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「だって・・・」


 怒気を強くし過ぎたのか、急にしおらしくなった。虐めるつもりはなかったんだけど、この表情を見ると私にも罪悪感が湧いて、来なかった。こんなもの選択肢に含めるなと声を大にしていいたい。


「あれを着ろっていうの?」


「他にあなたが着れるようなのは知らないよ?」


 冗談じゃない、血まみれどころか、別の何かすらついていそうな代物である。どころかさらに言葉にしたくないものすらついてるかもしれない。


「仕方ないなー」


 この期に及んで仕方ないとか、握り潰したくなるような事を言った。


「右手をかざして」


 疑念を駆られながらも、妖精に従う。


「私に続いて」


「水よ、集いて」「水よ、集いて」


 かざした右手が少し湿り気を感じ出した。疑う気しかなかったが、と希望を抱いた。


「濁流となれ!」「濁流となれ!、え!?」


 こいつ目的見失ってるんじゃないかと思うような言葉を放った。手の平から水が手始めると同時に体から徐々に力が抜けていった。水と一緒に、まるで血も抜けていってるような感じだ。水の勢いはゆっくりと増したが、スプリンクラー程の勢いまで行った。

 しかしさっきの発言からすると、水が出るだけで済まないはずなのだが・・・。だがこれ以上水の勢いが強くなる気配はない。ふと気づけば水は止まり、私自身も地面に倒れていた。


「へばっちゃったのー?」


 くすくすと笑いながら妖精はいった。さっきのしょげた姿が嘘のようだ、これでこそ妖精というものだとすら思うような表情だ。

 だが力が入らない状態でなければ張り倒したい。その最大の理由はどう考えても衣服の汚れを払う詠唱ではなかったことである。濁流なんてものが本当に出たら血どころか衣服が流されてどこかにいってしまう。そしてまた全裸で探す羽目になる!。幸いこの辺りにはこの生物以外はいないようだが、既に見られた相手かつ、一応こっちを介抱してくれた相手である妖精ぐらいならまだしも、人間に見られた日にはお嫁に行けなくなってしまう。


 そうなったらまず妖精を殺す、そして相手も殺して私も死ぬ。羞恥のあまり話が変わってしまった。

今は隠すこともできなくなりそうだけど・・・。



─────────────────────────


「やっと、起きた!」


 またそんな声で目覚めた。


「待ってたのよ!」


 ずいっと顔を近づけてきた。日が明るいままのところを見ると気絶した時間はそこまで長くないと思いたい。一日経ったとは思いたくない。思いたくはない・・・!


「これ!これ!」


 妖精が持っていたのは死体が着ていた服だった、どうやら余計な物はついていないようだが、血は服に染みついてしまっているのか、真っ赤になっていて元の色がわからないほどだ。

 よく思い出せないが、多分これは制服という奴だろう。


「ありがとう」


 礼を言った後に気付く下着は?どう見ても制服の上着とスカートしかない。アンダーシャツはあるようだが、インナーがない。何度見てもない。

 仕方がないので早々と着替える。引っかかることもなく着替えは終わった。妖精はこっちが着替えるのを興味深そうにじっくりと見ていた。この着替えが二度手間になるかもしれないが、聞かなければいけないことがある。


「これ以外にはなかった?」


「?」


 質問の意図をまるで理解してないようだ。妖精はインナーを着ないんだろうか。上はともかく下は必要だと思ったのだけれど・・・。もしかして履いてないんじゃないかと思い、妖精を下から覗き込もうと・・・。


「何するのよ!」


 そういう羞恥はあったよう・・・?あれ?立っていたはずなのに、地面が見える。逆さになっているようだ。またも驚愕である。この妖精もしかしなくても、強い・・・!?


 たかがビンタであれー?もしかして私また死ぬ・・・の?

祝2回目です!この調子で書いていきたいです!

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