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012 冒険者ギルドで驚かれてみた

「例の男が戻ってきたぞ!」


「あいつがゴリウスを倒したという例の」


「おいおい、手にシロコダイルの頭を持ってるぞ」


「本当にソロでクリアしたというのか」


「魔法使いでもないのにシロコダイルをソロだと!?」


「しかもこんな短時間で……マジかよ……」


 またしてもギルドでは注目の的だ。

 連中の会話によると、シロコダイルの討伐はさぞ凄いらしい。

 ただ討伐するだけでも凄いのに、討伐時間の早さが尚更に凄いとのこと。


(むしろ遅かったと思うがな)


 尻尾を食ったり、皮をなめしたりで、余分な時間を費やした。

 それでも早さに驚かれるとは……ここの連中はあまりにもぬるいな。


「お、お疲れ様です、ノブナガ様」


 受付カウンターでは、受付嬢が顔を引きつらせていた。

 まるで豆鉄砲を食った鳩のような表情で、目をぱちくりさせている。


「まさか本当にソロで倒されるなんて……それもこの短時間で……」


「ワニとの戦いは慣れっこだったからな」


 俺はカウンターにシロコダイルの頭部を置く。

 その横に冒険者カードも。


「これでいいんだよね?」


「は、はい、問題ありません」


 受付嬢はカードを回収すると、シロコダイルの頭に手を伸ばす。

 虫眼鏡を片手に、様々な角度から徹底的に調べている。

 それが済むと、「それにしても……」と呟いた。


「すごく状態が良いですね。これほどの質ですと通常の報酬に加えて特別ボーナスも追加されますよ」


「特別ボーナスなるものが存在しているのか。それはラッキーだな」


「今まで見た中で一番状態が良いです。頭部に一切の傷を負っていませんが、どうやって倒されたのですか?」


「どうやってって、口を縛って急所を一刺ししただけだが?」


「お一人でそれを成し遂げたのですか!? 凄いです」


「そちらに教わった方法は、俺には再現できないからな」


 クエストを受注した際、シロコダイルの倒し方を教わった。

 それは数人がかりで動きを止めて火の魔法で顔面を焼くという方法だ。

 そもそもの頭数が足りない上に、魔法を使えないので参考にならなかった。


「こ、これにて、シロコダイルの討伐クエストは終了となります。今回はノブナガ様がお一人でこなされましたので、報酬の100万ゴールドと特別ボーナスの25万ゴールドは、全てノブナガ様の口座に振り込ませていただきました。ご確認くださいませ」


 冒険者カードが返ってくる。

 カードに記載された残高を確認すると125万ゴールドになっていた。


「また、今回の功績により、ノブナガ様の冒険者ランクはF級に昇格しました。おめでとうございます」


「たった1回のクエストで昇格か」


「自身のランクより上のクエストをこなすと高く評価されるのです。加えて、Gランクの場合は特別で、適性ランクのクエストでも数回こなせば昇格できます」


「なるほどね。ところで、昇格すると何かいいことあるの?」


「もちろんです」


 受付嬢が詳しく教えてくれた。

 立ち入り禁止区域に入れるだとか、お店で専用のサービスを受けられるだとか、色々と優遇されているようだ。


「参考になったよ、ありがとう」


「いえいえ、今後ともどうぞよろしくお願いいたします」


 用が済んだので冒険者ギルドを後にしようとする。

 その時、知らないヒョロガリの男から声を掛けられた。


「なぁ、あんた、良かったら俺達のクランに入らないか?」


 この勧誘が皮切りとなって、一斉に周囲の連中が集まってくる。


「いや、ウチのクランに来いよ」


「それだけの才能があってソロは惜しい! 俺達のクランへ!」


「俺達のクランはいいぞ!」


 怒濤の勧誘合戦が始まる。

 ゴリウスをしばいてシロコダイルを狩っただけなのに騒ぎすぎだ。


「悪いな、今は誰とも連む気がねぇ」


 俺は群れるのが嫌いだ。

 基本的には単独で行動することを好む。


 ただ、サバイバル生活では仲間の存在が大いに役立つ。

 ソロとペアでは生き抜く為の難易度が段違いだ。


(いつか仲間が欲しいな)


 そうは思うものの、声を掛けてきた連中は論外だった。

 どいつもこいつも雑魚そうで、組んでも足手まといにしかならない。

 しばらくはソロで頑張ることになりそうだ。


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