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第三話

なかなかのってきている?のでがんばってます!

さて第三話どうぞ!

「おかあさん・・・」


 ……さて、いきなりですが訳の分からない状態になっています。

 気配は薄くしたままで周りにはいるけどいないような状態のはずですよね。

 証拠に周りの人も気にせず通り過ぎていきますし


 ……目の前のこの娘(・・・)以外には


「……えっと私は男なのですけど?」


 そういうと大きな目をパチクリさせマジマジと眺める。

 そうしてしばらくし見つめ合ったあと、思い出したようにコテンと首を傾げる。

 喋ってはいないのだが「誰が?」とさえ聞こえてきそうだ……


「えっと、そのお母さんはどこにいるのかな?」

「・・・」


 そう聞くとゆっくりと、目の前まで手を挙げて指を差す。


 ……指を指した先には当然私がいるのですが

 というか後ろには誰もいませんし。


「おかあさん、おんぶ・・・」


 どうしたものでしょうか……と思いつつも後ろを向いてしゃがむ。

 当然背中に重みが加わり、のったのを確認してから立ち上がる。


 思わず出てしまった行動だが降ろすに降ろせない。

 背中から規則正しい呼吸、つまるところ寝息が聞こえるからだ。


 ……というかもう寝てしまったのですね


 力が抜けてずり落ちそうになるのを支える。

 自分の胸の位置よりも小さく、身長は百四十あるかないかであろう。

 綺麗な黒髪を肩より少し長いところまでながしている。

 それでいて近づきがたいような雰囲気のある不思議な娘なのだが……


 ……着ている服がこのここの高校のものですし間違いなくとも同級生ですよね。


 まったく本当にどうしてこうなったのでしょう……?












 いつも思ってしまうのですが偉い方の話というのはどうしてこう長いのでしょうね?

 入学式での校長先生からのお話、というものを聞きながら常々思う。


 国の王然り、騎士団長然り、貴族の口頭然り……


 なんと言うか(おおむ)ねどこの世界も、立場のある人は似たり寄ったりですね、などと考えてしまう。

 面倒ごとが嫌いなギルドマスターなんかは緊急時でも心構えだのいったら書記に内容説明を任せてさっさといってしまうのに。


 どこかの貴族の息子なんかは迫ってくる魔物にまで名乗りだのなんだの言いますからね。

 ……まあその代償は自らの命でしたが。

 というか狂気時期(スタン・ビート)で見境のなくなった魔物相手に言葉なんて通じるわけがありません。

 むしろ大声を出して注目を集めたせいで狙われる(まと)になるだけなのはあの世界では子供でも考えればわかるはずでしょうに。




 なおも続く長いお話を聞き流しながら周りを見れば頭が船をこいでいる学生がいるのをチラホラ見かける。

 いつ終わるかわからない話を長々と座ったまま聞いているのは辛いものがありますよね。

 他の顧問らしき立っている先生の中にも苦笑いをしている方がいますしね。




 ようやく長かった話が終わり、そのまま何事もなく入学式が終わる。


 きっちりと退場まで済ませてから解散になり入学生が解放される。

 新しく出来たのか友達と談笑したり、体を伸ばして(ほぐ)している生徒を見ながら歩いていく。


 入学式は終わったが他からの入学した生徒達はこのあと事前に計測して取り寄せた体操着や靴などを取りに向かうためだ。


 壁に貼られた案内の紙を目印に校舎内を眺めながらゆっくりと歩いていく。

 なかなか歴史のある高校らしいが、校舎が古いというわけでもない。

 聞くところによると数十年に一度の立て替えがつい最近あったようだ。


 すれ違う人も疎らになってきたところで指定の場所にたどりつく。

 並んでいる列も少なくなってきているしちょうど良かったでしょうかね、と考えながら自分も列に並ぶ。


 そこまで人もいなかったので、さほど時間も掛からずに自分の番が来る。

 あらかじめ注文の際にもらっていた書類を渡すことで、自分の用具を受け取ることが出来るので用意していた書類を渡す。

 そうして受け取ったものを持ち帰るところでキョロキョロと周りを見ながらポツンと立つ少女に話しかけたところで冒頭に戻る。











「どうしたものでしょうかね……」


 親か知り合いらしき人を探そうとは思うのですが、心当たりはない上に名前も聞いてませんでしたからね……

 そもそも私自身に知り合いなどいませんし、子供には懐かれますが流石に初対面でここまではいかないでしょう。


 というか何を思ってお母さんと呼ばれたのでしょうか……

 それはよく呼ばれてますけど同級生からとは。

 なにより今男ですし……


「……ーな!ひ〜なー!どこいったの〜!?居たら返事してー?」


 顔が中性的だからでしょうか、いや今は髪型のおかげで見えないはずですし……などと自問自答している、とどこからか人を探している声が聞こえる。


「すみません。これくらいの身長の黒髪の女の子見かけませんでしたか?……はい、そうですか」


 茶色の短髪で所々跳ねた髪型の活発そうな少女だ。

 今も近くの学生に聞いたが見かけてないと言われうなだれている。


 ……聞いている特徴からしてもしかしなくてもこの娘ですよね。


「すみませんいいですか?」

「今少し急いでるんですけど……、もしかして女の子を見かけたんですか!?」


 私が気配を薄くしているせいもあるが、その女の子がよほど心配なのだろう。

 急かすように聞いてくる。


 ……その探してるらしい女の子は私の背中で今もすやすや寝ていますがね。

 というかここまで近くで騒がれても起きる気配がしないのですが。


「えっと探しているのはおそらくこの娘ですよね?」

「え!?……あ!はいその娘です!……でもなんで貴方が?」


 見つかってホッとしたのだが、自分の背中で寝ていることを怪訝に見てくる。

 全く知らない人が、探していた少女を背負っていたのだから当然である。


 心配なのはわかりますがその視線はあんまりですね。

 思わず苦笑しながら落ち着いて説明する。


「よかったですよ。なぜかおんぶをせがまれてしまいまして……そのまま寝てしまったものですから名前も知りませんし途方に暮れていたところです」

「そ、そうだったんですか!?うわっ、すみません!すぐに預かりますね!」


 いえいえ、と相づちを打ちながら背中を向けて女の子を返す。


「ホントに済みませんでした!良ければ名前をききたいんです、けど……?あれさっきの人は?」











「やれやれでしたね」


 思わずぼやいてしまう。


 日陰でのんびりと周りを観察しながら過ごしたいので、あんまり目立つことはさけるために預けたあとすぐに立ち去った。

 ……もう殆ど手遅れかもしれませんが。


 普通に行って終わって帰ってくるだけだと思っていたのに、色々と焦ったせいか予想以上に疲れたような気がしますね。

 もちろん精神的に。


 そう思い返しながら日課のランニングに出かけるのだった。


やっと主人公以外の登場人物が!!

というかまだ二日目ですし!?

私がどうしてこうなっただよ!?


・・・流れが出来るまで、色々と登場人物やその他学校生活とかの流れが出来るまで、話の流れがだいっっっっっっぶ遅くなると思うので勘弁してくださいorz


まだまだ話が進みませんが続けていくのでのんびりお待ち下しあ・・・




それでは主人公が去ったあとの少女達の会話ですどうぞw




「ありゃ〜、お礼もだけど名前聞き忘れちゃったな〜……てかホントいつの間に居なくなってたんだろ?」

美雪(みゆき)ー!なにやってるの!?比奈(ひな)ちゃんは見つかったの!?」

「おー!|あっきー、無事見つかったよーほらこのとーり!」

「・・・すぅ」

明菜(あきな)ってちゃんと呼びなさい!見つかったのなら連絡の一つくらいよこしなさい!って……あら寝てるのね」

「いやいや、さっき見つかったというか見つけてもらったというか……」

「どういうことなの?」

「いやね?迷子のひなっちがさー知らない人におぶってもらってた上にそのまま寝てたんだよねー」

「ならその見つけてくれた人はどこいったのよ?」

「それがさー……しらないんだよね〜……」

「はい?」

「マジでいつ居なくなったのかサッパリでさー、ひなっち受け取ってお礼言おうとしたらすでにいなかったというか……消えた?見たいな?」

「……何言ってるかさっぱりだわ。比奈ちゃんに聞けば良いじゃない。ほら比奈おきて」

「・・・んむ、・・・ふぁ〜」

「おっきい欠伸(あくび)

「ちゃかさないの!……比奈、大丈夫?」

「・・・あ、アキ」

「はいはい明菜よ。それで聞きたいことがあるんだけど良いかしら?」

「・・・ふぁ〜、・・・んむ(こくん)」

「えっとあなたをおんぶしてくれた人が居るらしいんだけど、誰かわかるかしら」

「・・・?(かくん)」

「あり?ひなっちあれだって、寝る前におんぶしてもらった奴が誰かって知らないの?」

「・・・おかあさん?」

「「はあ?/はい?」」

「……女性の方だったの?比奈ちゃんの両親は居ないからまずないし私たちの親も比奈ちゃんはそう呼ばないわよね?」

「いやいや!髪の毛は大分長かったけど確かに男だって!同じ学年の制服着てたしみ間違いはないからっ!?」

「髪を伸ばした男子の同級生に心当たりは無いし……、他校からの入学生かしら?比奈ちゃん、その人の名前はなんていうか知らないかしら?」

「・・・?(こてん)おかあさんはおかあさん・・・」

「あっちゃー……こりゃダメでしょ。ひなっちこれって決めた名前だとそれ以外覚えないし」

「仕方ないわね。……迷惑かけただろうから謝りたいのだけども。幸い同じ学校の制服だったらしいし今日は入学式。他の学年との見間違いはないから直ぐ見つかるでしょ」

「うわっ!?あっきー私のこと信じてないの!?」

「日頃の行いを考えて言いなさい」

「うへっ、やぶ蛇だったか……」

「・・・みゆき、どこかいたい?」

「ん?だいじょーぶだよ、大丈夫!てか不思議だよな〜」

「なにがかしら?」

「いや、ひなっちを見つけてくれた人さー」

「それもそうね」

「滅多に人に懐かないひなっちがだよ?初対面の人と話した上におぶってもらった上にそのまま寝るとか!!」

「まったく今更だけど本当にその人が良い人で良かったわね……」

「いやいやそれよりも、もしかしてひなっちにいよいよ春が来たかー!?」

「・・・?」

「……いやお母さんとか呼ばれてる時点でそりゃないか!あっはっはっは!まだひなっちには早かったかな〜!うりうり〜」

「・・・むー、あたまいたい」

「こら、やめてあげなさい。比奈ちゃん痛がってるわよ?」

「ごめんごめん!ごめんよ〜ひなっちー?」

「んー・・・。べつにいい・・・」

「いや〜ホントこんなかわいいひなっちにおかあさんて呼ばれるなんて冥利に尽きるね!!」

「なんのよ……それに相手は男性よ」

「あ、それもそうだったわ。ま、なんにせよお礼も含めてちゃんと見極めなきゃねー。ひなっちの未来のために!(グッ)」

「大きなお世話よ、それ」

「おかあさん・・・」

「その前にまず見つけなきゃだけどな!」



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