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プロローグ
ブチブチブチブチ。
何かしら引き千切られた音とともに激痛が鼻腔を走った。
「いだだだだだだ!」
俺は鼻を押さえた手のひらを見ると、すでに大さじ一杯分の血が溜まっていた。
「なんじゃこりゃ⁈」
まるで湧き水のように血が滴り、ついに手から零れて布団を汚した。
「やばいやばい。どうしよ!」
俺はカーペットや壁が汚れるのも気にせず全力で洗面台に向かった。
その時にはすでに意識は朦朧とし、鏡越しの自分の顔もはっきりと見ることができなかった。
「くっそ! 止まらん!」
血だらけの顔を洗い、ティッシュを詰め込む。
しかし俺の鼻はダムが決壊したかのように血を放出しだした。
ついにティッシュをも押し出し、洗面台いっぱいに血溜りができた。
パニックになった俺は、その血溜りに顔を入れ自分の血を飲み続けた結果、ついに。
溺死した。