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妖精に怒られる

 ピヴァンとだけ名付けた時と同じように彼女の身体が輝き、光が収まった時には見た目が変わっていた。


 羽根が蝙蝠の姿から刃状に戻っていた、名無しの時と同じである。犬歯は戻っていなかったところを見るといいとこどりはできたようだ。デイウォーカーのといえばハーフというイメージによって容姿が半々反映されていると予想できる。


「あんた、馬鹿なの?」


 しかしピヴァンの反応は開口一番からの罵倒であった。


「さっきの話聞いてた?聞いてなかったでしょ。安易に名前つけるなって言ったの。

理解してる?あんた軽々しく名前追加したのよ。名前付けるときは意味を考えろって言ったでしょ。本当に馬鹿なの、馬鹿は死んでも本当に治らないのね。もう一回死んだら治るんじゃないの?」


 まだまだ罵詈雑言は継続しているが聞き流す。私としては大成功としかいいようがない。得意顔である。最近の言い方だとドヤ顔だ。


「あんた聞いてないでしょ」


 聞いてないし、聞く耳は持っていない。そうだ、名前をもっと増やせば!ミドルネームにブレイドでもつければ剣として使えるかもしれない。


「ピヴァっ!?」


 殴って止められた。やることを察知されたようだ。今回はアッパーカットだ。容赦がない、殺してでも止める気だ。なぜそう思うかというと喋ってる時にアッパーカットされれば、舌を噛むからだ。そしてピヴァンの力はビンタで私をぶっ飛ばすほどだ。

 幸いなことに舌は噛まずに済んだ。それでも宙を舞うことにはなったし、ブレインシェイクもされているだろう。天に打ち上げられた、このままいけば頭から地面に着地するだろう。しかしそこでピヴァンの攻撃は終わらなかった。空中岩石落としだ。身体が小さいため持たれているのは片足だ。そこから頭が下を向いている状態ではあるため着地は足からになるだろう。そのまま頭から落とすパイルドライバーではないところを見ると多少の慈悲は感じるが・・・。


二段目の攻撃がある時点でオーバーキルとしか思えないし、喋るのを止めるだけなら二段目はいらない。


「っ!!」


 痛みで声が出るかと思ったが声すら出なかった。


「これに懲りたら、二度と名前遊ばないでよね!」


 どうやら懲罰だったようだ。子供にする躾けのようだ。小さい者に怒られるというのは精神に来るが、それ以上に今は体が痛い。


「わかった?」


 ピヴァンがこっちの意思を確認してくるが、意思を示すどころか意識が飛びそうだ。


「どうなのよ!」


 身体を揺さぶってくるが声を出せない、どころか体が揺らされてたせいで・・・。


 また意識が途切れた。



───────────────────────────────────────────



「何寝てんのよ!さっさと起きなさい!」


 水をかけられて起こされた。4回目にもなると起こし方も雑だ。ただ単に怒りに火のついたままなだけかもしれないが。それでももう少し優しくしてほしい。水をかけて起こすなんて下手をすれば死んでしまう。服も髪も水浸しになってしまうし何より寒い。


「起きた!起きたよ!」


 だがピヴァンの対応は水のように冷たいものだった。


「ウォーター!」


 というか水かけ対応だった。イメージとしては水鉄砲で量はコップ一杯だ。


「ごめんなさい!、もう名前で遊びません!」


「ならいいのよ」


 謝罪が正解だったようだ。確かに罰を受けた後の回答をしていなかった。


「ところでなんだけど・・・」


 起こされる前から気にかかったことでもあったし、起こされた結果さらに気にかかったのだ。


「何?」


「魔法が使えるの?」


 ああ、これ?と言わんばかりにファイアと呟くと指からライターのような火が出た。


「そう!それ!」


「あなたも使えるじゃない」


 確かにそうだ。まず魔法を使ったのは私のはずだ。ピヴァンが先ではない。しかし私にはそんなものが使えた記憶と知識がない。だが物は試しだ使ってみよう。人差し指を立てて。


「ファイア!」


 火が・・・つかない。


「ファイア!ファイア!」


 再度やっても火はつかなかった。

 拳を震わせて、どういうことなのよとピヴァンを問い詰めようとした矢先に、それは起きた。

 火柱が上がったのだ。

とりあえず5月中は月金土日更新できるように頑張ります!

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