1 この後メチャクチャシバかれた
「はぁ~・・・・・・」
翌日の朝練で柔軟運動をしながら、
俺は魂が全て漏れ出てしまいそうな深いため息をついた。
むしろ漏れ出た魂でそのままあの世まで行っても構わないくらいやった。
そんな俺の様子を見た小暮が、呆れた顔で言う。
「何だよその情けないため息は?
まだ伊予美ちゃんにマネージャーの件をハッキリ断られた訳じゃないんだろ?
今からそんなに落ち込んでどうするんだよ?」
そう言って股割をしながら上半身をベチャッと地面につける小暮。
そんな小暮に、俺はアキレス腱をのばしながらこう返す。
「そうは言ってもやな、
マネージャーになってくれる可能性はあんまり期待でけへんし、
それに・・・・・」
「それに?」
「いや、なんでもない・・・・・・」
これを言ってしまうと、俺は野球を続ける事、
いや、この世に生きている意味さえわからなくなってしまいそうやった。
伊予美は俺の事を恋愛対象として見てない。
伊予美は俺の事を恋愛対象として見てない・・・・・・。
「はぁ~・・・・・・」
全く練習に集中できない俺は、
この後遠川監督のケツ叩きランニングで、
五十回もケツをシバかれる事になるのやった。




