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「恋をしないなんて可哀想」と言われ続けた私が、感情が全ての力になる異世界で、恋愛感情ゼロゆえになぜか無限魔力を得て魔王と戦うことになった話  作者: きりりんが
第2章: 無色の継承者、はじめての絆

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久しぶりの学校、やっぱり友達っていいね。

窓から朝日が差し込み、小鳥の声がまぶたの裏をくすぐる。


「ん〜……まだ寝てたいよぉ……」


自分でもびっくりするほど腑抜けた声が出た。


けど現実は無慈悲だ。

もう一度寝返りを打とうとした瞬間、寮全体のアラームが爆音で鳴り響いた。


「アキナ様、おはようございます。今日も見事にお寝坊ですね」

「ティアぁ……おはよう……同室でほんと助かった……」

「光栄です。ほら、起きてください。朝食ですよ」

「むり……でも行く……」


私は体を引きずるように起こし、大きく伸びをした。

鏡の前に座れば、すでに準備バッチリのティアが手際よく髪を梳いて結ってくれる。

その間に私は軽く化粧を整えた。


「今日からいよいよ、部活見学とか交流会とか始まるのよね」

「えぇ。昨日の歓迎パーティー、本当に豪華でしたね」

「ねっ。ごはんもケーキも最高だったし……スカーレットの代表挨拶、ビシッとしててかっこよかったなぁ」

「正直、あそこまでやるとは思いませんでした」

「あら、そんなこと言って。これから同級生なんだから仲良くしなきゃ」

「私は従者ですので。授業には同行しませんよ」


え、待って……

つまり一人ぼっちってこと……?

うそ、寂しい……ティアがいないだけでこんなに心細くなるなんて。


コンコン。


「アキナさん? おはようございます。入ってもよろしい?」

「あっ、スカーレット、おはよ! もちろん! もう食堂行くとこなの」

「でしたら三人で行きましょう? 朝は賑やかな方が楽しいですもの」

「行こ行こ! ね、ティア!」

「アキナ様がお望みなら」

「決まりですわね! では参りましょう、お二人とも!」


食堂はパンとスープ、スクランブルエッグの香りで満たされていた。


「くん……いい匂い……早く食べて教室行こ。時間ないし」

「はい、アキナ様」


朝食を平らげ、三人で教室へ向かった。


すでに何人か着席している中、一人の男子が勢いよく走り寄ってきた。


「姉さん! おはよう!」

「おはよう、オーディン。こちらはアキナ様とスカーレット・ドレイン嬢よ」

「ご機嫌よう、グーデリアン小男爵。スカーレットとお呼びくださいな」

「おはよう。アキナだよ。気軽に呼んで」

「じゃ、アキナ。スカーレット」

「オーディン、アキナ様のこと頼むよ。私は授業に出られないから」

「わかったって、姉さん」


ティアは席を離れてしまったけど、教室はあちこちで会話が飛び交い、活気に満ちている。

ああ、学校って感じ……。ティア、私が不安になるのわかってて送り出してくれたのかな。


「アキナ、友達紹介する。こいつがダーク。仕立て屋ラークの息子」

「初めまして、アキナ嬢、ドレイン嬢。ダーク・コンフィグです」

「堅い! アキナでいいし、敬語なしで! ね、スカーレット!」

「えぇもちろん。お友達でしょう?」

「じゃ、僕のことも“ダーク”って呼んで」


ガラガラッ。


一瞬でおしゃべりが止まり、全員が席に戻った。

背の高い、美しい女性教師が入ってくる。


「皆さん、入学おめでとう。このクラス担任兼、魔術学担当のエレノア・クリスティーです」


……お、美しい……。


「さて、一週間はクラス交流会や部活見学をしてもらう。部活は必ず一つ参加するように。では解散」


部活か……どこが人気なんだろ。


「アキナさん! ぜひ一緒の部活入りましょう!」

「スカーレット……! 一人だと不安だったから嬉しい」

「もちろん。オーディン様とダーク様も一緒にいかが?」

「お、いいぜ。ダーク、どうする?」

「レディたちが望むなら喜んで」

「じゃあ決まりね!」


四人で部活紹介エリアへ向かう。

新入生でごった返し、先輩たちがあちこちで勧誘していた。


「剣術部〜! 剣術部はどうだ〜! 男女歓迎だぞ〜!」


剣術……こっちの剣道みたいな?

ぼんやり見ていたら、


「なぁ、行ってみね? アキナも好きそうだし」


オーディンに現実へ引き戻される。


「レディたちが問題ないなら僕は」

「アキナさんは?」

「行きたい!」

「よっしゃ、決まりだな」


四人で声をかけていた先輩へ向かう。


「いらっしゃい。興味ある?」

「はい!」

「じゃ、模擬演習あるから来てみて? 面白いよ」

「行きます!」

「私はミナ。ミナ・カンザス。で、あそこにいるデカいのが双子の兄ルーカス。あそこで寝てるのがティント・コンフィグ。全員ファーストネームでいいからね」

「オーディン!」

「ダークです。姉がお世話になってます。」

「スカーレットよ」

「アキナです!」


「あぁ、君がコンフィグ弟か。よしよし、みんなよろしくね!」


──これが後の勇者パーティーの出会いである。


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