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久々に再開した幼馴染に彼氏が六人も⁉︎まぁ昔から自由人だったけどさ…  作者: 猫の集会


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7/10

彼氏の彼女

 オレの方が先に髪を切り終わったので、近くのカフェで時間つぶすから、慌てなくていいよって連絡を柚猫に入れておいた。

 

 

 そしてしばらくすると、キレイに髪をなびかせてくる柚猫がこちらにやってきた。

 

 オレの目の前に腰を下ろした瞬間、お花畑に一瞬でつれてこられたかのような、なんとも心地よく華やかな香りがふんわり柚猫から、漂った。

 

 

「おっ、髪サラサラでめっちゃかわいいな!髪からもいい香りがする」

 

 そう、オレの作戦はほめごろしだ。

 

 で、もうひとつある。

 

 じっと目をみる!だ。

 

 なんか、聞いたことあるんだよね。

 

 何秒か目を合わせると、おちるみたいなね?

 

 あるよね?

 

 てことで、褒めたり目をじっとみたりしてたんだけど…

 

 そんなに簡単には、いきませんでしたとも…。

 

 どうしよう…ムリかもって、あきらめつつあるオレ。

 

 そんな時に、柚猫からいきなりなことを言われた。

 

 

「指輪…さっきあげたい人がいるみたいなこと言ったね。あれって…もしかしてカズって…彼女いるの⁉︎」

 と、柚猫から聞かれた。

 

 …

 

 それは、あなたです‼︎六人の彼氏もちのあなたです‼︎なんて、言えるか⁉︎

 

 そもそも彼氏いるんだから…オレには負け確なんよ。

 

 でさ、そもそも彼氏が普通一人じゃん?

 

 でも、柚猫には六人も彼氏がいるわけじゃん。

 

 一人ならまだしも…六人の壁は、いくらなんでも多すぎるって…‼︎

 

 あ、でも…考えようによったら、一人の分厚い壁よりも、六人分の薄い壁の方が…

 

 …

 

 いや、そもそも薄いかどうかなんてオレには、知るよしもない…。

 

 オレは、柚猫の質問にきちんとこたえた。

 

 

「彼女は、いない。でも、渡したい人がいるのは、本当」

 

 …

 

「ふーん」

 

 柚猫は、少し面白くなさそうに返事をした。

 

 

 …

 

 ふーんって…

 

 あっそうー、まぁどうでもいいけどねーみたいな…軽い感じの返事って…。

 

 そりゃ、彼氏でもないただの幼馴染のことなんて、そもそもどうでもいいんだろうね。

 

 

 柚猫は…そもそも結婚願望とかあるんだろうか?

 

 

「あのさ、柚猫ってさ…」

「なに?」

「柚猫は、結婚願望とかあるの?」

 

 柚猫は、しばらくオレをじっとみたあとに目を逸らしながら

「ある」

 と、こたえた。

 

 なぜ目を逸らしたん?

 

 って、少し困惑していると続けて言った。

 

「本命がいて…さ、でもその人とは絶対に幸せには、なれないの」

 なんて、悲しい表情をみせてきたんです。

 

 

 本命が…いるんだ⁉︎

 

 で、なんで幸せにはなれないんだよ…

 

 彼氏のうちの一人なんだろうけど…まさか、その六人のうちのだれかが、結婚してるってことか?

 

 

 既婚者と付き合ってるってことかよ⁉︎

 

 な、なんでそんな大冒険を…

 

 素手でボスにたたかいを挑んでるようなもんじゃないか‼︎

 

 なんなら、紙の剣でたたかう…的な?

 

 柚猫…

 

 かなわない恋だとしても…六股なんてすることなかったじゃないか‼︎

 

 その人を一人に絞ればいいんじゃ…

 

 たとえ、かなわなくてもさ…

 

 一途に思い続けることも大事っていうか…

 

 

 …

 

 

 それが逆に苦しくて寂しかったから、それを紛らわすかのように、他の人たちと交際してるってこと?

 

 さみしさを数で埋める…てきな?

 

 

 そっか…

 

 本命がいるんだな…柚猫にはさ。

 

 叶わない恋か…。

 

 

 一気に自分の心が、テンションダウンしたのがわかる。

 

 

 会社の人なのか…それとも…

 

 

 オレは、柚猫がただの六股なんだって思っていたから…だから、やめさせようって必死だったけど…

 

 これは…なかなか難しい心の問題なのかもしれない。

 

 

 どうしようもないことが判明してしまったので、オレは大人しくたわいもない会話をその後は、ずっと続けた。

 

 

 そして、その日はそのまま解散した。

 

 

 ただの暇つぶしとか、軽い気持ちで六人と交際してると思っていたのに…

 

 そうじゃないとなると…

 

 …

 

 

「あれ、幼馴染さんじゃないっすか!よくあいますね‼︎」

 

 声の方を振り向くと、そこには柚猫の彼氏の一人が立っていた。

 

 

「…あ、先程はどうも。あれ、彼女さんは…?」

「いま、化粧直しに行ってまして」

 

 これは、チャンス‼︎

 

 

「あの、こんなこと聞くのもあれですけど…彼女さんは、柚猫の存在を知っているのでしょうか?」

 

 恐る恐る聞いてみると、柚猫の彼氏が

「あ、もちろん知ってますよ」

 と、笑顔でこたえた。

 

 …

 

 えー…

 

 そ、そうなんだ…。

 

 …

 

「お待たせー」

 

 彼女が戻ってきたので、オレは慌てて挨拶して、その場を立ち去った。

 

 

 …

 

 知ってるんだ?

 

 もちろんって…

 

 そんな即答で、笑顔でこたえてくるなんて…

 

 

 続く。

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