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久々に再開した幼馴染に彼氏が六人も⁉︎まぁ昔から自由人だったけどさ…  作者: 猫の集会


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3/10

火曜日の彼氏

 柚猫に案内されたお店は、おしゃれなガーリックが漂う素敵なお店だった。

 

 

「いらっしゃいませ」

 と、爽やかな店員さんがお出迎えしてくれた。

 

 かと思えば、

「ヨッス」

 と、柚猫と気軽にハイタッチをした。

 

 …

 

 まさか、この爽やか男性が水曜日の彼氏…なんじゃ?

 

 と、ガン見しているとやっぱり柚猫から

「水曜日の彼氏だよー」

 って紹介された。

 

 そしてオレは、柚猫の幼馴染ですと返した。

 

 爽やか男性は、オレにペコリとお辞儀をして、営業スマイルで

「どうぞ、ごゆっくり」

 と、席へ案内してくれた。

 

 

 …

 

 いや、気まずっ‼︎

 

 オレは、なんでノコノコと好きな幼馴染の彼氏見たい放題ツアーに参戦してしまったのだろう…。

 

 

 別の店を提案するべきだった…。

 

 てかね、彼氏二人みたけど…みなさん清楚系イケメンなんだよなぁ。

 

 でも、違うタイプっぽい。

 

 なぜ彼たちは、六股彼女と付き合ってるんだろ…

 

 謎なんだけど⁉︎

 

 

 水曜日の彼氏がいるので、なんか…落ち着かないけど、美味しそうなメニューをみて心を落ち着かせ、ガーリック風味の空気を吸い込んで、深呼吸した。

 

 

 運ばれてきたお水は、ワイングラスに入ったレモン水だった。

 

 

 おしゃれだなぁ。

 

 なんかもう…お店も彼氏もおしゃれすぎるんよ。

 

 ほんと…なんでなん⁉︎

 

 てかさぁ、水曜日の彼氏くんよ‼︎

 

 今から柚猫は、日曜日の彼氏とお泊まりなんよ⁉︎

 

 いいんか⁇

 

 そこら辺わかってんのかな⁉︎

 

 どこまで貴方、共有しておるん?

 

 …

 てさ…

 オレには…関係ないよね。

 

 柚猫と一緒にいるのに…

 

 一番そばにいるのに、遠い存在なオレ。

 

 同じテーブルにいるのに、まるでカラダだけがそこに置かれていて、本人の心はお店の隅っこに追いやられた感…

 

「ねぇ、どれにする?」

 

 ⁉︎

 

 柚猫の言葉に、我に返った。

 

 よかった。

 

 魂が隅っこから一瞬で吹っ飛んで戻ってきた。

 

 …たぶん。

 

「柚猫は、どれにするか決まった?」

「わたしは、ピザにするー。チーズとニンニクマシマシで!」

 

 え…

 

 これから彼氏にあうのに…ニンニクマシマシなんだ?

 

 …

 

「あー、美味しそうだねー」

「でしょ!カズもそれにしたら?」

 

 …

 

「だな」

 

 いいんです。オレはニンニクマシマシで‼︎

 

 どうせ、これからなんにも予定ないしさっ‼︎

 

 ヤケクソのやけ食いですね。

 

 ガツガツ食いましたとも。

 

 そして、たまにレモン水で心を浄化して柚猫と目が合う。

 

 にっこりとオレに微笑む柚猫がまさか、六股してるなんて思えない…てか、思いたくもない。

 

 でも、現実は…六股してるんだもんな。

 

 実際に、二人彼氏みてるし…

 

 日曜日の彼氏とのやりとりもみせてもらったし…

 

 

 あとは、火木金だけ!って…

 

 いや、ムリムリ…

 

 もうお腹いっぱいなのに、これからバイキング行こう‼︎って誘われた…そんな状態だ。

 

 いや、だれも火木金の彼氏もみる?なんて言ってきてないけどさ…。

 

 いや、いうのは柚猫しかいないけどさ…

 

 

「美味しかったねー」

「うん…」

 

 美味しかったよ?でも…なんか、心から食を楽しむことができなかった…。

 

 だって、ご飯前に好きな人の彼氏を二人も知ってしまったもんだからさ。

 

 まぁ、一人は文のやりとりだけなんだけどさ…

 

 でも、その文章がなかなかパンチ効いてたもんだからさ…

 

 せっかくの柚猫とのランチ…

 

 もっと、美味しさも楽しさも堪能したかったぜ…。

 

 

 オレが堪能したのは、絶望…

 

 そんなの堪能したくなかったよ。

 

 でも、絶望をしっかりと堪能してしまったオレに、柚猫は…

「これからわたしの部屋でゲームしない?」

 と、何食わぬ顔で誘ってきた。

 

 …

 

 それは、ムリだ‼︎

 

 密室で二人きりなんて…

 

 それはムリすぎる…。

 

 うっかりオレが暴走しかねない。

 

 てか、早く彼氏のところへ行ってやればいいのに…

 

 まさか、焦らし系女子なのか⁉︎

 

 柚猫は、恋の駆け引きがめっちゃプロ級なんじゃ…

 

 オレの知らぬ間に、柚猫が…

 

 こんなに、恋愛上級者になっていたなんて…

 

「あ、ごめん。彼氏から連絡きた」

 

 …

 

 ほら、日曜日の彼氏が痺れ切らして待ってるんじゃんか。

 

 そりゃそうだよ。

 

 週一しか会えないんだもんさ。

 

「いいよ、彼氏待ってるんだろ。じゃあな」

 

 オレが気をつかって帰ろうとすると、柚猫は

「待ってないよ?それに連絡きたの火曜日の彼氏だったし」

 なんていうんです。

 

 

 ⁉︎

 

「え…火曜日の彼氏って火曜日しか連絡とらないんじゃないの?」

「あー、臨機応変って感じ。メインは火曜日だけど、花の水あげといてーとか、たまに急用ならその都度対応なの」

 

 …

 

 なんか、ややこしくなりそうだけど…

 

 えっ⁉︎てか、火曜日の彼氏と同棲してないよね?

 

 ね?

 

 

 続く。

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