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ハリガネベイスボウラーズフォウ!  作者: 椎家 友妻
第一話 マネージャーをスカウトせよ!
4/73

2 決して妬んでいる訳ではない

いや、別にええけどね。

俺は昔から伊予美一筋やからね。

他の女子にキャーキャー言われたって何とも思わんしね。

 「キャーッ!松山くん素敵―っ♡」

こんな事言う女子がおっても何とも思わんし。

 「小暮君カッコイイ♡」

こんな声援聞いても、は?勝手に言うとけば?って感じやし。

 「遠川監督こっち向いてくださーい♡」

なんて言う奴がおった所で俺には関係ないし。

 こんな声援何とも思わんし、関係ないし、

別に嫉妬したり妬んだりする訳ではないけど、

あんまりキャーキャー言われると練習の妨げになるので、

俺は至って紳士的に、丁寧な物言いで、彼女達に言葉をかけた。

 「キャーキャーうっさいんじゃボケ!気が散るからどっか行けやアホ!」

 すると笑顔でキャーキャー言っていた女子達の顔が般若のごとく豹変し、

俺よりデカイ声で罵詈(ばり)雑言(ぞうごん)を浴びせてきた。

 「うっさいのはあんたやろ!あんたこそどっか行け!」

 ぐっ。

 「試合でロクに活躍もでけへんヘボキャッチャーのくせに!」

 ぐぬぬ・・・・・・。

 「松山君や小暮君みたいにかっこよくないし!」

 ぐぬぬぬぬ・・・・・・。

 「早く主人公交代しろ!」

 それは言うたらあかんやろ!

結構気にしてる事言わんといて!

 あかんわ、口で女子に勝つのは不可能や。

女子どものマシンガンのような猛口撃(もうこうげき)にすっかり心をへし折られた俺は、

その場でひざまづきそうになった。

 するとそんな俺の元に、ノックを一通り終えた遠川監督が歩み寄って来て言った。

 「おい正野(しょうの)、せっかく応援に来てくれている女子を邪険(じゃけん)に扱うものじゃないぞ」

 「いや、邪険に扱われているのはむしろ俺の方なんですけど・・・・・・」

 「何にしても私達に興味を持ってくれのはありがたい事だ。

例え誰を応援しようと、女子達が居てくれた方が、

お前達も練習に張り合いが出るだろう?」

 「はぁ・・・・・・」

 そんな遠川監督の言葉に、俺は魂が抜けたような返事を返す。

確かに遠川監督の言うとおり、女子達が練習を見に来てくれるのは、

それが誰目当てであれ、張り合いは出る。

遠川監督のおかげで練習の質も格段にレベルアップしたし、

毎日これ以上ないくらいに充実している。

 だが、しかし。

 それでも俺には、足りないモノがひとつあった。


 それは、マネージャーや。



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