プロローグ 『贈り物を親愛なる貴方へ』
よろしくお願いします!!!
――死、というものを予感していた。
視界がぐにゃりと歪み、手足に力は入らず、必死に酸素を求めるが虚しくも白く泡を吐くばかり。
小刻みに震える身体でだらりだらりと糸の弛んだ人形のようにのたうち回り、意識は徐々に沈んでいく。
しかし、全ての感覚が遠のいていくような錯覚に陥りながらも、あの声だけは、不気味な旋律だけは、脳裏に響いていて――、
「……ハッピーバースデートゥーユー♪」
祝福が聞こえた。
触覚が電流のような痛みで麻痺し、言葉を発することも出来ず、聴覚すらも雑音で満たされた筈なのに。
冷めた脳がぐるりぐるりと直接中身をかき混ぜられたかのように、思考は徐々に酔っていく。
それなのに、聞き慣れたその声だけは、ハッキリと。
「……ハッピーバースデートゥーユー♪」
誕生を祝う歌で、死を賞賛されている。
終わりはもうすぐそこまで迫っていた。
光も、音も、全ての感覚が意識とともに遠のいていき、冷たく、深く、暗い闇へと鼓動が落ちていく。
「ハッピーバースデーディア……――――」
そこで呪いの旋律は途切れた。同時に、少年アイン・エリアスは無限に続くような苦しみからの解放、認識していた世界の終わりを実感する。
それから次の瞬間に、その魂は毒に侵された肉体を離れていき――、
――十八回目の誕生日。
少年は実の妹の手によって毒を盛られ、命を落とした。
※※※※※※※※※※
――――――――。
――――……。
……。
『対象存在の移転を確認。コード:ffffff、『最終兵器』《モノ》――起動』
てなわけで、『色褪せのアルマフィネイル ~目が覚めたら美少女で最終兵器だったんだけど~』、開幕。
略称とか募集してますので、どうか面白い(ハードル上げ)の思いついたら感想やらtwitter使って教えてください。
ちなみに、僕の脳みそでは『あせふいたでさいきんだけど』とかいう別に面白くない、謎の方言で謎の報告をする怪文書が限界でした。助けてください。