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-アメリカ合衆国 国防総省-
-アメリカ合衆国 国防総省-
東部時間18時20分
「それで、地球へ落下するのは間違いないのか?」
正体不明の飛行物体七つが地球へ接近しているとの情報を受け、国防総省では緊急会議が開かれていた。
大きなディスプレイの並べられた会議室で、資料を置いた国防長官が口を開く。
「イギリスも、ドイツも、日本も我々の結論を支持しています。間違いないかと」
「陸地に落下する確率は?」
「それが…………」
「なんだ、はっきり言いたまえ」
「計算の結果、それぞれの飛行体は逐次コースを修正しながら陸地へ落下しつつあり、一つは我が合衆国へ向かっている、と」
「つまりなんだ? 隕石がミサイルのように誘導を受けながら飛んできている。そういうことか?」
「領土内に落下する確率は、88.42%です」
「……直ちに空軍に出撃待機命令を出せ。到達予想時間は?」
「今から……およそ二時間後です」