仕方ねえな。ロングソードだけだと心許ないが、この際贅沢は言ってられねえし」


俺は大剣以外の装備を整えて、剣と同じくボロボロになっちまった革鎧をスペアに変えておく。

大剣にスペアを用意しなかった事を悔やまれるが、最低限の防御が出来ることに一先ず感謝しておいた。


「おしっ」

「うむ。では行くでござるよ」

「あっ?」


俺は凜の行動に驚いてそんな声を出した。

凜は俺の体をよじよじと登って来ていた。


「おまっ、何して」

「せっしゃは魔力がなければ自分で歩けんでござるからなぁ。カーダ殿の背に乗って行くでござるよ」

「はあぁっ。魔力使えねえならただの重りじゃねえか。なんでそんな奴連れていかにゃならねえんだ!」

「師匠を紹介するでござる」

「………はぁ?」


俺が首を向けようとすると、凜は既に俺の首に手を回し終わっていた。


「師匠は気配探知の達人なのでござる。だからせっしゃがどこにいようと必ず見つけてくれるのでござるよ」

「つまり、その師匠と合流すればメリルの気配も辿れると?」

「そういうことでござる。師匠は睡眠を取るときは必ず森の中と決めているのでござるよ。一度寝たら丸一日起きないでござるが、そろそろ目を覚ます時間でござる」

「どんな師匠だそれ……」


でも、まあ何もないよりはいい。

一先ず方針としては第一にメリルを探す。これは変わらない。

しかし、その途中どうにかして凜の師匠と合流して一緒にメリルを探してもらう。


「ってことでいいよな?」

「いいでござるよ。せっしゃも師匠にすぐに見つけてもらえるように、気配を放っておくでござる」


気配って放てるものだったか? という突っ込みはこの際抜きにした。

目的はメリルを見つけることだからな。

(ぜってえ見つけてやるからな)


俺は意志を固めて、森へと乗り込んで行った。



※メリル視点


「わしは魔王の娘じゃっ」と言う少女と出会った私は、現在ワイバーンと御対面中です。

とはいえ、別に険悪なムードはもはやなく、ワイバーンは私からお肉を受けとって美味しそうにパクついていた。


ガァ~♪


「美味しいかぁ。そかそか」


……うん。私、何やってるんだろうねぇ。

今、ワイバーンにあげているのは【アイテムボックス】に入っていた食材を軽く調理したものだ。

ウルフ達もご機嫌である。


そもそもの始まりは自分のことを魔王の娘と名乗る少女。ミリーシア・デルロード・サティアちゃん。愛称ミーア。が、く~という可愛いらしいお腹の音を鳴らしたところからだった。

私の【アイテムボックス】には食材も道具もすべて揃っているので、作るのには問題ない。でもお腹を空かせてるから、じゃあ何か作ろうか? といきなり言うのはどうなのだろう。というものである。

でも。


「お腹空いたのじゃ…」


うん。小さい子のこの発言はちょっとずるいよね。

どうやら今日はいろんなものに追われて、ご飯をまともに食べられなかったらしい。

ちなみに普段何を食べているのかというと。


「木の実じゃ。いつもお昼寝に使っているところに生えておる」


しかし、今はそこを追われてるから食べ物にありつけないのだという。

ていうか木の実だけって……。

栄養の片寄とかまるで考えてないな。

で、仕方なく私はフライパンと食材を取り出して簡単な食事を作ることに。このくらいの子が喜びそうなものと考えて、卵とミルク。それと食パンでささっとフレンチトーストを作った。

お砂糖もいくらか加えておく。

火はコンロの代わりに空中に【火】の魔法を浮かべて使った。

森の中だと危ないからだ。魔法も調節が難しいけど操作をミスらなければ引火することはない。


「はいっ、どうぞ」

「お、おぉっ。甘い匂いがするのじゃ」

「まあ、お腹いっぱいにはならないだろうけど。食べてみて」

「うむっ」


フォークを渡すとミーアは嬉しそうに頬張った。


「ん~♪」


ウルフ達を椅子兼腰掛けにして、フレンチトーストを食べると、足をパタパタさせてそのおいしさを表現する。

その様は年相応の可愛さがある。


「甘いのじゃ!」

「良かったね。ほら、冷めないうちに残りも食べて」

「うむっ」


それからミーアはパクパクとフレンチトーストを口に放り込んであっという間に完食してしまった。


「美味しかったのじゃ」

「それは何より」


私は空いたお皿を受けとって、魔法で出した水で洗い流す。

やっぱり【水】の魔法は便利だ。

……ってそうだ。


「ミーア。ちょっといい?」

「なんじゃ?」

「ちょーっと口開けて、あーってやってみて」

「? あー」

「………やっぱり」


私は【アイテムボックス】からすぐに使ってない歯ブラシを取り出した。


「にゃっ。そ、それは」


ガシッ


「ほーら逃げない。やってあげるから。それに汚いままだと病気になっちゃうよ」

「い、いやじゃっ。それはいやなのじゃ!」

「やった後は気持ち良くなるから。ほら」

「にゃー!」




うん。途中からちょっとおかしかった。というか説明仕切ってないね。

ミーアがあまりにも普通の子供らしい反応だったので、母性本能みたいなのが働いたのだ。

元が男の子(もはや一応の状態)のだ私だけど、ネアの教育と12歳になったくらいから芽生えた性の実感から、精神的にも肉体的にもほぼ完全に女の子になっている。

可愛いものは好きだし、小さい子に愛着だって沸く。

特にミーアは世話が結構焼ける子みたいだから余計にだった。

あ、ワイバーンとウルフのご飯は物欲しそうにしてたのであげてただけです。

特にワイバーンのご機嫌は取っておかないとね。

ちなみにミーアの歯磨きをしていたとき、ワイバーンは普通に傍観していた。

この子、私がミーアに危害を加えるつもりではないというのがちゃんと分かってるみたい。

私はそれから汚くなってる体を魔法で洗い流させ、石鹸で綺麗にした後一応持ってる【裁縫】のスキルと【神速作業】によって私の服を一つ改造して着替えさせた。

もう何日も同じ服を着てたみたいで、すごく臭かったのだ。

ここまでやって、私はようやく一息着く。


ガァ


何となく『お疲れ』と言われてる気がした。


「もしかしてあなたも気にしてた?」


ガァ コクコク


ふーん。やっぱりワイバーンも知能高いんだね。

で、肝心のミーアはというと。


「くたくたなのじゃ~」


つやつやの髪に真っ白な肌で、ヒラヒラの上着を改造して作ったワンピースを着込んでぐったりしている。

頑張ったよ私。

何故やったのかと聞かれれば何となくとしか答えられないけども。

ついでに私もビリビリの服を着替えて体も綺麗にしておいた。

やっぱり乙女は清潔が大事でしょ!(人に出会ったことと、それが子供だった事で自身が遭難していることを半ば忘れています)

さて。一通りの用件(本来は必要ない)が済んだことで本題に入ろっか。


「ねえ、ミーア」

「んぅ。なんじゃ?」

「ミーアはなんでこんなところにいるの?」


え、そっち? と思うなかれ。これ結構重要な事なんだから。

まずミーアには自活能力がない。

これは今、私がミーアに施した一例を見れば明らかだ。

食事が木の実だけというのも、彼女が野性児的な生活に慣れている訳ではない裏付けになる。

そんな自己管理も出来てない子供が何故こんなところにいるのか。

問いただしてみれば簡単な理由だった。

『家出』

お父さんが構ってくれなくてさびいから家出した。

自分がいなくなって、せいぜい慌てればいいのじゃ、とは追加の言葉だ。

なんとも可愛らしい理由だ。

ただ、普通の子供ならお腹を空かせてすぐに帰って、ごめんなさいだったのだろうが。

……彼女の場合はちょっとスケールが大きい。


一番の問題は彼女が『魔王』の娘だったこと。

そして【闇魔法】と、魔物の使役に優れた才能を持っていたことが大きい。

ダーク・ワイバーンであるクロロはミーアのお父さん(魔王)が五歳の誕生日に捕まえてきたという。

ミーアは【使役】【魅了】というテイマーとして優能なスキルを持っていたこともあってすぐに仲良くなった。

そしてクロロに乗って空を飛ぶという遊びを見つけてしまったのがいけなかった。

二年後。現在七歳のミーアは仕事で忙しくて全然構ってくれない父親に腹を立てるようになった。

そしてクロロに乗って遊んでる振りをして家出をしたのだ。

ちなみに家出に踏み切った理由は「父様が約束を破ったのがいけないのじゃっ」というもの。ちなみにその約束の内容は話してもらえなかった。

その後ミーアは家出先としてお父さんと何度か訪れたことのある竜の谷。クロロの故郷へと向かった。

そこでミーアは竜達に歓迎してもらい、色々世話をしてもらっていたらしい。

お土産に卵も一つ貰ったそうだ。

自分の子供じゃないのか? とも思ったが、彼女等は『そういうもの』という共通認識で特に不思議に思っていないらしい。

ここら辺は価値観の違いだね。

しかし、そんな竜達がこっそり父親と念話で確認を取り合っていたことを知ったミーアは激怒した。

そして何の準備も無しにクロロに乗ってここまで飛んで来て、今はウルフ達とモフモフ生活をしていると。

うん。ちょっとスケールを小さくしてみよう。


一人の村娘が父親と喧嘩して家出した。

友達の家で数日お世話になった。でも親同士で自分のことを話しているのを目撃。自分で来ないことに腹を立ててそれなら簡単に見つからない場所に行ってしまおう。森の中。ろくに生活できない。わぁ~ん。

と、こんな感じだ。


まあ、一人じゃないってところがまだ救いだけどね。

でもだいたいこんな所だろう。

とりあえず。ミーアは森から連れ出す。

これは確定だ。

どう考えても彼女をこのままにしてはいけないだろう。

と。私の中で一つ方針が決定した所で。


はぁーい。この世界の魔王様口座~♪ パチパチパチ~

ちなみにテンションに関しては突っ込み無用だ。

先ほどから普通に『魔王』という単語を使っているけど、『魔王』っていえば世界の支配者! みたいにみんな思ってるだろうからそこら辺訂正しておこうと思う。

この世界の魔王というのは御伽話に出てくるような悪者ではない。決してない。

魔王とはその名の通り『魔』の王様。つまり魔族が住む魔界を統治している王なのだ。

ちなみに魔王は五人いて、それぞれが領土を持っている。

それぞれの魔王には違った役職があり、今回、ミーアのお父さんである【境界の魔王】は人界と魔界を隔てる大山脈。通称、竜の谷に砦を築き、交通の制限を行っている。

その砦以外の場所にはドラゴンさん達が住んでいて、山脈が大陸を真っ二つに分けるように続いているために通過はほぼ不可能。通りたかったらドラゴン倒してね。超強いけど。

そのため砦兼魔王城である城が唯一の人界と魔界を繋ぐ通路になっているのだ。

ただし、人界から魔界へと行く通路は人間は断固お断りで全員カット。魔界には人間を入れないというのが決まりだ。

魔界から人界へ行くのも人とほぼ同じ姿をしてる魔人と呼ばれる種族と、人間に化けることができる変身魔法を身につけた者のみという厳しい取り決めがある。

さらには精神審査も行って、魔王にこいつは大丈夫と印鑑を押してもらわなければならないのだ。

そのため、人界にこれる魔族はほとんどいない。いても人間に人外だとばれないようにしているので気づけないのだが。

他の魔王は魔界の治安制御やら代々続く建造物の守護やらと決まった役割を担っている。

半年に一回は全員で集まって会議も開くのだとか。

という訳で。


魔王はただの王様です。

統治しているのが魔界というだけの。

世界征服とかまったく関係ありませんね。

以上、この世界の魔王様についてでした~。



私はネアから教えられた↑の知識を持って魔王が別に危険な存在ではないというのを知っているので、ミーアを無事にお家に送り届けようと思います。

なんとなく、帰れと言っても帰りそうにないからね。新しい目標決定っ。

山脈は迷宮都市からも結構近いから一緒に連れて行ってしまおう。

まずはクロロに乗って森を出ようか。


「それはだめじゃっ」

「え、なんで?」

「まだ落とした卵が見つかってないのじゃ。それが見つかるまでは絶対に森を出ないのじゃ!」


そういえばドラゴンから卵をもらったって言ってたっけ?

うーん。でもなぁ。


「とりあえず、それが見つかればクロロが森の外まで運んでくれるんだよね?」

「……う、うむ。そうじゃな」

「じゃあその時にミーアも一緒に来てね。どっちみち、自分じゃろくにご飯もありつけないんでしょ」


一応の確認としてもう一度聞いておく。

なんとなく『それまでは』と言っておきながらずっとここに留まりそうだったからだ。

そして案の定、ミーア言い訳を始めようとする。


「む、むー。木の実くらいは」

「それだけだと…死ぬよ?」

「!」


なんか『そうなの!?』みたいな顔してるけど本当だからね。

とくにミーアはまだ子供だし。


「う……ぬぅ~。わかったのじゃ。メリルと一緒に行くのじゃ。あっ、そしたらメリルのおいしいご飯が毎日食べられるのかの? あれは城にいた時に食べたどんな料理よりも美味かったのじゃ!」


急に元気になった。

端から家に素直に帰る気はなしかぁ。なんか苦労しそうな予感がする。


「じゃあ、とりあえずその卵を探そうか。

―――《ウォーターズ》」


再び現れるスライム達。

気配探知に優れているので卵に適応するかはわからないけどこの子達に探してもらおう。

指示して、散っていくスライムを見つめる私たち。


「便利じゃのぉ、その魔法」


ミーアは、いいなぁーという感じの視線を送ってくる。

戦闘力はないんだけどねー。

実際、魔物の強化支援ができるミーアの【闇魔法】の方が戦闘時には役に立つ。

私の【水魔法】は主に生活魔法として使っている部分が多いからだ。

水の種類も純水から飲み水まで好きなように性質を変えられるし、汎用性はめちゃくちゃ高いといえる。

火力不足という点を除けば…。

実際、私が一人でワイバーンと戦ったらまず間違いなく勝てない。

おそらく防御に徹して時間稼ぎが関の山だろう。

まあ、そうしたらクロロの場合は見逃してくれるんだろうけども。

この仔逃げる相手は追わないようにしつけられてるみたいだし。


さあ、あとはスライムたちが卵を見つけてくれるのを、祈って待とうか。



※メリルが軽い感じで危機脱出している時のカーダ達


「くっそ、次から次へとしつけえな」

「うーむ。やはり気配を放つのはまずかったでござるなぁ。魔物が一杯でござる」


凛の放った気配によって、気付いた魔物たちが視界一杯に押し寄せてきて乱戦状態に陥っていた。


「昨日はまるで魔物に会わなかったでござるが。もしかしたら隠れてた魔物たちが師匠に追い回されたのかもしれんでござる」

「お前の師匠は本当に何者だ! ていうか寝てるんじゃなかったのかよ!?」

「師匠は寝てたほうが凶暴でござるよ?」

「はあ!?」




※その頃の師匠さん


「くーすぴー」


まだ寝てた。

周囲の木々は根こそぎなぎ倒されて、もはや丸裸である。

そんな中、暴れすぎてほぼ半裸の少女がふらふらと刀を持って歩く姿は異常な光景といえた。

まあ、その顔が完全に寝顔なのが一番の異常ではあるのだが。

そんな少女の足がコツリと、何か硬いものを蹴飛ばした。


それは白く大きな――――――――卵だった。


「すぴー、すー」

幼女増えたぁ~。

まあ大体年齢でいえばメリルもロリには入ると思うのですが…何分主人公達は精神年齢が高いのでよく忘れがちになります。

え? 十二歳はもうロリじゃない? すみません! その辺よくわかんないです! 基準とかあるなら参考に教えてください。

キャラは単純に幼そうな年齢から始めればいいや、で主人公。小さい子、精神年齢低い普通の子を書こうという乗りでミーアを書いたので微妙だという方はご指摘ください。……凜は小さいチートキャラで考えただけですね。「あの体のどこにあんな力が」みたいな。お陰でロリ枠が二つになりましたが。

さて。作者の適当なキャラ作りの話はこのくらいにして。次回はついに凛の師匠が登場です。

どう考えても問題しかない人物ですが、メリルたちがどうにかしてくれることを祈ります。

それではまた(・∀・)/

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