おかしいじゃん
柚猫とは、そのまま挨拶程度で済ませたけど…
とにかくオレの気がすまない‼︎
そりゃさ、昔から柚猫は自由奔放だったよ?
でもさ…
でも、六股とかさ…
いくらなんでも…ね?
てかよ?
月曜日の彼氏ってさ…思いっきり仕事仲間じゃね?
同じようなスーツ着てさ…
平日の昼間に一緒にいるって…
まさか…六人とも同じ会社の人間じゃないだろうな⁉︎
てか…あれか?
あなたは何曜日の彼氏ですか?って聞いてくる時点で、もうみんなある程度共有してんじゃね?
彼女が浮気してるの公認やん…
やめろって‼︎
想像しただけで、血圧急上昇で心臓バクバクだぞ⁉︎
なにしてんだよ…
オレがもっと…ちゃんと柚猫と向き合っていたら、こんなことになってなかった…のかな?
就活に頑張りすぎて…だから柚猫がさみしくて、こんな行動に?
…
いや、オレはそもそも恋愛対象外だって昔から言われてだんだっけな…。
でも、なんでだよ⁉︎
オレ…めっちゃモテてたし、柚猫にだって全力で優しくしてきたつもりだぞ?
しかも…柚猫のタイプを知ってるから、ずっとそのスタイル守り続けてきたのに…。
でも‼︎
でも、まだ手遅れじゃない‼︎
オレは柚猫の彼氏になるんだ‼︎
六人とは、別れてもらう‼︎
てことで、早速柚猫と連絡を取り合った。
そもそも、連絡先はずっと知っていた。
でも、柚猫が仕事仕事で会えないっていうから、疎遠になっていただけなのだ。
てか、オレはずっと柚猫がどうしてるか気にしてたよ?
でも、忙しいって言ってるんだから…しつこくしないようにって、配慮してたんよ?
なのに六股ってさ…
おかしいじゃん‼︎
オレは、柚猫と今度の日曜日に直接会うことにした。
そして、会うなりオレは柚猫に言ってやった‼︎
「六股やめろよ。オレが六人分愛すから‼︎」
ってさ。
そしたら、柚猫が
「六人分?それは…不思議ですね」
と、はぐらかされてしまった。
不思議ってなんだよ⁉︎
意味わかんねーって思っていると、日曜日の彼氏から連絡がきたらしい。
たぶんムリだろうけど、内容みせてよって言ったら、すんなりみせてくれた柚猫。
(明日からまた仕事だね。今日は、朝まで一緒に過ごしてそのまま一緒に出社しようか)
ってきていた。
…
…
もうさ、
…
もう…
ほんと、どうしちゃったんだろうね⁉︎
これは…
重症ですね…。
てかさー…
やっぱり六人とも同じ会社の人間なんじゃね⁉︎
「え、てか日曜日の彼氏なの?」
「そうだけど?」
「てか、六人彼氏がいるんでしょ?」
「うん。」
…
「あのさ、何曜日に彼氏がいないの?」
オレは、てっきり月から土曜で彼氏がいると思い込んでいた。
「土曜日」
⁉︎
土曜日か…
まぁ、聞いたところでね…
「じゃあさ、土曜日ならオレと…あ、やっぱりなんでもない…です。」
土曜日なら、オレとも付き合ってなんていったら、それは…なんか違うよな。
てか、オレとは付き合わないって言われてんだった。
「でも、なんで土曜日通り越して日曜日?」
「だってさ、日曜日って一番気持ちが沈むでしょ?明日からまた仕事〜ってさ。だから、お互い気持ちを高め合うの。」
…
なるほどだ。
「てかさぁ、疲れない?」
「え?なんで?」
…
なんでって…
「ま、いいや。とりあえず腹減ったしランチしないか?それとも日曜日の彼氏のとこもう行く?」
「ううん、行かないよ」
「なら、飯食おうぜ。どこがいい?」
「じゃあ、美味しいところ案内してあげるね。ついでに水曜日の彼氏紹介するよ」
⁉︎
は?
今…
今…彼氏って言った⁉︎
水曜日の彼氏…か。
ちょっと気になるけどさ…。
てかさぁ、そんなん言ったら全曜日制覇したくなるんだけど⁉︎
全員同じ会社の人じゃないんかい⁉︎
もうさ、オレは…食べる前からへんな満腹感に襲われた…よね。
続く。




