04 本国
日本。東京都千代田区永田町一丁目。
行政・立法の中枢機関、国会議事堂前。
そこに至るまでの道筋で、竜騎国外交官カミル・クレーマンはリムジンの車内から、その団体を見つけた。
「自衛隊はー、異世界への侵略を即刻中止しろっ」
「中止しろーっ」
「異世界への駐屯は憲法違反だーっ」
「憲法違反だーっ」
叫んでいるのは年齢も性別もばらばらだが、中には酷くやる気のなさげな人間も混じっているようだが、声は大きい。
クレーマンはいつも笑っているようだと評される細い目をさらに細めて、眼鏡を指で押し上げると、わざとらしく肩を竦めて、同席している日本政府の要人に問うてみる。
「侵略なんですか?」
ここしばらくでようやく流暢と呼べるようになった日本語に、外務省の官僚である鷹野という男は、日本人にしては高い背丈をリムジンの車内で伸ばしながら、生真面目に答えた。
「であれば、今、たいへん拙いところを貴方に見られたことになりますね」
その返答に苦笑を返す。つまり、どこにでもある光景ということだ。もっとも、政権への批判を公然と叫び、それでいて拘束もされないというのは、随分と恵まれた国なのだなと改めて感じる。クレーマンはそこに好感と嘲笑を等しく感じずにはいられない。何とも暢気なことだ。今も現地で血と命を流している兵士がいるのに、国内がこの有様。政府はそれを止めようとも諫めようともしない。竜騎国なら即刻牢獄送りだ。世界危機に対するそのような姿勢を放置すれば、内外からの批判は免れない。つまるところ日本政府は未だ、邪神竜という世界災害に関する周知を徹底していないということになる。もっとも、既にそれに関してそれとなく聞いたところでは、政府の広報機関は積極的に活動をしているが、民間が極めて非協力的であるということらしいが。それに対して強権を発動することが出来ないのが民主国家だ。平時においてそれは羨むべきことだが、もう一年と経たず、世界災害が活性化しようというこの時期に、同盟国がこの様子では些か困る。
クレーマンはひとつ頷くと、
「車を止めてください。少し歩きませんか?」
要求に、鷹野がきっぱりと首を振る。
「危険です。彼らの中には、異世界からの使者を快く思わない者も多い。何かあった時、責任は我々のものとなります」
「それならば大丈夫です。この世界で私の身に何か起きても、竜騎国は日本との関係を断つことは出来ない。つまり、あなた方が責任を放棄しても構わないのですよ」
「そういう問題ではありません。徒に騒ぎを起こして異世界の外交官に何かあれば、日本が世界から後ろ指を指されます。何より私が、客人を守れないということを我慢出来ない」
それが社交辞令であっても、鷹野の返答は極めて誠実なものだった。クレーマンは満足した頷きを返すも、
「しかし無視することの出来ない声もあるようです。私としては、公衆の面前でそれを正しておきたい気持ちがある。これは竜騎国の名誉に関わる問題ですので」
社外から聞こえる声。それに気づいた鷹野が渋い顔をし、しばらくの思案の後、
「――私も同行いたします。SPも付けますので、少々お待ち下さい」
「ええ、もちろん。我々の側からも護衛を一人つけます。それで対等でしょう」
止まったリムジンに訝しげな視線を向ける団体もいたが、その周辺で警察官が睨みを利かせている。すぐにこちらに殺到することはない。
だが流石に、ドアを開けて降り立った時には、多くの者が足を止めた。クレーマンは草色の外套を靡かせながら、それらを完全に無視して前進する。鷹野と護衛達がついてくるのを足音で聞きながら、前を行く団体にやや足早に接近していく。
「自衛隊はーっ、未知の生物を虐殺しているっ」
「これは生命への冒涜だっ、アメリカ人達がバッファローを虐殺していたことの繰り返しだっ」
「邪神竜を殺すなーっ」
冷笑を押し殺して、クレーマンはその列の先頭に追いついた。
「邪神竜は知能があるっ、鯨や鯆と同じだっ」
「自衛隊はー、邪神竜の虐殺を即刻中止せよっ」
「素晴らしい!」
突然横から掛けられた賞賛の日本語に、列の先頭にいた赤いシャツを着た男達がにわかに狼狽する。こちらが異世界の外交官であることはすぐ分かったらしく、ざわめきと共に、主張を声高に叫ぶ声が消え、代わりに何かを相談するような囁きが広がる。だが、さして間を置かず、集団の中から、派手なシャツを着た男が歩み出る。
クレーマンはその男が、このデモ隊のリーダーだろうと目算をつけて、にこやかな笑顔で話しかけた。
「実に素晴らしい主張です。しかし、邪神竜に知能があるということが何故分かるのですか?」
男の体からは明らかに暴力に慣れた者の気配がしたが、気にせず聞いてみる。
「邪神竜は魔術を使うと聞いています。ということは、あなた方異世界の人間に近い知能を持っているということではないでしょうか?」
敬語を使い慣れていることに少しだけ感心。しかしつまり、こういった論争に慣れているということだろう。まるでプロの弁舌家だ。
「しかし、だからと言って、例えば肉食獣とすぐさま話が出来るというものではないでしょう」
「だからといって殺していいということにはならないっ」
後ろから大きな声で取り巻きと思しき大男が叫ぶ。それに同調するように、リーダーの男が頷く。
「今、既に人類は肉食獣との共存を実現している。きっと邪神竜とも共存出来るはずです。自衛隊はその可能性を無視して、貴方方の世界の危機に乗じて、軍備を拡張し、日本は再び軍国主義への道を歩み出そうとしているのですっ」
熱に浮かされたような男の演説に、周囲が声を合わせる。
「そうだっ」
「軍国主義への回帰を許すなっ」
「我々は二度と教え子を戦地へ送ってはならないのだっ」
クレーマンは笑い出したい気分を必死に抑える。肉食獣が人類と共存出来る? 何を馬鹿な。絶滅寸前まで追いやって、人類の気まぐれで生存を許されているだけではないか。そして、この期に及んで「貴方方の世界の危機」などという戯れ言を言っているのには、もはや感嘆の意を禁じ得ない。引き込んだ側であるクレーマンがこう思うのも何だが、もはや邪神竜災厄は日本のみならず地球までもが共有する危機なのだ。例え彼らの軍事力が強大であっても。それすら分かっていない人間がまだこんなに大勢いたとは。いやはや。
「では、邪神竜と人類は共存出来ると?」
「その通りです」
「そもそも、邪神竜という呼び方が差別的だっ」
「彼らは邪悪なものではないっ」
「そうだっ、呼び方を改めるべきだっ」
小うるさい取り巻きは無視して、クレーマンは弁明を聞くような心持ちで、最後の問いを口にする。
「出来るのですか、そんなことが?」
「出来ます。話し合おうと思わなければ、全ては争いになってしまいます」
男が自信たっぷりに頷いたので、ついにクレーマンは笑いの決壊を止められなくなった。
大笑しながらさらに一歩踏み出してくる異世界の官僚に、一同がたじろぎを見せる。構わず、クレーマンはリーダーの手を取って固く握った。
「素晴らしい!」
笑いながら、心の奥底からの賞賛を送る。
「貴方方は、我々が五〇〇年かけても糸口さえ見えなかったことを出来ると仰る!」
「え、え?」
手をがっちりと掴まれた状態で、男が目を白黒させる。それがまた可笑しい。
「貴方方こそ、我々竜騎国が必要としていた人材です。さあ、平日の昼間からこんなところで騒いでいる暇はありません。今すぐ〈空門〉を抜けて最前線に来て下さい。貴方方の言葉なら、きっと邪神竜に通じるでしょう。さあ、あの車に乗って! 今すぐ参りましょう、もはや一刻の猶予もない! 安心して下さい、手配も費用も全て我が国が負担します!」
一気にまくし立てると、リーダーの男は明確に色を失った。逃げ道を探すようにあちこちに目を遣り、
「い、いや、しかし、すぐには準備というものが……」
「何を言うのです、話し合いで、言葉で全ては解決出来るのでしょう? ならば何も要らない。いや、寧ろ何も持つべきではない。身一つ言葉一つであの地獄に立つべきです! あの地獄を止められるのは貴方だけだ!」
「い、いや、すぐには話し合いというのは……もう少しお互いが落ち着いた状態でないと……」
そこまで言い訳を聞いたところで、クレーマンは厭きた。
冷笑の一瞥を男達に投げかけ、緊張した顔をしている鷹野達のほうに歩み寄る。近くにカメラを持った人間がいることも確認してある。もうこれ以上、無駄な時間を費やす必要もなかった。
本当に心から話し合いが可能だと信じ、最前線に赴くならば、どんな綺麗事でも立派な信念となり得る。例え無駄死にしたとしても。だが安全な場所から居丈高に、最前線に立つ者を批判する人間と論じる舌を、彼は持ち合わせていない。
「余計な道草をしてしまいましたこと、お詫び致します。国会議事堂に向かいましょう」
鷹野は呆れた顔を隠そうともしなかった。監視と誘導をしていた警官からも同様の視線を感じる。クレーマンはそれを十全に楽しんだ。
* * *
「しゃあからな? 何でただのクロスボウに余計な機能を付けたんかと訊いとるんや。一五式機械式連弩の要求仕様は、現代の技術で作ったクロスボウで、軍隊の扱いに耐えうる威力と頑丈さと整備性能、それくらいだったはずやろ?」
国会議事堂の会議室。
会合が始まる前の時間、前政権からの唯一の続投者である防衛大臣は、浮世絵の力士のような独特の風貌を縮こまらせて、目の前の、自分よりさらに恰幅のいい、しかし小柄な男の説教に付き合っていた。
「ええ、豊和工業にもそのように要求しました。他、某かのアイデアがあれば適宜話し合って決めると」
「そこや。そこで何で六連発リボルバーになっとるねん、アレ。あの余計な機構がついたせいで、もっと安う抑えられるはずだった単価が馬鹿上がりしとるやないかい」
「正確には六+一発の装弾数です、総理」
日本国現総理大臣、金田友蔵はガマガエルのような顔をさらに歪めて、訂正してきた副総理を五月蠅げに追い払う。
「だかまし。まあ、買うのは自衛隊やないからええねんけどな。しゃあけど、竜騎国が高額さに頭抱えとるんはうまくない。次の商売に響く。そこは分かるやろ、防衛大臣」
「は、ごもっともです」
「追従だけなら猿でも出来るわ。何でそこで、六連発の構造なんて要らへんと突っぱねなかったんやと訊いとるんや、わしは」
「いや、我々も『何でこの機能付けたんですか』と、試作品を前に質問してみたんです。そうしたら」
「そしたら?」
「『今の技術だったら出来ると思ったから、作ってみたら出来ちゃった』と……」
でっぷり太ったガマガエルは、頭痛を堪えるように眉間を揉む。
「これやから日本の技術者は……で、防衛省は何て返答したんや」
「えー……『作って出来ちゃったなら仕方ないね』と」
び、と持っていた扇子を勢いよく開いて、それを防衛大臣に向ける金田総理。
「何で仕方ないんや! そこ突っ込むところやろ! 値段高うなるんは目に見えとったやろ! そこ防波堤になるところやろ! 何あっさり突破されてんねん! 守れや!」
「いやしかし、当初の要求そのものは満たしているんですよ。きちんと、現代の技術を使って、戦闘にも使えて、一定の威力を持つボウガン。で、豊和工業はそこに更に、連射性能の必要性を感じて追加したわけですから、寧ろ当初の要求より良いものが出来上がったと言えなくもないわけですし……」
反論してみるものの。
「どうせ矢の値段はバカ高やろ! そんなもんぽんぽん撃っとったら、竜騎国の軍事費に響くわ! おまけに主体となる衆軍は冷遇されとるわけやから、予算増も見込めへん! 買い手がいのうなってまうやないか! 考えーや!」
「いや、しかし現場では良い武器だと評判で……」
竜騎国の評判も告げるが、金田総理はふんと鼻を鳴らすだけだった。
「ええか、現場の声は現場の声、上層部の声は上層部の声や。間違えたらあかん。現場に迎合しすぎて馬鹿高い装備を送っとったら、竜騎国もすぐ愛想尽かしてアメリカやら中国やらの武器を買おうと動き出す。今は合法的な独占のチャンスなんや。状況があまりに特殊やから、国際社会もなかなか口を出せへん。何せ〈空門〉はうちら日本の真上にあるわけやから、どうやったって日本の許可を取らんと、輸入も輸出もままならん状態や。ええか、これは好機なんや」
確かに総理の言う通りではある。
現状、如何なるものであっても、基本的には日本の許可がなければ、地球、異世界双方共に、〈空門〉を通しての取引が出来ない状態だ。無論、それは国際社会の多大な非難を浴びかねない状況であるため、基本的には全て関税も掛けずに通している。そこに関して、この総理は躊躇しなかった。えげつなく儲けようとする場面は多々あるが、その実、商売上の信用を損なうような儲け方は可能な限り避けようとする。『守銭奴』の渾名から来るマイナスイメージが強いが、彼にはそういう強みがある。
もっとも。
「せやけど、武器関係はいくらでも口出しでける。何せこの国は武器輸出三原則がちょっと前まで幅を利かせとった国や。当然、経由だけとはいえ、武器を国内に入れることに関しては、国民感情を理由にいくらでも関税なり制限なりを掛けることが出来る状態や。そして竜騎国、異世界には銃があらへんから、銃の輸入は完全にストップさせられる。今が儲け時なんや。今も、アメリカが軍用ボウガンの開発を進めとるで。もう出来とるゆう情報も入っとる。中国からは早くも申請が来とるけど、山吹色の菓子だけ受け取って握り潰した。そもそも中国製の武器なんぞ、ロシアのパクリの確率大なんやから、下手に許可すればロシアの反発買うわ」
そう、賄賂を平然と受け取るというところがあるのだ、この総理は。予てより、何かにつけて汚職・贈賄関連のスキャンダルで騒がれてきた男だ。今回の入閣とて、多額の金が動いたらしいことは誰の目にも明らかだが、それがさして問題視されないのは、まず第一に、異世界との問題があるためにそれどころではないということ。第二に、この男は最終的に自分が儲けることを第一とするが、同時に商売人でもあるため、他人を儲けさせることこそが、自分が儲ける最適な手段だと理解しているという部分がある。実際、この男が総理になって以来、経済関連の金回りは相当改善したし、雇用も順調に上がっている。竜騎国から送られてくる魔導技術に関しても、それを導入することで失業者が大量に出る、もしくは他者から利益以上に睨まれると判断したものは躊躇無く突き返している。その辺りの商魂とでもいうべきものを持ち合わせているのだ。
そして第三に。
「あー、忙し、忙し。こないに忙しいんやから、もっとボーナス貰わな、割に合わんわ」
口癖とも言えるぼやきを発しながら、そのでっぷり太った体をソファに埋める。
過去何度も、汚職のスキャンダルでマスコミの追及を受けてきたこの男の持論がこれである。
即ち、「自分は給料以上に働いているのだから、多少袖の下でボーナス受け取って何が悪い」。
実際、彼がこれまで担当した部署は、とにかく金回りがよくなる。非効率的だった組織構造や流通構造が改善され、滞っていた血流が一気によくなり、さらに予算も多く配分されるようになる。そのため、性格的には好きになれないという者も、その経済に関する管理能力だけは高く買っている。それこそが、たいした血筋も地盤も持たない彼の最大の武器とも言えるのだ。
もちろん、公職選挙法、公務員法、その他諸々の法律や規定に照らし合わせれば言語道断な行いだが、そこで尻尾を掴ませるようなへまをしない、周到な面も持ち合わせている。結果として、国民からの評価は、「絶対に汚職とかしてるけど、証拠も残してないし、経済は良くなってるけど、人間的には絶対好きになれない総理」ということで定着している。
週刊誌からは小説風味にあることないこと、絶対あるけど証拠のないことを書き連ねられているが、結局物的証拠がない。書類関連が見つかったということも一切無い。しかも今の時期、異世界に消えていく金など大量にあるため、金田総理にとっては理想的な環境が整ってしまっていると言って良い。
問題の多い総理だが、それでも物事の本質は見極めているし、見極めた上で国益となる行動を今のところは取っている。今の情勢で他国にへこへこしても、自分が絶対に儲からないということを熟知しているのだ。だから、外国に対してもかなり強気な姿勢で臨んでいる。
「アメリカが、頻りに武器の輸出を打診していますが」
「断れ。あっちは銃なしでの国家体制を樹立しとるんや。誰でも扱える銃なんぞ流したら国が崩壊するが、責任は取れるんか、と言って黙らせればええ」
「EUがタイフーンの魔導技術を導入した試作型を異世界に送りたいと……」
「まだ本尊もろくに飛ばしとらんやろ! こないだまた欠陥見つかって飛べなくなっとるやないかい! 竜騎国から失笑を買いたいんか、断れ断れ。本体がきちんと完成してからやと伝ええ」
「は、しかし次期主力戦闘機を早めに納入するという条件もちらつかせておりますが……」
「せやから、まともに飛ぶようになってからやと言え! 全く、政権交代時にF-X選定が重なったのはほんまに最悪やったわ。何が脱アメリカや。おかげでアメリカさんの航空業界がへそ曲げとるし。まあ代替案としてのF-15の改造が進んだ分、結果的には安くは上がったんやけど、長期的に見たら日本はアメリカの軍需産業の信頼を損なったんやで。全く、政権交代様々やな」
無論、ミスティック・イーグルもそれらの改造案の産物である。カナードによる機動性重視の発想は以前から検討・開発が進んでいた。一朝一夕で作られたわけではない。
鼻を鳴らす間にも報告は続く。
「オーストラリアから声明が出ました。『鯨のみならず、竜という未知の生命体を虐殺していることに対して強く非難する』と」
「オーストラリアやその他の国から、左翼右翼リベラル、いくつかの新聞社から記者を送るように伝ええ。異世界へのメディアの取材は積極的に認めますよって」
「中国は相変わらず軍を派遣したがっています。『今こそアジアの力を合わせる時だ』と」
「笑える冗談やな。高級士官一〇人までで、護衛は自衛官のみでええなら許可したると伝ええ」
「韓国が『日本は異世界を侵略している』と……」
「無視せえ」
内閣再編以来、ずっとこのような調子だ。もちろん、返答の草案などはきちんとした手順で作成され、総理や他の要人の目を通してから各国に送られるのだが、概ねの方針をさっさと決めてしまう。それでも、現在、最も優先すべき問題を見失っていないあたりは、まあ評価してもいいだろう、と、防衛大臣は考えている。
古賀政権は、集団的自衛権や防衛装備移転三原則など、現在の防衛体制の骨子を整えたという実績はあるものの、海外に対する配慮などで悪手が目立った。その点を今、この男が補っているとも言える。
と、扉が大きなノックと共に開かれ、草色の外套を着た怜悧な容貌の青年が、若い外交官に導かれて入ってきた。
「失礼、遅れました。途中でちょっと道草を食ったもので」
「おお、よういらっしゃいました、よういらっしゃいました。ままどうぞどうぞ、座ってください」
途端、金田総理は相好を崩すと、自ら立ち上がって、自分の息子ほどの年齢の外交官を出迎えた。
「〈空門〉から成田、成田から直通でここまででっしゃろ。いや、疲れてるところ恐縮ですけんど、早速会議を致しましょうや」
笑顔でまずは握手をし、そして席に着かせる際、ぼそりと付け加える。
「しゃあけど、あんまり国民を刺激するような真似は謹んでいただけると、あんじょう助かります」
その一瞬だけ、でかい顔に不釣り合いなほど小さい目が鋭く細められた。
マルチタスクは苦手です。
ともあれ亀更新、お待たせしました。
まー特に言うこともなく。政治経済関係はさらっと流します。詳しくないことをずらーっと書いてもつまんないですからね。
でも開発エピソードとかは楽しいから書きたいなーという欲望。
来週にはいろいろ決まるんですが、それまでが長く感じられる今日この頃。
あ、翔鶴来ました。これで正規空母は揃いましたね。雲龍もいるし。
そろそろ大型建造したいけど、イベントも近いのでちょっと我慢。
時雨が99になったので、そのうちジュウコンカッコカリします。
敷波はUTSUWAが広いから許可してくれるって。
エクスカリバーも抜けるよ!