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ハリガネベイスボウラーズフォウ!  作者: 椎家 友妻
第六話 決戦!鉄壁高校!中盤戦
51/73

3 張高の四番

 そしてここで登場するのは四番ファースト千田先輩。

将来は本当の意味で四番を打たせたいという遠川監督の期待に応える為にも、

ここで反撃ののろしを上げる一発を打って欲しい。

 ここで鉄壁高校の内野陣はマウンド上に集まり、一旦間を取った。

そして二言三言言葉を交わし、またそれぞれの守備位置に散って行く。

そんな中千田先輩は右の打席に立ち、

(千田先輩は両打ちのスイッチヒッターなので、

左投手の時は右打席に入り、右投手の時は左打席に入る)

豪快にバットを構えて相手投手を睨みつけた。

あの構えだけ見ると、いかにも大きな当たりをかっ飛ばしそうな気がする。

鉄壁高校もそれを感じたのか、外野はフェンス際まで後退し、

内野手も定位置よりかなり後ろに守っている。

バットコントロールはあまりうまくないが、

見た目通りパワーはとてつもなくあるので、

バットにジャストミートすればどこまでも飛んでいく。

最近は練習以外でもバットを積極的に振っているらしく、

打撃フォームも以前より随分よくなってきた。

このままいけば、超高校級の強打者(スラッガー)に化けるかもしれない。

少なくとも遠川監督は本気でそう信じ、そうする為に千田先輩を鍛えているのや。

 千田先輩は前の二打席でいずれも空振りの三振。

しかしその豪快なスイングに、相手バッテリーは結構嫌な印象を持っているはずや。

 その千田先輩に、ピッチャーの一ヶ崎が第一球を投げた!

が、チェンジアップが指先に引っ掛かり、ホームの手前でワンバウンド。

千田先輩はそれを冷静に見送った。

そして次のボールも同じようなワンバウンドになり、

ボールカウントはツーボールナッシングとなった。

相手投手は甘いコースに投げたらあかんという意識が強くなりすぎている様子。

しかし次もボールにするとフォアボールで押し出しという可能性も出てくるから、

次は何としてでもストライクが欲しいところやろう。

その一球を何とか仕留めて欲しい。

 マウンド上の一ヶ崎が帽子を取って額の汗を拭う。

ここまで要所を押さえるピッチングをしてきたけど、

精神的には結構追い詰められているはず。

その一ヶ崎が第三球を、投げた!

ストライクを取りに来る甘い球!

・・・・・・ではなく、さっきと同じチェンジアップ!

完全にストライクが来ると決めて振りに行った千田先輩のバットは、

豪快に空を切った!

千田先輩の打ち気を見てとって、

スリーボールになるリスクを承知でもう一球同じ球を要求したか。

投げた投手も度胸あるけど、

それをリードするキャッチャーもなかなか一筋縄ではいかん。

 この一球で千田先輩に迷いが出たのか、

次の外角の甘いストレートを見逃し、

カウントはツーボールツーストライクの並行カウントになった。

相手バッテリーは間違いなく次に勝負球を投げてくる。

俺達張高ベンチのメンバーは固唾(かたず)を飲んで打席の千田先輩を見守った。

頼む千田先輩!何とかしてくれ!

 そして一ヶ崎が勝負の第四球を、投げた!

ホーム手前で落ちるチェンジアップ!

千田先輩のバットはその球に反応し、ワンバウンド寸前の球を、

 カキィイイン!

 打ち返した!


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