表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/9

プロローグ

 ————太知ヒカリは、今日もその派手に染めた銀髪の髪を振りまいていた。

 銀色のベースカラーに、差し色として水色をメッシュで入れた、とても派手な髪。イラストにでもしようものなら、とても映えること間違いなしだろう。

 まぁ、描く側としてみれば、メッシュなんて心の底からやめて欲しいが。

 そんな派手な髪をした太知だが、派手なのは髪色だけじゃない。だらしないだけなのか、それともファッションなのか、胸元の大きく空いたシャツ。カラコンを入れている青い瞳。さらには、自前のパーカーを腰に結んでいる。————言っておくが、これらは全て校則違反だ。


しかし、それを教師は注意しない。校則違反なのに。

教師たちは呆れながらも、太知の校則違反を見過ごしている。一体何故か? それは「怖くて注意出来ないから」だろう。

————そう、太知ヒカリは「ギャル」ではなく「ヤンキー」なのだ。

高校生という年頃になって、オシャレがしたいだけのギャルではなく、気に食わないことがあるとどこまでも反抗するヤンキーなのだ。

そんな太知の武勇伝は数知れない。百人近くの不良が集まって抗争を繰り広げていたところ、太知がたった一人で乗り込んで壊滅させたとか。自分に突っ込んでくる車を回し蹴りで止めたとか。

まだまだあるが、とにかく「太知ヒカリ」という女子高生は、非常に攻撃的な人間なのだ。

「————おっす」

「……おう」

 もはや当たり前となった、昼からの登校をした太知が、隣の席である俺に挨拶らしきものをしてくる。……それに短く返す俺。

 普通のヤンキーなら、こんな風に雑に返事を返したらキレ散らかしそうなものだけど。

 超攻撃的生物、太知ヒカリ。

そんな生物と隣の席の俺の日常は、案外穏やかだ。少なくとも、こんな挨拶の仕方をしたとして太知がキレることはない。故に俺は、太知がヤンキーであることを疑っている。


 ただ校則違反をするわけではない、なかなか気合の入った髪。見た目は煩いが、想像以上に静かな内面。————そして、ヤンキーにしては可愛いデザインをしたペンケース。

それでも実際に、太知が教師へ反抗する時はマジもんのヤンキーだった。

だからおそらく、ヤンキーであることは間違いないのだろう。だけど、裏では意外と乙女なことを思っているのかもしれない。言うなれば「乙女ヤンキー」だ。


————と、隣に座る俺は太知のことをそう思っていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ