-立川災害対策本部予備施設 緊急災害対策本部-
投稿時、本来の第八部を飛ばしてしまっていたため、不足分を挿入しました。
-立川災害対策本部予備施設 緊急災害対策本部-
11時26分
飛翔体が東京湾に落下するとの一報を受け、緊急対策本部は立川の予備施設に移されていた。
「それで、現地の被害状況は?」
大会議室には総理大臣をはじめとし、警察庁、防衛省等の関係閣僚が揃っている。
「関西地方一体の通信網が切断されているため依然不明です。先ほど情報収集のため、戦闘機二機が浜松基地を離陸しました。陸上及び海上自衛隊には飛翔体落下前に災害派遣待機命令が発令されています」
「しかしこの報告書を見る限り、他国はなんらかの武力攻撃を受けていると見える。武器使用を想定した防衛出動待機命令を出すべきではないのか?」
「まだ我が国が攻撃を受けたと確定したわけじゃない。防衛出動は難しいだろう」
「治安出動ならどうだ」
「状況が分からない現時点ではここでそれを判断するのは難しい。知事の要請があれば第81条(都道府県知事からの要請による治安出動)の適用が可能かもしれないが、どういうわけか無線どころか有線電話すら通じないのだぞ。該当地域どの知事とも連絡が取れない」
「連絡が取れないことそのものが異常事態です。すでに警察が対処できるレベルを超えています」
「過去には災害派遣で武器を使用した例もありますし、やはりここは災害派遣でどうでしょうか」
「なんにせよ、やはり状況がわからんことには動けんだろう。今は航空偵察の結果を待つほかあるまい」
広域通信障害によって詳細な状況が不明のため、有効な対策は取れずにいた。
「失礼します。情報収集衛星による写真撮影に成功しました」
「これは……」
新しく資料が配布されるなり、会議室の誰もが言葉を失った。
前後の内容に変わりはありません。




