8 謎の女子生徒
翌日。朝の練習は何事もなく終わり、昼休みになった。
教室でさっさと弁当を食べ終えた俺は、そそくさと教室を出た。
伊予美にこの前のマネージャーの返事を聞きに行くためや。
伊予美はこの前興味のある部活があるとか言うとったけど、
その部活とは何なのやろう?
それも含めてもう一度伊予美と話をしたかったのや。
そう思いながら伊予美の居る一年一組の教室に向かっていると、
さも当然のようにその後を碇もついて来る。
「何でお前もついて来るねん?」
と尋ねるも、
「昌也君の行く所なら、僕はどこだってついていくよ♡」
とのお答え。
聞くだけ野暮でしたね、はい。
そう思いながら一組の教室の前にたどり着くと、
伊予美が廊下に出て一人の女子生徒と話している姿が目に入った。
その女子生徒は小暮ではなかった。
伊予美より頭ひとつくらい背の高い、
スラッとひきしまったプロポーションの女子生徒。
上級生やろうか?
にこやかに笑いながら伊予美と楽しそうに話している。
が、その笑みの中に何やら怪しいオーラを感じるのは俺だけやろうか?
一体彼女は何者や?
と思っていると、伊予美はその女子生徒とともに、どこかへ歩いて行ってしまった。
「昌也君、小白井さんに用があったの?」
「ああ、でも先客があったみたいやな」
碇の問いかけに俺はそう答えると、一組の教室に目をやった。
小暮は大人しく教室に居るかいなと思うたけど、
教室の中に小暮の姿はなかった。
トイレか?
下手に校舎の中をウロついて、先輩達に目撃されたらまたややこしい話になるぞ。
と、思っていたその時やった。
ドォン!




