新人コンビニ店員
初投稿で面白そうなのを投稿しました。良ければ見て行ってください。
タイトルは受け狙いです。
西日がビルの間から差し込む。
あぁ~。面接終わったー。明日から、バイトだー。しかもコンビニ。
誰でも使うから、どんな業務内容かは、大体想像がついている。
風呂入って、夕食のカップラーメン食べて。
あ、もう夜10時だ。寝よう。
どんな感じなんだろう。レジ打ったことなんてない。
ま、大丈夫だろう。俺一人じゃないし。シフト入ってんの。
俺が配置されたのは、午後パート。正午あたりは昼食を買いに来る客で大変だからだそうだ。
バックルームで制服に着替えて、客前にでる。
「いらっしゃいませー」
入店音とともに元気よく挨拶する。高校の文化祭の時に習った。受付じゃない、客引きだ。たぶん、こいつはなんもできんと判断されたんだろう。校内を元気よく声かけしながら回った覚えがある。うるさいと言われもしたな。
そう考えたら、他の店員がぼそぼそ挨拶しているのが気になる。でも、シフト一日目の新米アルバイト俺ごときが注意するなんてできない。下剋上すぎる。しかも、同じシフトの人本社から来たエリートだぞ。きっとなんか理由があるのだろう。風邪気味で大きな声が出せないとか。
レジに並ぶが、平日の昼下がりだからか、客足がまばらだ。
暇だ。
することもないのでレジの引き出しを出してお金を数える。
あー。二千円札ってやっぱ少ないんだな。一枚しかない。ほかの紙幣は全然あるのに。諭吉でさえ十枚はある。使いづらいんだろうか。意を決して聞いてみよう。
「あ、あの。なんで二千円札ってこんなに少ないんですかね。一万円札でも十枚はあるのに」
「う~ん」
なんか考えているようだ。そんな悩ましい質問だっただろうか。
「ちょっとまってください、今調べます」
あー。やってしまった。俺の何でもない質問に真摯に答えようとしてくれるのは、非常にうれしいというか、感謝。だが、それほどのものでもないのだ。なんか申し訳ない。
「えー、と2003年に製造停止していま記念紙幣的なことになってるらしいです。」
「あ、製造停止なんですか。まだ続いているものだと思ってました。調べていただいてありがとうございます。」
俺がちょこんと頭を下げると、こちらの顔色をうかがいつつぺこりと軽く会釈した。
まずい、この本社のひと策士だ。ならば、俺がとろうと思っている行動には眼が点いている可能性がある。どうしよ。なんか気まずい。そ~っと横目で相手の顔色をうかがう。ん、?なんか、ぼーっとしている。寝不足なのか。
なんだかよくわからないが、引き続き暇なので、ホットスナックに視線をやる、ヒーターに近いほど温まっている。結構いっぱいある。大丈夫か?今日中に売れるか?昼売れなかったのに。
俺がホットスナックに視線をやっていると、本社の人が見てきた。
やばい、え。なんで。ぼーとしてたじゃん。見ないで、いやん。視線を戻そう、あー、いやでも戻したら戻したでなんか言われるかもしれない。どうしよ、後がない。八門遁甲の陣かよ。
仕方がない、トイレとかいって強制コマンド打つか。
「すみません。ちょっとトイレに。」
ガっ。肩を掴まれた。え?何!?何。女性だからなめてた。力強い。
「ウガッ」
「ちょっと、待ちな。」
「へ?(泣き顔)」
「あんた、さっきホットスナックじろじろ見てたね?」
「は、はい,,,」
「ホットスナック好きなのかい?」
「え、え、え、ま、まぁ人並みには、」
「そうかい。美味しいよねぇ。ホットスナック。今度新商品来るわよ。今開発中なの」
「そ、それは、よいですね。楽しみです。」
なんだよ、ホットスナック好きなのか聞いただけだった。ん?なんか忘れてないか。なんだったっけ。あれ?
「あんた、いいのかい?トイレ。呼び止めちゃってごめんねぇ」
「あ!そうでした。行ってきます。」
トイレのドアを押して便器に向き合う。あー。気まずいからトイレとか適当なこと言ったんだよな。ほんとのこと言うと、お前に用ないんだよ、便器。まぁ、座ったら尿意がもよおしてくることだってあるからな。一応やっておこう、トイレ。
ズボンを下げる。んんんんあぁ~気持ちぇ~。溜まったもんがばっこり出るのがいいんですわぁ。あ~トイレ来てよかった。すまんな便器。さっきは用がないとか言って。
よし、出した。完全に出し切った。後は拭くだけだ。
あ
あ、紙がない。やばい。出しちゃったんだけど。どうしよ。学生の頃は、こういう時ノートの切れ端とかあるんだが、制服だけの俺にはない。制服に着替えたからポケットティッシュもない。やばい、が、スマホはある。あー、でも俺今日が初出勤だし、店長としか連絡先交換してないし、いるのはなんか気前のいい本社の人。この際、そのまま出るか、いや、制服が汚れてしまう。仕方がない、呼ぼう。お客さんがいるかもしれないが、いや、もうお客さんでさえ頼りにするしかない。
「すみませーん。トイレにいる者です。ティッシュ持ってる方いませんか。トイレットぺ
ーパーがなくて困っています。助けてくれませんか。」
三回くらい呼んでも誰も来ない。
制服が汚れるのはまずい。
もっと大きな声で呼ぼう。
「あのー!!トイレの紙が切れて臀部を拭けないんです。だれか助けてー」
コンコン。
ガラガラ。扉を少し開ける。
「あんた、困るよ。あるあるだけど。お客さん笑って出て行っちゃったじゃない。次からは、トイレットペーパー確認してよ?それともトイレ掃除やる?」
「すみません。あー。すみません、次からは確認します。」
大のほうに回してからトイレから出る。あーすっきり。あ、でも、大声のトイレットペーパー難民がいるコンビニは少し嫌だな。笑えるけど。食品がきついな、本当に気を付けよう。職を失う。カレー食いながら便意催すと食う気失せるよな。
気づけばもう5時。中学生や高校生が、だべる用に唐揚げやホットドッグを買っていく。
俺もそんな時代があった気がするが、三人いたら2:1でぼっちポジションだった。どうやったら会話が成立するのかわからなかった。雰囲気に任せていたらそうなった。芯のない人間だったのだろう。今なら違うみたいな言い回しだな、おい、俺。
完全に外が夕方から夜になると、今度は帰宅時の会社員で少しだけにぎわう。
ツナマヨがなくて明らかに残念そうにしているコートを着た壮年期の男性がいる。とったと思ったら、明太子とかいてあったのだろう。それは残念だ。俺でも、帰宅後のツナマヨじゃなかった残念さをたぶん翌日の昼飯くらいまでには引きずってる。ツナのあの食感とほのかな塩味がマヨネーズでまろやかに引き立つんですわぁ。
そろそろ、俺のシフトが終わる。
「あ、あの、今日はここでシフト終わりなんですが、家に戻っていいですか」
「うん、お疲れさま。レジ打ちとかタバコとかいろんなことが今はコンビニでできるからねぇ。次の人にあなたがどんな人か伝えておくよ。お疲れ様。」
「今日はありがとうございました。では」
軽くお辞儀をすると、店を出る。さすがに店内大音量トイレットペーパーコールはまずかったな。気を付けよう。次はちゃんと制服にポケットティッシュいれとこう。
仕事帰り、夕食を作る気にはならない。どこかで買おう。一日目のバイトが普通に自分の夕飯を買っていたら、それは不衛生というものだ。
今日はほんとに不衛生だったな。
買った夕飯を忘れて、そのまま風呂はいって布団に潜りこんだ。
ネタ切れ




