“好きや愛しているよ” の一言が言えなくてごめんね。
___私の彼とは?
10年以上、付き合っているのだけど、、、?
1度も、“好きや愛している” と言われた事がないの!
私の事を、【好き】と言うのも照れくさいのか?
小さな声で、ごもりながらブツブツと何か言っているだけ...。
___以前も彼と、【好き】と言ったか? 言ってないかで喧嘩したばかり。
『___ハルキは、今まで一度も私に好きって言った事ないよね?』
『___なに、言ってんだよ! 1週間前に言ったばかりだろう!』
『・・・えぇ!? いつ?』
『___1週間前だよ! ほら? あの時、』
『___あぁ、そういえば? ハルキがもごもご小さな声でなんか?
言ってた時の事を言ってんの!?』
『___そうだよ!』
『___私に伝わってないって事は、“言ってないのと一緒でしょ!”』
『___はぁ!? なに、言ってんだ! もういい! 二度と言わないから!』
『・・・ただ、言いたくないだけじゃん! ハルキは、』
『そうじゃないだろう! 言ってるのに言ってないって言うから...。』
『・・・・・・』
___結局、彼から1度も言われてないのと一緒。
“好き” や “愛している” なんて! この先、彼から言われる
事はないんだろうなぁ。
▼
___この事があってから、あっけなく僕たちは別れてしまった。
10年以上も付き合っていた彼女と別れるなんて。
僕が、24歳の時に友達の紹介で彼女と知り合って。
半年間は、友達同士だった。
何でも話し合えて、男女の関係なんか気にしていなかったんだ。
・・・だけど?
ミサが、僕の事が好きになったと、不意打ちに【告白】されて。
僕も、ミサの事が気になるようになった。
それから、付き合いだしたのがはじめかな。
付き合って初めて行ったデートも。
ミサの家の近くにある公園だった。 ミサは、僕の為に朝から頑張って
お弁当を作って来てくれていたんだ。
はじめて食べるミサが作ったお弁当は、とっても見た目も味も美味し
かったんだよ。ミサは、料理上手だと直ぐに分かったな!
特に、僕が好きだったのが卵焼きだった。
甘い卵焼き。僕の口に合う味だったよ。
*
___それから、あっという間に僕たちは同棲して。
10年以上経ったかな。
いつからか? 僕とミサは、小さな事で喧嘩するようになったんだ。
喧嘩の原因は? 僕がミサに、【好きや愛しているよ】と一度も!
言わなかった事。だって、恥ずかしいし! 普段から言わない奴が
言ったら? 気持ち悪いじゃん!!!
・・・でも?
ミサは、僕に1回でもいいから! 言ってほしかったのだろう。
何度も何度も、それで! 喧嘩したから。
▽
___ハルキと別れて1ヶ月が経った。
なんだか? 今の生活に全然、慣れない。
___いつも、私の傍には? ハルキが居たから。
“ヨリを戻したいと私からハルキに言えないし!”
それに! ハルキと付き合った時の私の歳は25歳。
今は、37歳。 ハルキと結婚すると思っていたから。
まさか!? “別れる” 事は、私の頭に全然なかったわ。
___今更、他の男性を一から好きになんかなれない!
▼
___あれからずっと! ミサの事だけを考えている。
・・・というより、僕の頭はミサの事で頭がいっぱいなんだ!
___僕だって! ミサ以外の女性を好きになんかなれない!!!
やっぱり、ミサとヨリを戻そう!
*
___僕は、ミサとよく合っていたあの公園に行ってみた。
そうすると? ミサがそこに居て。
『・・・えぇ!?』
『・・・あぁ、』
___一瞬、二人の時間が止まってしまったのだけど。
僕が、ミサにこう言ったんだ。
『・・・ごめん、僕がミサに好きや愛しているよと言えなかったから。』
『・・・ううん、もういいの!』
『___いや? ちゃんと言うよ! ミサ愛している! 僕ともう一度!
やり直してくれないか? 今度は、絶対にミサに愛していると言うから!』
『・・・もう、いいってばっ!』
『・・・えぇ!? でも、まだちゃんと、』
『言ってくれったじゃない! 今。』
『・・・えぇ!?』
『___なんか? お腹空いたな~何か食べに行こうか!』
『・・・えぇ!? あぁ、ううん。』
___僕とミサは、またヨリを戻したんだ。
今は? 一人より二人がいい。
僕は、ミサが誰よりもいい。
最後までお読みいただきありがとうございます。