第十一話
中々進んできたんでしょうか?
毎回ながら誤字脱字があったらよろしくですんw
凄まじい勢いで投げられた槍は、見えない何かに刺さったかのように二人の目の前で止まっている。
空中に。
そしていつの間にか止まっている槍の横に女性が立っている。
茶色の長髪でフードのついたローブを着ている。
勝ち気な雰囲気でありながら見た目は魔術師か研究者のような出で立ちだ。
「まったく呼ばれて着いてみればなんて状況だい?」
浮かんだ槍に手を添え、柄を握ると動かなかったはずのそれをバトンかなにかのように弄び、目の前で静止させる。
「せっかくの休みだってのに、ついてないねぇ……」
鬱陶しげな表情とともに向けた視線の先には、槍を投げてきた鎧が正面を向き腰に刺さった剣を抜いているところだった。
「なんだってお前みたいなのがここに居るんだい……?」
「■■■■……」
「あ゛〜……、さっぱりだね。何言ってるか全くわからんね」
居るはずの無いものに対してその理由を聞いてみるが言葉にならない、いや言葉かどうかもわからないものが返ってくるばかりだ。
「■■ッ!!」
突然吼えた?鎧が凄まじい速度でこちらに飛んでくる。
立っていた場所はその足跡を中心に陥没しておりその踏み込みの強さを物語る。
「もう少し余裕ってもんを持たないのかねぇ」
「あ、あああれっ!!!?」
「んん?」
先ほど狙われた先に居た二人の、男性の方が顔を真っ青にしながら声にならない声を上げる。
やっと状況が飲み込めてきたであろう観客の方からも悲鳴が上がる。
女性の方は机の上に立っており、恐怖からであろうか。
男性の方は椅子から落ち、地べたにへたり込んでいる状態なので自然と見下ろす形になる。
ちなみにもう一人の女性の方は揺さぶられすぎたのか、目を回して椅子にもたれかかっている状態である。
「あン?なんだい、男ならもっとしゃんとしなっ!」
そんなみみっちぃ声じゃ聞こえないよ!と続けていう女性だが男性の方はさらに顔を青くして前を向いたまま震えている。
それも当然である。
流暢に話しているが、先ほどの鎧がその速度を維持したまま持っていた剣を両手で頭上に振り上げ、今にも振り下ろさんとこちらに向かってきているのだから。
声にならない声とともに震える指で向かってくる鎧の方を必死に指差す。
「全く情けないねぇ……」
名前もわからない女性が頭に手を当てて困ったようにいうが、他の人間からしてみればそれどころではない。
いきなり現れた女性も謎ではあるが、なによりも目先の危機である。
今も向かってきている鎧の速度からどう見てもそこらの自動車より速く、音からするに本物の金属であろう塊がこちらに突っ込んでくるのだから気がきじゃない。
「ヒッッ!!!?」
誰が上げたか短い悲鳴とともに空気を切り裂きながら剣が振り下ろされる。
「我慢も出来ない子供かい?魔獣でもちぃとはマシだよ」
それとともに上がった轟音は鎧が剣を振り切り誰かを切って地面に叩き付けた音ではなく、寧ろその音とともに元の方へ鎧が吹っ飛んでいた。
土煙が晴れた先では先ほどの女性が鎧の方を見ながら、片足を突き出した姿勢で止まっている。
察するに信じられないことだがどうやら向かってきた鎧を蹴り返していたようである。
「感じ方からするに元上級騎士のリビングアーマーかね……それにしては……」
「ッ!?■■■ォォオオオオッ!!!!」
「長い年月で記憶も技術も擦切れちまったかい……」
吹き飛んで一瞬何が起こったのかわからない風にしていた鎧が、すぐさま体制を立て直す。
剣を持たない手と両足で姿勢を低くしながら着地し、またこちらに向かってくる様は理性など無い獣のようである。
「仕方ないねぇ」
ため息とともに掻き消えた女性はいつの間にか鎧の前で槍を突き刺そうとしている。
遅れてそれに気づいた鎧が剣の腹で受け止める。
「ほう?全てを忘れたわけじゃないようだね」
耳を劈くような音とともに穂先がそらされるが、いつの間にか引かれた槍からまた何度も鋭い突きが放たれる。
鎧の方も剣で受け流したり自身の篭手などでそらしながら剣で襲いかかる。
凄まじい速度で行われるその攻防は、悲鳴の上がっていた会場を盛り上げながらも息をのむ状態にする。
素人目からも見るにその速度の中で防ぎ攻める技術は現実でありながら、非現実的である。
だが明らかに優劣がある。
鎧は攻めてはいるが当たりそうな穂先をそらしたり受け流している。
相手となる女性の方は鎧の振るう剣を防がず、よけながらも攻撃し続けている。
しかも鎧の方が両手で受け流すのに対し女性のその槍を握る手は片方である。
「中々やるねぇ。そろそろギアを上げていこうかぃ!!」
「■■ッ!?」
凄まじい速度のまま拮抗していたその攻防が、女性の言葉とともに崩れる。
攻撃の速度が上がったうえに突きに混じって薙ぎ払いなどが混じってくる。
その長い槍を振り回した遠心力のかかった薙ぎ払いは、防いだ鎧を浮かせるほどの凄まじさである。
「■■■■ッッッ!!!!」
このままでは拙いと感じたのであろうか。
槍を受けたとともに後ろへ飛び、剣を両手で構え襲いかかる。
女性の方は振り切った槍がそのままであり、とてもじゃないが防げそうに無く女性はその目を見開く。
「危ないっ!?」
「■■■ッ!!」
端から見れば防ぐ方法のない女性が呆然としているように見えただろう。
周りからあがる悲鳴とともに勝ち誇ったような鎧の声?があがる。
「それは悪手だよ。とどめを刺してないのに、勝った気で居るとは……。まったくとんだ阿呆だね!」
またしてもあがった轟音だが振り下ろされた剣の先には窪んだ地面だけで誰もいない。
……いや、女性は姿勢を低くしながら鎧の直ぐ脇にいる。
「食いしばりなっ!!」
張り上げた声とともにまた凄まじい音があがり、鎧が吹き飛ぶ。
女性の姿勢もさっきと似たような形だが、肝心の鎧は横ではなく上に打ち上げられていた。
「此れで仕舞いさね!!」
最初とは逆に女性から投げられた槍は、最初に鎧から投げられた時よりも速い速度で向かっていく。
「■■ッ!!!?」
空中にいて体制が立て直せないうえに、自身の持っていた剣は蹴り上げられた時に離してしまったのか女性の足下に転がっている。
防ぐ手だての無い鎧の腹ど真ん中に槍が突き刺さる。
「■■ゥオォォーー……」
成す術無く突き刺さりそれがトドメになったのか力なく鎧が落ちてくる。
「ふぅ、やっと終わったかね」
そう呟いた女性の方にまた視線が集まると、いつの間に取り出したのか大きなトランクケースを持っている。
最初の槍のように落ちてきた鎧がなぜか空中で止まる。
そのしたでケースを広げ女性が指を鳴らすと、鎧が半回転し直立した状態のままはいっていく。
他にも落ちていた剣と槍などが浮かんでひとりでに入っていく。
目紛しい戦いと決着、そして今の目の前の物量保存の法則を無視した光景に呆然として誰も声を上げない。
「さて……」
全てがしまわれ閉じたトランクケースを持ち上げ、ゲスト席の方に目を向ける。
突然目を向けられて体をビクッとしていたのは仕方ないだろう。
「此れで満足だったかい?真衣子!!」
「もう感動だよ!すごい、大満足だよー!」
苦笑しながら声を張り上げ呼んだ先では、一人背を伸ばして手を振りながら喜ぶ真衣子がいた。
「流石ーー」
「あ、おい!!」
「ーー私の息子だね〜!!」
「「「え゛!!!?」」」
「あぁ〜、あたしゃ知らないよ……」
最後の最後でバラしでどうなるのか、先について考えると気が重くりますね。
そう、茶色の長髪でローブを着た女性は私こと、小宮 命です。
母さんに初イベントを盛り上げるサプライズの為に呼ばれていたのです。
この格好ですか?
「公式サイトにのせるプレイヤーのイメージキャラクターだよ!ミコっちゃんなら性別関わらずいけるかな〜って。いけるよね!!」
という理由でこの姿、直接作った母さんのいうキャラクターの勝ち気な性格をイメージした形で演じていたのですが……
キャラクターの名前で呼ばず息子と言ってしまえば色々と大変になりますよね。
……そういえば私もこのキャラクターの名前知りませんね、というか名前ついているのでしょうか。
私自身を知っているゲストさんはいませんしどうなることか……、と考えつつも表情に出さずゲスト席のほうへ歩いていった。
えっと初バトル?描写ですねw
ゲーム内でなく現実の方が最初になるなんてw
というかこんな感じで合ってます?
難しくてわからないけどそれっぽさを感じてもらえれば幸いですん……orz




