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ハリガネベイスボウラーズフォウ!  作者: 椎家 友妻
第一話 マネージャーをスカウトせよ!
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5 張高野球部メンバーの、マネージャーに対する意識調査

 その日の放課後。

練習場所の市営グランドに向かう前に、

俺は張高野球部員にマネージャーに関するアンケートを取ってみた。

俺は一人でマネージャーが欲しい欲しいと盛り上がってるけど、

他の部員はどう思っているのか?

その辺を聞いてみたくなったのや。

 まずはショートでキャプテンの東倉(ひがしぐら)山男(やまお)先輩に聞いてみた。

 「キャプテンはこの部にマネージャーは必要やと思いますか?」

 それに対するキャプテンの答えはこうやった。

 「まあ、やりたい人が居るならやってもらったらええと思うけど、

下積先生も()るし、どっちでもええんとちゃうか?」

さいですか。

 次にレフトで前髪が目が隠れるくらい長い向井(むかい)富一(とみいち)先輩に聞いてみた。

キャプテンにしたのと同じ質問に、向井先輩はこう答えた。

 「居てくれた方が助かるかもね。下積先生だって教師としての仕事もあるし、

これから大会に向けてますます練習が忙しくなるにつれて、

マネージャーの仕事も増えてくるだろうし」

確かに。

 次にファーストで家が金貸しの仕事をしている千田(せんだ)(どう)次郎(じろう)先輩に聞くと、

千田先輩はこう答えた。

 「べつにどっちでもええけどなぁ。

マネージャーになったけどすぐに辞めるような奴やったら、

最初からなっていらんしなぁ」

ごもっとも。

 次にサードでお父さんが張金市の市長の山下(やました)耕太(こうた)先輩は、俺の質問にこう答えた。

 「確かに女の子のマネージャーは必要かもね。

この部は男ばっかりでちょっとむさくるしいから、

女の子のマネージャーが入ってくれたら、ちょっとは華やかになるかも」

全くその通り。

 次にライトで色白で病弱な()古山(こやま)修二(しゅうじ)先輩に聞いてみた。

 「病弱な俺を優しく介抱してくれる白衣の天使が欲しい」

ここは病院ではない。

 次にセンターで、髪型がセンター分けの扇多阿(せんたあ)太郎(たろう)先輩に聞いた。

 「俺のセンター分けをダサいって言わへん女子ならええで」

クラスの女子にはそう言われているのか。

 次にセカンドで無口な赤島常彦(あかしまつねひこ)先輩にお尋ねした。

 「マネージャー・・・・・・」

・・・・・・何もないんかいっ。

 次にピッチャーの岩佐(いわさ)春秋(はるあき)先輩に質問した。

 「俺の才能を理解できるマネージャーなら、居ても構わねぇよ?」

理解に苦しみます。

 次にキャッチャーの近藤(こんどう)平太(へいた)先輩に問いかけた。 

 「俺は、優しくて家庭的な女の子がいいな」

誰もあなたの好きなタイプの女の子を問うてはいない。

 次に小暮に聞いた。

 「うるせぇよ」

はい、もう聞きません。

 次にピッチャーでホモで俺に惚れている松山(まつやま)(いかり)に聞いた。

 「僕が昌也君だけのマネージャーになってあげる♡」

なっていらん。

 部室の近くを新聞部の鹿島(かしま)(しおり)さんがウロウロしていたので、ついでに聞いてみた。

 「マ、マネージャー?それは、居るに越したことはないんやない?

あ、あたしは、新聞部の人間やからでけへんけどね!」

この際鹿島さんもマネージャーになってくれれば、

片思いの相手であるキャプテンと、もっと距離を縮められるんやないか?

 次に顧問の下積先生に聞いた。

 「大丈夫!マネージャーが居なくても、僕がちゃんとサポートするから!」

その意気込みはありがたいけどそういう事やないんです。

 最後に遠川監督に聞いた。

 「確かに必要だな。このまま下積先生ばかりに雑用を押しつける訳にはいかないし、

マネージャー募集のポスターを張り出せば、

誰かなってくれる子が居るんじゃないか?」

誰かじゃダメなんです。

伊予美じゃなきゃダメなんです。

とは言わなかったけど、

とりあえずマネージャーの事は俺が何とかしますと監督には言い、

その話は終わらせた。

 皆の話を総括すると、やっぱり伊予美にマネージャーになってもらうには、

俺が直接お願いするしかないようや。

ここは覚悟を決めて、明日お願いしよう。



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